My Anime #21 (December 1982)

pg. 9-30: Yamato Decade

pg. 31-35: God Mars

pg. 36-40: Crusher Joe

ミネルバ新カット到着
ジョウたちの愛機ミネルバは、現代のスペース シャトルをモデルにしている。こういうことも、 「クラッシャージョウ」が近未来的設定にしなけれ ばならなかった理由のひとつだ。SF作家、高千 穂さんの参加ということもあり、科学的描写は、 リアルなものが期待できそうだ。

Interview with Yoshikazu Yasuhiko:アルフィンとジョウは二枚目キャラクターではない!?

MA. まずは、製作状況をうかがいたいのですが。

Yazuhiko. タイトルバックなんかも含 めて、手つかずのカットが、残り3 00カットぐらいです。こないだ、 やっと2ブロック目のラッシュがで きました。

MA. ごらんになって、思いどおり にいってると思いましたか。

Yazuhiko. 大体こんなもんだろう、と いう感じですけどね。自分の描いた 絵だから、そんなにアッと驚くほど 立派になる わけないの を知ってい るから。高 千穂さんか ら電話がき て、彼も見 たらしいか ら、「どうかねェ」と言ったら「面白 いし、いいんじゃない」って、喜ん でいるみたいでした。原作者が満足 なら、言うことはない。

MA. ギャグっぽい顔やアクション が、想像以上に多かったのですが、 なにか意図があるのですか。

Yazuhiko. ギャグを作ろうということ ではないんですけど、表情やアクシ ョンの芝居をつけていくと、自然に ああなってしまうんです。くずして 楽しむとか、意図的なものではなく、 気楽にやればくずれるというなりゆ きじゃないですか。イメージが狂っ たという手紙をもらったこともある けど、(ジョウやアルフィンは) 美男 美女じゃないと思ってやってるんで す。芝居をつけた結果がああなると いうことです。意図的にやると、臭 いと思うし、アクションでも同じで すね。

作品を盛り上げる漫画家のキャラが続々と登場する?!

MA. 吾妻ひでおさんとか、他にも 漫画家が、ちょっとしたキャラクタ ーデザインをしていると聞いたので すが。

Yazuhiko. コンテで、ボス(ビッグマ ーフィ)の背中に、小動物が乗って いるんですけど、その動物のイメー ジがわかなくてねェ。考えたら「これ は、何といっても吾妻ひでおの世界 じゃないか」ってね。高千穂さんに 「どうか?」っていったら大ノリにノ って、彼の交友関係で、あの人にも 頼みたい、この人にも頼みたいって 十数人に頼んだかな。吾妻さんもた いへんまじめに考えて、色つきのキ ャラ表も描いてくれました。(吾妻さ んのキャラは)目がうつろでね、あ れが困っちゃって。視線を定めると 吾妻キャラではなくなるんで、あれ がフレームの中にいるとコケてしょ うがない (笑い)。 吾妻キャラだけはレギュラーだか ら、事前に発表しようと言ってるん です。 他の方のは、発表しちゃうと 話題性作りになっちゃうから、協力 してくれた人たちに申し訳ないとい うことで発表しない。 それと、「見て のお楽しみ」みたいなものが一番自 然でいいんじゃないですか。 吾妻さんも含めて、最初から「ノ ーギャラです」と、「そのかわりカッ ト出演していただきます」、それから 「打ち上げのとき、飲み会におよび します」という条件で(笑い)。「これ だけの協力をもらっている」という と宣伝に使うような感じになって、 ノーギャラで描いてくれた人たちに 悪いという道義的なこともあって、 「これだけのゲスト出演がいますよ」 というのは 宣伝では使 わないでお こうと。そ れで正しい んじゃない かな。ひょ うたんから コマで、僕 が言ったの は吾妻さんだけなんです。

一年かけて、やっとこさえた作品がどういうものか?!

MA. 今回初めて、監督をやってみ て得たものというのはありますか。

Yazuhiko. 得たものというのは、これ から徐々にわかってくるんじゃない かと思う。ただ、意外な人が非常に がんばってくれたり、ある人の才能 を見つけてしまったり…… 「あ、今度この人と仕事を する時はこういうつきあい 方がいいな」とかというの が、数少ないスタッフでやっていな がらも随所にあります。

MA. 「クラッシャージョウ」の公開 を心待ちにしている人たちに、何を 楽しみに待っていればいいのか、教 えていただけますか。

Yazuhiko. とにかく、実質的にも1年 間もたっぷりかけて作っている。そ れは人手が足りないからそうなっち やったんだけれども、1年かけて、 やっとこさえた、そういうものがど ういうものかっていうのだけは、多 少期待してもらっていいんじゃない かって気がするんですけどね。2千 カット全部、これが百パーセントベ ストという見せ方はできないんだけ ど、ある程度の水準に全部そろえた いというやり方はしているし、「この シーンはおそまつだから、目をつぶ っててください」ということにはし たくないと思ってやっているので、 力量がそのまま出ています。

敵の姿がだんだん見えてきた
本誌1月号P63に掲載した、「タカ ラ」の広告で登場した、マーフィパ イレーツが、ジョウたちの戦う相手 だと思ってほぼまちがいないだろう。 どのような戦いが展開されるか?

NEWS CRUSH NO. 1
音楽決定!!

すでにご承知のように「ク ラッシャージョウ」は、これ までのアニメの枠を一歩超え た作品です。そのため音楽 既成のアニメ・ソングにはな い新しさが要求され、音楽家 選びには慎重を期してきまし た。そして、イメージ・ソン グを歌うのは、実力派新人、 西松一博氏と決定しました。
●西松一博プロフィール
(にしまつ・かずひろ) 1953年4月13日佐世保 で生まれ、博多で育つ。多く の、九州出身のアーティスト に共通するのは、出身地を大 事にして、地元をベースに息 の長い地味な活動を続け、い つの日か、中央で「すごいや つがいる」と、なかば伝説的に 風聞が伝わるパターンが多い。 西松一博も例に洩れないシン ガー・ソング・ライターで、 業界では評価が定着していま す。日本人離れした声質に原 作者が惚れこみ、作曲、ボー カルに決定しました。

安彦さんの話にもあるよ うに、二枚目と思われたジ ョウや、美人と言われてい るアルフィンが、とんでも ない表情をしている。普段 の人間は、いい顔ばかりし ているわけではなく、驚い たときや怒ったときはこう いう顔をするものだ。

pg. 41-45: Future Police Urashiman

pg. 49-50: Arcadia of my Youth: Endless Orbit SSX

わが青春のアルカディア」から、 「無限軌道SSX」 へー原作者 松本零士のビジョンはこれだ!!

Interview with Leiji Matsumoto:

80%のハーロックらしさを、 少しでも100%に近づけるよう努 力したい!!! とにかく1話完結 のテンポをくずさず、そのメリ ットを生かしてゆくつもりだ。 要所要所では自ら脚本も手がけ るつもりと意欲満々の原作者、 松本零士氏に、「無限軌道SSX」 のビジョンをうかがってみた!!

MA. まず「わが青春のアルカ ディア」をご覧になった感想か らおうかがいしたいのですが?

Matsumoto. あれはああいう映画にな って、ちょっと重かったかな、 という思いはあるけれど、スタ ッフも「999」とは全く違っ ているので、また別のカラーの 映画になって、あれはあれでよ かったと思います。

MA. ハーロックを描ききったという満足はおありですか?

Matsumoto. そりゃあ、どこまでいっても100%の満 足、というのは無理なんで、80%くらいハー ロックらしくなったというところです。これ ばっかりは共同作業ですし、それは「SSX」 も同じなんですけどね。

MA. その「SSX」ですが・・

Matsumoto. うん、これはもう完全に1話完結でい きます。「1000年女王」のときに、「つづく、 つづくであまり分量がない」といわれたこと があるので、今度は良きにつけ悪しきにつけ 全部1話完結です。1話1話を映画のつもり で作っているんで、そういう意味では毎回退 屈はしないと思います。まあ第1話の視聴率 はたいしたことないんだけど、これは持続す るものだから、長い目で見ていかなきゃいけ ないと思います。

MA. 第1話は脚本もお書きになったそうで すが、いかがですか?

Matsumoto. ええ、自分で書いたんだけど、いざ出 来上がってみると、ずいぶん違うようね。 後も要所要所は脚本をやりますけどね。

MA. 今後の展開はどのように?

Matsumoto. 起承転結のある1話完結の話を積み重 ねて、ラストへもっていきます。非常にSF チックなところと、非常にメルヘンチックな ところが重複して出てきますよ。それに西部 劇風なところもね。 ありがとうございました。期待しています。

声優陣も大活躍!!

声のほうも、おなじみのキャストで、ガッチ リと固めている。年齢想定が「キャプテンハ ーロック」より若く、「アルカディア」よりは 高いというもので、また新しい気分を楽しめ るようだ。思わず「若いなあ!」とファンが 喜んだのはトチロー役の富山敬氏「999」の トチローへと成長してゆく過程がとても興味 深い。

完璧な作画と完璧な演技陣!! アニメの美し「さを、「SSX」の中に見た!!

裏番組になかなかの強敵「うる星やつら」 が控えている水曜夜7時30分。アルカディア 号は、無限軌道にのって旅立ちを始めた。 ご覧になったファンのみなさんはもうわか っていると思うが、とにかく絵は美しく、 技陣の質の高さも驚くほどであった。絵と音、 アニメの2大要素がこれほど高く維持された 作品は、1週間の内に何本もない。そんな意 味でもぜひとも注目してほしい作品だ。 作画面では、映画のときに指摘された少々 暗すぎた画面も、TV用に明るく処理されて いる。映画版の画面が挿入されても、少しの遜 色もないほど高いレベルに安定した作画は、 さすがの一言である。 さらに、第1話に関 していうなら、多くの ファンが小松原一男氏 の作監だと信じたほど 画面であったが、実 は荒木伸吾氏なのであ 最近外国向けアニメにお仕事の中心を移 されていて多くのファンを嘆かせた荒木氏の 画力は松本アニメならば小松原〟という定 説を見事にクリアして、その実力のほどを見 せてくれたのだ。 本家の小松原氏も続く第2話で思う存分そ の実力を発揮してくださった!!! もはや一つ の芸術とさえいいたくなるその”絵”は、圧 倒的であった。

松本節、ここに極めり
ハーロックに見る男の美学 其之老 絵と音の十二分なフォローを前提に、今、 きらめくばかりに展開される〝松本アニメ” の醍醐味!!! ハーロックとトチローに見る男 の美学を、そのセリフからここに再現!!

「殺し合いはよそう。朝日は美しいぞ」
第1話「アルカディア発進!」で、自分を 殺そうとした少年、物野正に向かっていった 言葉だ。遮二無二敵に向かおうとする少年に 男の初々しいきらめきを見たのかもしれない。 瞬間的に物野正の目からその本質を読みと り、決して自分を撃たないと確信できるほど、 ハーロックの人間洞察は優れている。 いや、それは本能的ともいえる、人間の見 分け方なのだろう。 ハーロックの男としての度量の大きさがよ くわかるセリフだ。

「お前は背中から撃たなかった。足はふるえていたが、正面から立ち向かってきた」
物野正に向かっていったセリフに、ハーロ ックの男の美学を垣間見ることができる。 たとえ負けるとわかっていても、正々堂々 正面から立ち向かう。「999」で語られた衝 撃的なハーロックのセリフ以来、ハーロック の価値観のすべてを示している。

「旅は愉しくなくてはな」
敵の罠があるとわかっていながらも、ラ・ミ メが泳ぎたいとリクエストすれば、デスバ レーに舞い降りる洒落心。男の美学はダンデ でなければならない。

「竜の、仕事が残っている」
第2話「女艦長L・レオタード」で、かつ ての戦友を売ったレオタードと決着をつける ために惑星レーズに戻ろうとしてのセリフだ。

「SOSに応えるのは、船乗りの義務だ」
第3話「さらばデスシャドウ」の冒頭での セリフ。こうしてドクター蛮、レビを救い出 すわけだが、敵に追われている最中にもかか わらず、海の男の心意気を決して忘れないハ ーロックなのである。

「俺にはできない・・・・・デスシャドウは、かつて俺の部下たちが赤い血で染めた船だ・・・・撃つわけにはいかない」
男が流した血の重さを、ハーロックは誰よ りも知っている。かつて心を一つにして戦っ 仲間たちの血の重さは、何物にもかえがた い。この決断の迷いが、アルカディア号を危 機に陥れる。それは、艦長としては許されざ 振舞いなのだ。だが、ハーロックにとって このときは、まだ過去の幻影とは完全に絶ち 切れていなかったのだ。 幾百、幾千の辛い経験をして、男は完成さ れてゆく。

ハーロックとて最初から完成された人間 では決してなかった「SSX」の旅を通して一 人前になってゆく”男”。それは物野正のよう な少年だけでなく、ハーロックそのもののテ ーマでもあるのだ。「わが青春のアルカディア無限軌道SSX」の今後に注目しよう!!

pg. 53-56: SDF Macross

アメリカ帰りのア ニメファンが、こい つは面白いと身を乗 り出した!! 「マクロ ス」。じゃあこいつは “宇宙のマッキーだ ぜ!!! 愛称もすぐに 決まっての話題作!! そのハイライトをピ ックアップだ!!!

アメリカへ航空宇宙学の勉強をしに留学し ていたアニメファンが、3年半ぶりに日本へ 帰ってきた。彼はタツノコFCにも属するほ どのタツノコファンで、今回の「マクロス」 も、噂を聞いて期待していたそうだ。 彼の名は、シンイチ・アサミ。 第1話を見て、「これは面白い!」とすぐに 「マクロス」に”マッキー”というニックネー ムをつけてしまったのだ。いかにもアメリカ 的なそのやり方に、彼の友人たちも大乗り気。 今では「マッキー見た?」で話が進むとか。 けれど売り物のSFにしても、演出面での フォローがなされていないのでは、とか、設 定的にこれでいいの?といった厳しい目も 忘れていない。 明るく楽しく。 そんな画面を見るにつけ、 思わず宇宙のマッキー”なんて呼んでみた くなる「マクロス」。若いスタッフの熱意に溢 れた作り方に、思わずうれしくなってしまう 期待作だ!!

細かな演技もたっぷりと
第1話での人気は、主役コンビにもまさっ てあのフォッカー少佐が第1位 (?)。輝のエ アレーサーに怒るシーンでは、手にしたマイ クの下の棒が抜けて、あわてて手で持つなど、 本当にこれまでのアニメ以上の気の配られ方 をしてくれた。 思わず「うまい!」という神谷明さんの好 演もうれしい。新人の主役コンビの演技は、こ れからが大切。神谷さん、小原乃梨子さんとい ったベテラン陣のガードで、ガッチリとマス ターしていってほしい。 絵的には、 アン・ミンメイが今一つ目立た なかったが、やはり色使いもあるのだろうか。 女の子らしいしぐさには定評があるが、美樹 本さんも本当に熱の入れ方が違うようですね。 ブリッジのオペレーター三人娘といい、ク ローディア、未沙のコンビといい、女性キャラ の楽しさに、ファンの目はもう釘づけなので す!!

メカデザインあれこれ
メカデザインは「マクロス」の一つの売り 物である。 バルキリーのスマートさから、敵 戦艦のゴツさまで、量感をよくフォルムにと らえている。しかし疑問とされた敵のガンポ ッド、あれの中には人はどう乗っているのだ ろうか? 倒れたときの大きさと、バルキリ に迫ったときの大きさには、今一つ差があ ったのでは?の声もあった。「ぬえ」 を見る 目は、実に厳しい。プロもアマも真剣勝負で 「マクロス」に注目しているようだ。 板野サーカスの面目躍如たるメカアクショ ンには賛嘆の声のオンパレード!(P556から は板野サーカスの特集だよ!) あまりに速く わからないかと思いきや、VTRでもう一度! すると見えてくるのです。回を追えばきっと あのスピードに慣れてくるのだろうと、その 手のファンはもう大感激でありました!!

先生、質問!
第1話でのファンの質問は、なかなか厳し いものであった。 「あの反重力推進機は、どうしてああいう飛 び上がり方をするのですか? 反重力推進な ら、そのフォールドをつくって船体を持ち上 げるのではと思います。そうでないとしても、 いくら宇宙製でよくわからないにしても、あ の甲板を貫いて飛び出してくるというのは、 単に剛性〟の問題なのではないでしょうか マクロスは、基本部分のテストもやらず にいきなり反重力装置をつけたのでしょうか ?」(熊谷市 佐藤一久君) 「フォールドした空間はどうなるのですか?」 (堺市花田文男君) 「あんなに巨人で、地球の重力は平気なので すか?」(神奈川県 竹田志津子さん) 「フォールドしたあと、なぜフォールド装置 が消えてしまったのですか?」(東京都 阿部 むつみさん) お手紙をくださったみなさんありがとう。 花田君! 君は本誌7月号を読んでないな! 本誌ではなんと7月号からその情報を掲載し ていたのだよ。かれこれ5か月前。そこの部 分はもう一度紹介しておこう。インタビュー は、シリーズ構成の松崎健一氏だ。 「フォールド航法は、FOLD、つまり折り 曲げるって意味です。これは船の周りにフォ ールドエリアをつくって、空間と空間を転位 するわけです。僕らは空間の等価交換方式” と呼んでいますけど(笑い)。で、通常空間に 出ることをデフォールドと呼びます」

こういった質問はまだまだ寄せられました。 そこで編集部では、来月からこういった に対して「スタジオぬえ」に直接アタッ てみようと思う! 「マクロス」のご感想、 ご意見、そしてご質問! どんどんお手紙し てください。来月号からの「マクロスSF講 座」でドバッと紹介しちゃうからね~~!!!

さて、最後に科学解説家として超常現象研 究ではその人ありと知られ、あの吾妻ひでお 先生のマンガにも「メモしておこう」と登場 してしまった志水一夫氏に、「マクロス」世界 へのシビアな眼差しをお願いした。

志水一夫の
これはメモしておこう
偉大なる伏線(?)に乾杯!

勉強不足の作品が多い中で、珍しく過去の 作品から極めて多くのことを学んでいるこの 「マクロス」。しかしこの作品にも、残念なが ら欠点が全くないというわけではない。主に SF考証の面からいくつか指摘させていただ き、これに続く作品の参考に供したく思う。 のっけから「おや?」と思ったのは、マク ロスの間近にまで市街地が迫っているという こと。あれだけ人家が建てこんだ中で進宙式 避難命令のようなものが出た様子もない ……° あんなドでかいものがあんな所でち ょっとでも発進しそこねたりしたら(ホント にした!!!)、大惨事ではないですか。クワラバ、 クワラバ。 「落とし主の想像を絶するような改造が加え られた」はずのマクロスの主砲(主砲ですぞ) が未修復だったというのもなかなかですが、 発進しようとしたら重力制御装置がかってに 外れて飛び出してしまったというのも、〝謎 です。推進力(?)の計算もまともにできず に、そんな装置を修復していたんでしょうか。 何より、ブッチ切れて空中を飛んでいた重力 制御装置は、どこからそんなエネルギーを得 ていたのか、よくできた装置なんですねー。 驚いたのは、輝がバルキリーの手(?)で リン・ミンメイをつかんだまま発進!! ミサ イルの飛び交う中を飛びまわり、しかもその 後、落下していく彼女の手を、輝が風防ガラ スを開けて空中でつかみあげるというシーン。 スピードによる衝撃や風圧による呼吸困難 も何のその。彼女は強い女の子なんですね。 このことによる彼女の精神的ショックも少な すぎる感じですが、これは2009年(昭和 8年!!)ともなると、メンタリティーも変わ ってくるということなんでしょう、きっと もっとも、ひょっとすると、これは何か大 きな基本設定の伏線(たとえばリン・ミンメ イたちが新人類やサイボーグだったとか)か もしれませんから、今はあまりあげつらうの はやめておくことにしましょう。「ガンダム」 や「ダイターン」の例もあることですし。

緻密に計算されたその動き、アニメも感覚から論理の時代へ!! (Interview with Ichirō Itano)

「マクロス」でいちばん驚いたあのシーン!そんな 問いには、半分の人が華麗なメカアクションをあげる ことだろう。板野サーカス”と名づけられたそれは、 アニメの動きにロジックを持ち込んだ、新しい世代の アクションアニメートなのだ!!

MA. “板野サーカス”、見せていただきまし た。ただただ圧倒されましたね(笑い)。

Itano. そんなことないですよ。

MA. 板野さんは、どんなきっかけでアニメの世界へ?

Itano. まさか自分がアニメを作るようになる とは思ってませんでした。 高校を出て、 上野 ヘオートバイの部品を買いに行ったとき、偶 然、スタジオムサシの募集を見つけたのです。 アニメファンではあったので、まあ面白そう だからとテストを受けたら入ってしまいまし て……

MA. この世界に入られて、何年ぐらいですか?

Itano. 5年です。

MA. 「マクロス」チームは本当に若いです ねえ! これまでにおやりになった作品では、 やはり、「イデオン」と「ガンダム」が代表作 ですか!

Itano. そうですね。原画をはじめてやったの が「ガンダム」の第26話「復活のシャア」 な んです。まあ、それ以降、安彦さんが病気で 倒れている間、作監もどきで、メカを中心に シャアなんかも修正していました。

MA. 「イデオン」は?

Itano. 第2話でサンライズの第1スタジオか 湖川さんのいるビーボオーへ手伝いに行き そのままそこにいついてしまいました(笑い)。 そして劇場用の「ガンダム」Ⅰ・Ⅱ・Ⅲとやっ て「イデオン」「ザブングル」「クラッシャー」 原画をやってきました。

アディゴは、一つの極限

MA. 板野さんの存在をファンが知ったのは 早いもので「ガンダム」のビット、やはり圧 巻はあの「イデオン」のアディゴでしょうね。

Itano. アディゴにしても、本当はもっと速くや りたかったのですが、 一つの極限みたいな感 じはありましたね。あのタイミングにしても 本当に実現するのが大変でした。演出の方や 作監の方が、「これじゃ速すぎて見えないよ」 といわれて修正するんです。何とか説得して やってもらえた一つの極限だと思っています ね(笑い)。

MA. 「マクロス」への参加は?

Itano. まず僕は「スタジオぬえ」のデザイン が好きなんです。 ですから 「クラッシャー」 の仕事もやりましたし、あの美樹本君のキャ ラなんかも好きなんですね。好きな作品で仕 事ができるんなら、というのが大きな理由で したが、もう一つは、メカ作監として自由に やっていいという話があったからです。 僕としては、やりたいタイミングというの がまだあるわけで、制約のない仕事をやらせ てくださるならということでお引き受けした わけです。おかげで6月からほとんど家に帰 っていません(笑い)。電話も止められましたし、 家には、月に一度部屋代を払いに行くだけな んですよ(笑い)。

MA. しかし、その成果は、あの画面から十 二分に見てとれますね。

Itano. ありがとうございます。

速すぎる画面は、必然だ

MA. しかし、あの画面はあまりに速くて、 本当に細かくはわかりませんね。私の年です アディゴのスピードについてゆくのがやっ となのですかね(笑い)。子供たちは、ついて ゆけるのですか?

Itano. これは、かえって小さい子供たちのほ うがスピード感は高いと思います。 TVゲー ムのスピードは「ギャラガ」なんて、ものすご くなりますが、それについてゆけるんですね。 今の小学生のスピード感は、僕たち以上だと 思います。彼らが見ている「ゴーグルⅤ」や 「ギャバン」などのアクシ ンのスピードも ものすごいですよ。ああいうのを見ているな らば、という想定はありました。

MA. けれど、今のアニメファンには、やは アディゴが精いっぱい(笑い)。?

Itano. あれは最後でタイミングをつめてある んですよ。最初画面にインしたときのスピー ドではまったくわからない。けれどその先で、 少しタメるんですね。そうすると、あ、今行 ったのはアレだったかと。ミサイルにしても、 色の点のように小さくなっても、それから煙 を出していれば、あれはミサイルかとわかる。 そんなことをやったわけです。

MA. そのタイミングでもいいと思うのです けど、やはりまだ遅いのですか?

Itano. あと一枚、あと一コマ早く、といった 欲求が「マクロス」だったわけです。けれど、 あの戦闘シーンは、本来わからなくていいわ けです。

MA. というと?

Itano. 物語では主人公が、生まれて初めて戦 争に巻き込まれるわけです。彼には戦いが見 いのです。

MA. そこまで計算して!

Itano. ええ。あの絵は、これまでにあったよ うな、カメラは望遠で、どっちが敵で、どこ からミサイルがきて、どっちがやられた という客観的なカメラ移動とは逆の、主観的 なカメラ移動をもとにしています。この絵は 誰の目から見たものなのか、どの飛行機につ いているカメラなのか、といったことです。 ですから、当然、輝の目には何が何だかわ からないくらい速いわけです。

MA. では、演出のほうでフォローしてほし かったですね。「なっ、何が何だかわからない!」 とか一言入れてくれたらよかったのに!見 ているほうが、そうかこの絵はわからなくて いいんだと納得したかったですね。

Itano. そうなんですよ。そしたらフォッカー が「バカヤロー!これが戦争ってもんだ!」 とかいい返せば、それで十分ですからね。けれ ど時間的に、それだけのことがつけ加えられ なかったんです。仕方ないと思っています。

MA. では、慣れるに従ってアディゴくらい に見えてくる(笑い)?

Itano. はい。それに、主人公のライバル役で 超天才のパイロットが出てきます。当然彼の 目からの絵では、見える戦闘シーンが出てく るつもりです。

MA. すごいですね。そこまで考えて作られているわけですか。

感覚ではなく理屈で

Itano. たとえば、金田伊功さんなんかは感覚 だけであれだけの動きを描写し切ってしまい ます。けれど僕みたく若いとそれができない わけで、その分を理屈でフォローしようとす るのですね。

MA. 板野さんの好きなアニメは?

Itano. やはり宮崎さん、大塚さんのものです ね。それに富野オペラ。 植田PDに「イデオ 「ン」は物語でオペラをやり、メカでサーカス をやってるな なんていわれましたが、僕 はメカのサーカスという息抜きは大切だと思 っていますね。

MA. アニメーターでお好きな方は?

Itano. 人間の芝居なら抜群の安彦さん。 やパースではずば抜けている湖川さん。それ にやはり大塚さんたちのものや、出崎・杉野 コンビのものも大好きです。

MA. これからも、ぜひともがんばってくだ さい。素晴しいサーカスを期待しています。 ありがとうございました。

pg. 57-59: Space Adventure Cobra

これからの課題を与えてくれた作品

映画「コブラ」は、僕にとって初め ての仕事(パターン)だったという気 がするんです。というのは、今までは その作品に対するテーマ性というもの と自分をきり結ぶ、みたいなところが あって、絵をどうしようとか何をどう しようというようなことは後からつい てきたんです。 だけど今度の場合、僕が最初に意識 したのは、”コブラ”というのは背中(内 容のこともあるし、自分が演出してい く上での普遍性みたいなもの)で演技 できるというか、”コブラの背中〟みた いなものを一つのテーマに置こうと思 ったんですが、それがとても難しくて ね。それに、表の部分(技術的なこと とか視覚的なこと)で苦しんじゃって、 最初に意図したように、つまり背中” の部分と表の部分をうまく結びつける ことができなくて、ずいぶん苦悩しま した。だけど、こういう経験は初めて で、とてもいい勉強にもなったし、これ からの課題を得たとも思っています。(Osamu Dezaki)

大野サウンド炸裂
一瞬「ルパン三世」を連想し、次の瞬間に は「音楽は大野雄二さんか!」と、強烈な大 野サウンドに一気に魅き込まれてゆく。 オープニングアニメは、幻想的なイメージ シーンでコブラの不敵さ、小意気さ、そして 力強さを余すところなく表現しているといえ よう。第3話からは、タートル号の登場シー ンが、物語とあわせて挿入され、最初のオー プニングの雰囲気を壊すことなく変更されて いる。音楽は、あくまでシャープにそしてボ リュームたっぷりに、映画版とは全く別の世 界を見事に作り出してくれた。 音楽的には、第3話でジェーンと出会い、 一人クラフトバイクを駆ってゆくシーンへの つなぎの演出効果を特にあげねばなるまい。 ジェーンが「あいつ・・・・・・」と走り出すカット から、映画版でもおなじみの荒野に現れてく るバイクに乗ったコブラ。そこに絶妙の間を もってかぶるテーマソング! 体が自然にリ ズムをとり、これがコブラの世界だ!と酔 うようなここちよさが体を走る。 たちまちのうちに「コブラ」の魅力の囚と なってしまうのだ!! 音楽面では、アレンジ的にまだ「ルパン」 のイメージが完全に払拭されていない点が惜 しまれるが、映画版を思えば、高い評価を与 えてもよいだろう。

ベン&レディ
第1話にしか登場しないベン。実はレディ であるわけだが、サブキャラ指向のファンは 目敏くベンに目をつける。あの「起きやがれ」 とか「コーヒーが入ったぞ、飲みやがれ」と いったセリフには、思わずニヤリとしてしま う。マンガが動き、そして音を出す。その醍 醐味は抜群である。 中には、レディもいいがベンも捨てがたい として、もうしばらくはベンのままでヨタヨ タとコブラのあとをつけまわしたらよかった のに、といった声も聞かれた。しかし本命は なんといってもレディ。榊原良子さんも、し っかりと役をつかんでいる。これからの活躍 が期待される。

そしてコブラ・・・・・
野沢那智さんの声には、まだ賛否の声があ るようだが、そのうまさは全員が認めている。 野沢さんでないほうがという声を拾ってみる と、「うますぎるんですね」というのが反対の 理由として返ってくるから恐れ入る。 しかし、画面を見る限りコブラとの相性は 満点以上。優しさ、かろやかなひょうきんさ、 そして迫力さえある。セリフの重みも十分で 聞きごたえあるコブラを作ってくれた。 「スペースコブラ」の質の高さは、この秋の 新番では出色のものだ。この製作スタッフの 力を背景にいかなるイメージを僕たちにぶつ けてきてくれるか? 「スペースコブラ」のこ れからは、期待度NO.1なのだ!!!

アクション・アクション
コブラの走りは凄い。コナンのそれをシリ アスにしたら、そんな印象がいちばん近いだ ろうか。とにかくよく動いてくれる。パター ンとしては敵のレーザービームから逃げまど うところが多いが、楽しく緊張感があり迫力 も十分。サイコガンのSE(効果音)も腹に 響く心地よい音だ。 第3話でのクラフトバイクのコミカルな処 理も忘れ難い。三枚目の顔、コブラのそのイ メージを動きまでもフォローできる実力は、 やはり杉野昭夫氏ならではだ。 微妙な表情の変化も見逃せない。目の動き だけでさえ語るものはセリフ以上だ。オープ ニングのラストで、雨霰と襲いくるビームを 不敵によけながら近づいてくるコブラ。この 表情こそ、どんな俳優にも負けないキャラの 演技といってもよいのではないだろうか。

エンディング
「スペースコブラ」第1話の感激を決定的に したものがあのエンディングだ。ただカード が回るだけ――けれどそれが微妙な動きをし ている。カメラは次第に離れ、カードは音楽 にあわせるかのようにゆっくりと回り続ける。 曲相と見事なまでにシンクロした傑作エン ディングといえるだろう。オープニング、エ ンディングで、コブラの世界のイメージの再 現を成功させたのである。

美女乱舞
毎回一人は登場し楽しませてくれる美女も 嬉しい。第1話のトリップムービーの案内嬢。 第2話の助けを求めて来た女。第3話はおな じみジェーン。第4話はキャサリンと黒い肌 のサイボーグ戦士 驚くべきことは、そのどれもが明確に判別 できるのだ。もちろん色使いのためもあるだ ろうが、いかに杉野氏のストックが豊富かと いうことの証拠であろう。 彼女たちの存在がコブラに事件を招き、物 語に華かさを増し、そしてレディの嫉妬を呼 ぶ。実に楽しくなりそうではないか! 「スペースコブラ」の未来は、期待一杯だ。 海賊コブラに、そしてその製作スタッフに 乾杯!! 僕の待ち望んでいた「コブラ」は、まさに これであった。映画の消化不良をおこしたよ うな今一つのもどかしさが、本当に溜飲のさ がる思いで消し飛んだ。彼は、コブラであっ た……。 出崎統氏は、その本領がTVであると、今 の段階ではいわねばならないかもしれない。 30分という枠に凝縮された氏の世界は、十分 な広がりと重さをもって、見ている者を包み 込んでゆく。映画でいちばん痛切に感じた、 ラストー秒のふんばり。それが見事なまでに なされ、わずか2分30秒の世界は1時間にも 2時間にもイメージをふくらませてくれる。 一言が、一人の男の半生を、一瞬、垣間見 せてくれる。それが出崎氏の演出の凄さなの た。原作を消化し、さらに超えた”何か”を 見せてくれる。これまでと同じく「コブラ」 にもそれがあった。 イメージはあくまで原作の「コブラ」。テン ポ、キャラ、音楽、見事に原作を再現してい た、ところが 記憶の戻ったコブラが外 の雨を見ながらレディと語りあうシーンで、 「これからどうするの?」「俺の三つめの顔を 見たいか?」「ウフッ、さあ?」「ヘッヘッヘッ。 正直いうと俺アニの顔、結構気に入っちまっ てるんだ」「まあ、フフフ」。 この会話は原作にはない。しかし、このシ ーンが挿入されたばかりに、続くコブラの、 「平和な生活が続くとまた血なまぐさい生活 が恋しくなるのさ」というセリフが、倍以上 に生きてくる。しかも、基本設定である顔を 変えたというクダリもしっかりと物語の中に 根づいてくるのだ。 コブラは、海賊である。その一言がいかに 語られてゆくのか。僕は大いに注目し、また 期待している。 演出技法について、少し触れるなら、第3 話で見せたジェーンがコブラを追って駆け出 すカットから、荒野をゆくコブラへのつなげ 方など、まさに出崎演出の面目躍如、絶妙のタ イミングである。「あいつめ・・・」の一言は、 藤田淑子さんならではの素晴しさである。こ の雰囲気を120%に増幅し、コブラヘー。計 算されぬいた”効果”の用い方。心憎いばか りの演出技法そのものに、僕は震えるような 感動を覚えた。 出崎氏の与えてくれる”感動”とは、情感” だと思っていた。だが、より分析すると、僕 自身にとっては、その研ぎ澄まされた演出効 果の用いられ方そのものも大きな感動であっ たようだ。少し玄人的な見方なのだろうが、 出崎 演出の一面ではないかと思っている。 絵にも動きにも文句はない。音楽も、「ルパ ン」のにおいがまだする点を除けば十分だ。 テーマもエンディングも二重丸。特にエンデ ィングアニメは、ラストでカードを倒してく れたら僕には満点であった。ともかく、「とき めきトゥナイト」のエンディングともども(ハ ハッ)今期のベストに近いと思う。

pg. 60-63: Combat Mecha Xabungle

pg. 65-67: Fang of the Sun Dougram

pg. 68-69: Galactic Gale Baxingar

pg. 70-71: Minky Momo

pg. 72-75: Acrobunch

pg. 77-79: Earth Telepath Story

pg. 83: Aura Battler Dunbine

pg. 84-85: Genma Taisen, Urusei Yatsura

pg. 86-87: Eagle Sam, Sasuga no Sarutobi

pg. 88-89: Tokimeki Tonight

pg. 90: Ron and Ran to the Sky!, Spaceship Gallup

pg. 91-93: Anime Model Lecture

pg. 94-95: JUN

pg. 97-102: Esteban, Child of the Sun

pg. 103-107: Anime Hot Liner

pg. 108-109: Urashiman FC

pg. 110-114: Haruka Takachiho/Noriko Ohara

pg. 115-130: TV Radar

pg. 131-141: Queen 1313

pg. 143: Cosmo Horoscope

pg. 144-165: My Anime Jockey

pg. 167-168: Legend of Voice Actors – Takeshi Aono

pg. 169-171: Information Party

pg. 172-173: World Anime Information

pg. 174-175: Hideo Azuma

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