Urusei Yatsura [TV Series, 1981]

1981

November

Animage [pg. 24-32]

『Dr. スランプ』を追い越せ”のかけ 声もいさましく、いよいよ10月14日 からスタートする『うる星やつら』。 小学館 少年サンデー」の人気作品 アニメ化、初のレコード会社との 提携作品ということもあって、放映 前から周囲はなにかと騒がしい。は てさて、どんな作品になることやら 話題のラムちゃんの近辺をさぐって みると・・・

1: CITY・SFってなんだっちゃ!?
「高田明美十今村立夫さん」の 左の描きおろしが、まさにそれ!!

「宇宙がオレンジ色で、なんかハッピー。それでいて、さわや か。どっか、オッカシー」というのが、左の絵の第一印象じゃ ないかな?!?! その印象こそが「CITY・SFアニメ」の中味 なんだと、AMでは考えている。ことばで説明すれば「ラムち ゃんのお色気がいやらしくない」とか「ギャグがドタバタ調」と いえる。でもそれはことば。「アニメなんて・・・」といっている、 テニス やサーフィン大好き少女に「これだけは見るの」といわ せるしゃれた作品。 それが 「CITY・SFアニメ」。

高田さん (キャラ設定) と今村さん (美術監督) よ りひとこと/ 「この作品 は、飛ぶイメージがすご くある。 で、 すぐこの構 図を思いつきました」(高 田)「なんかかわっている 作品でしょ。 だから、 ふ だん使わない色で宇宙は ぬってみました」 (今村)

2: なんでうちのアニメが生まれたんだっちゃ!?

昭和43年9月から「週刊少年サン デー」に連載され、56年9月末現在 7冊の単行本も出版されている『う る星やつら』。すでに単行本の発行部 数も200万部にせまる勢い。さら に昭和56年度小学館漫画賞受賞とい うおまけつきー。 これほどの原作だけあってアニメ 化の話もいままでにも再々あったよ うだ。その『うる星やつら』がつい に「スタジオぴえろ」の手によって アニメ化されるということで、アニ メ界・テレビ界の注目を集めている。 原作者の高橋留美子さんは、東京 女子大学史学課卒業の24歳の新進マ ンガ家。彼女は、小学館漫画賞の受 賞理由にもあげられているとおり 『ナンセンスについての秀抜な感覚 と、思春期の少年少女たちの心理 の機微にすばらしい描写力』を持っ ていると定評のある作家でもある。 彼女といちばん密に接している「週 刊少年サンデー」編集部 『うる星や つら』担当の大島誠さんは、この作 品の魅力をつぎのように語る。 「テンポのよさと会話のユニークさ がこの作品の魅力 しょうね。キャ ラとキャラのリア クション(ひとつ のセリフ・動作に対 する相手キャラの反 応)の中に、彼女は独特なものを持 っています。そこが彼女の才能でし ょうね。ですから、アニメ化にあた っても、この会話のテンポとキャラ の持つテンポはぜったいにくずして ほしくないと思います」 さて、アニメの『うる星やつら』 んが、いったいどういう作品になる のか。プロデューサーの布川ゆうじ さんが説明してくれた。 「小学生から大学生ま で、幅広いファンを持 つ原作ですが、アニメ ではもう少し小さな子 どもたちにもなじみや すいようにアレンジし てあります。ですから かわいらしいサブキャ ラのテンちゃんなども 原作よりずっと早い回 に登場させるつもりで す」

3: だれがうちを描いてくれるんだっちゃ!ワッ、美人がー。 ところで実際にこの作品を制作す 主要スタ フの顔ぶれをみると、 うら若き女性が多いのにまず そのへんの事情を布川さんに聞いてみるとー 「原作を見ると、意外に毒のある、 きわどい部分が多いんです かし、一線は落としていない。 これ は作者が女性だから、毒のある部分 を描いてもサラッとイヤミなく描け るんじゃないかとぼくは思うんです。 この作品を男性スタッフでアニメ化 した場合、アニメというのは動くだ けに直接的に作品の香りが出て います。 だけにサラッとは描け ないんじゃないかと思いましてね・・・。 しかし、基本的にスタッフの選定は、 作品を読んでやってみたいと思って いる人を中心に選びました。ですか とても若いスタッフが多くなって います。そして彼らのバイタリティ が画面からあふれ出ることを期待 しています」 そんな布川氏のことばに答えるよ うに、演出の小島多美子さんもこう 語る。 「自分でコンテを描いていて、笑っ てしまうぐらい楽しんで仕事をして います。そのおもしろさがそのまま フィルムにまで出れば成功なんじゃ ないかと思うんですよ」

がんばれ若手スタッフ 新時代のものを作れ!!(Includes Comment from Hiroshi Sasagawa)

竜の子時代 最後に直接指導 した演出家が押 井くん。彼には 昔から他人とは ひと味ちがった、なにかがあって、 どの作品にも押井流の味付けをして しまう人だった。ギャグひとつ作る にも彼の場合は、計算しつくし、理 屈を通して作る、そんなところがあ りましたね。彼も30になるのか・・・・・・。 新しい時代の人が新しい感覚のもの を作る ぼくはとてもいいことだ と思う。自分たちで満足せずにお客 さんに精一杯サービスしてほしいね。

4: インベーダー・ラムの動きースピード感は描いてくれるんけ!?

この作品の最大の特徴はテンポの いい動きにあるといわれている。 スピード感あ 原作の切れのいい、 ふれるラムたちの動きは実際にはど のように表現されるのか 省略の 技法とは具体的にはどういうものな か。演出の押井さんに聞くと、こ んな返事が返って来た。 「ラムたちのあの切れのいい動きの テンポを出すにも、また1話実質11 分(30分で2話放映)という中で原作 のおもしろさを十分に表わそうとす るにも、従来のギャグアニメのテン ポではとても無理なわけです。そこ で不要な映像はどんどん切り捨て、 いちばん見せたい部分だけを優先的 に描いていくという方法をとりまし た。これが省略の技法です。 ですから、本来アニメではつなが らないといわれていたカットでも、 思います」 多少の冒険は覚悟の上でつなげてし まっています。この技法は1分とい う短い時間を有効につかうためにも、 また動きに切れ味を出させるために とてもいい効果を出していると ひらたくいえば、左の上3コマの コンテのように、あたるが地面に落 ちる瞬間、傷の手あてをしている場 面などの説明的なカットがまるで ないということなのである。 そして作画的には、毎話2か所ぐ らいずつ見せ場も作られているとい う。それは、すごいモブ(群衆) シー ンであったり、また省略の技法をフ ルにつかったラムのスピード感あふ れるシーンだったりするらしい。 さらにもうひとつ、この作品の特 徴をあげるとしたら、徹底したナン センスギャグであるという点だろう。 「従来のギャグアニメは、メチャク チャにしたら、最後には必ず後かた ずけをしなくてはならなかった。 かし、この作品はもとがナンセンス ギャグ。自分の作ったギャグに責任 をとる必要はないわけです。 たとえば、前の話で地球が爆発し てしまっても、つぎの話になると、 また何もなかったようにあたるたち が生活している。それでもかまわな い。ただ、視聴者がどこまでついて これるかという問題は残りますが」 この点は見てのお楽しみだろう。

5: ダーリンは、どんなふうに描かれるんけ!? やっぱり浮気症け!?

演出の押井さんのいちばん好きな キャラは、ナント”あたる”。 「『あたる』は、どれだけ浮気症 つまり無節操に描けるかだと思って います。でも、ぼくは無節操は無節 操なりにひとりの人間としての一貫 性、存在感がなくてはならないと思 います。そのへんの『あたる』とい う人間の本質に、彼自身も気づいて いないんじゃないかと思う。 それを 描いてみたいんですよ」 さらに、この『あたる』をはじめ とするキャラを自由奔放に動かすた めのシチュエーション、つまり、舞 台が、SFの世界だと、押井さんは 語る。 「SFは、もちろん重要な要素には ちがいないです。でも、この作品は あくまでもナンセンスギャグ作品で あり、見せたいのはキャラの個性な んです。設定にとらわれない自由を 作るために、SFをもってきて 「従来のギャグアニメのように、 間の感覚で見せるのではなく、人間 と人間の関係で見せるギャグを作り たいですね。当人たちにしてみれば まじめにしているふつうのことが、 人と人とのちょっとしたすれちがい で、とてもコッケイに見えてしまう ことがありますよね。そんなところ を徹底して追求し、男女の存在感 人間というものをとらえてみたい ですね」 以上が、教職課程を卒業後、この 道に進んだというユニークな経歴を もつ、若い演出家、 押井さんの演出 ポリシーだ。頭をカラッポにして見 ラム以上にひどくとんだ気分 になれる作品が、見られるような気 する。 なお、この作品の音楽担当は、あ ・フュージョンギタリストの人気者 高中正義や、シンガーソングライタ の草分け、小椋佳が所属するキテ イ・ミュージック。その意味で、サウ ンド面でも、期待できる作品になり そうだ。 必聴、必見の番組だ。

6: というわけで、私の胸のあのシーンが生まれたんだっちゃ!!

さてさて、なにはともあれ周囲の期待の大きなこの作品。アニメ『う る星やつら』では、憧れのラムちゃんはいったいどうなるのだろうか。 放映に先がけて、1話のハイライトシーンをのぞいてみれば・・・・・

Episode Summaries (Written by Yûji Nunokawa):

10月14日から毎週水曜日に登場す 『うる星やつら』のエンディング についてお話します。 エンディング・アニメーションの 作画は、CMアニメーターで活躍し ている南家講二さんにお願いしました。 絵の中でラムがサンバを踊るんで す。ところが、南家さんがサンバの ステップがわからないから正確なサ ンバを踊れる人を知らないかと聞か れ、まわりの人に聞いてまわったの ですが、だれもサンバとは無縁の連 中ばかり。やっとのことでコスタリ カから留学に来ているという女性を 知人に紹介してもらいました。 さっそく事務所に来てもらい、レ コードをまわしながら、その女性に サンバを踊っていただくことになり ました。 みごとにリズムに乗ってサンバを 踊る彼女をビデオで撮影して、ライ ブ・アクションを撮りました。 苦心の末に完成したエンディング・ アニメ。いかがですか? ラムのサ ンバはキマッテルでしょう!?

★見どころ★

1話 「うわさのラムちゃんだっちゃ!」
土手の上をてれてれ歩いていたあ たるが、黒ぬりのリムジンに連れ去 られてしまう。銀河のかなたから、 地球を侵略に来たインベーダーたち インベーダーと勝負する地球人に あたるが選ばれたという。そして相 手はグラマーなラムちゃん。 地球人 類の運命をかけたあたるとラムの鬼 ゴッコが始まる。

Animedia [pg. 6-13]

スーパーSFドタバタアニメ!
いったい誰が正常なんだろう!?

『うる星やつら』は、すでに原作マンガ でご存知の通り、やたらユニークな登場 人物がワンサカ出てくる。ところが、そ のうちのひとりとしてまとも”なのが いないのだ。せいぜいしのぶが正常人の 範囲にひっかかるくらい。ま、ラムは異 星人だから、しかたないとしても、あた るに面堂、レイに錯乱坊と数えあ げればきりがない。それも、なぜ 欲望のおもむくまま、世間のそ しりを意に介せず生きぬいている たくまし~いやつらが常時登場する。 その欲望が爆発する時ドッキリ、 ドッカーンのシーンがテレビの画面に展 開するわけだ。あたるや面堂の直情型性 格(?)や、屈折したあたるの両親、む じゃきなラムちゃんの行動に、ぜひ期待しよう!

いよいよ放映間近! とん でる3作品が、いかに苦労と 涙(?)を乗り越えて作られ ているかー各作品のスタ フのみなさんは、語る!!

オープニング
キャラクターデザインは “等身”にまいっちんぐ!? (Roundtable that includes comments from Akemi Takada)

出席してくださったのは『うる星やつら』 のキャラクター・デザイン高田明美さん、『ま いっちんぐマチコ先生』の作画監督の上梨一 也さん、そして「ダッシュ勝平』の作画監督 河合静男さんの3人。さて、いかに迫るか!?!?!! スタッフ対談!!

AN. お忙しいところ、ありがとうございま す。まず、この3作品は、すべて原作の絵が あるわけですが、それをアニメ化する時のご 苦労などから、お話していただきたいと思い ます。

Takada.『うる星』の絵は、私自身の絵と近い感 じですので、それほど苦労しませんでした。 それに、毎週ゲストキャラなどを描くわけで すから、なれてきますしね。ただ『マチコ先 生』のメインキャラも、私がやらせていただ いたのですが、あの時は学研さんまで行って、 打ち合わせの上、1日で描いたものですから、 さすがに疲れました(笑)。

AN. すみません。人使いが荒くて(笑)。

Uenashi. デザインの時に問題になるのは“等身” ですね。マンガは、コマで見せますから、伸 び縮み自由ですが、アニメはフレームが決ま っていますから、人物の等身も決めないとね。

Kawai.『勝平』の場合、主人公は2等身から2 等身半と決まっています。これ以上、大きく はしません。体も表情のひとつというわけで、 表情をその2等身半全体で、表現するわけで すね(笑)。

それぞれの原作の イメージを大切にしたい

Kawai. キャラもそうですけど、全体のムード、 原作のイメージを大切にしたいですね。 『勝 平』も、原作者の六田(登)さんのりょう解を えて、イメージをこわさないようにアニメ化 したわけです。ひとつの作品のムードをこわ さずに、アレンジしなければならないのが、 むずかしいですね。

Uenashi. 同感です。 キャラを振りむかせること ひとつにしても、マンガの絵にはない絵が必 要になるわけですが、それ一枚だけとると、 まるで違った顔になっちゃう。 でも、動きと して、ムードをこわさないようにしています。 また、演出の人も、映像としての実在感を求 めてきますから、あらゆる角度の絵が作品と して異和感があってはならないわけです。

Takada.でも『マチコ先生』なんか、下からア オると苦しいですよ(笑)。

Kawai. うち(竜の子プロ)でも実在感をいち ばんに考えています。あまりデフォルメして いくと、別世界のものになっちゃう。また逆 に、いくらくずしても、そ の原作のムードや実在感が あればいいと思っています。

Uenashi. さきほど等身の話が 出ましたが、話によっては マチコ先生なんか伸び縮みしますよ(笑)。 カメラの動きにあわせて、それなりにで すが。

Kawai. シリアスものなんかは、絵を描く目的 というのがはっきりしていますよね。本格的 なデッサンで、というか……。でも『勝平』 なんかのギャグものとなると、かなりくずす でしょう。それも、くずしてもきたなくしち ゃいけない。だから、むずかしいですよね。

Uenashi. それは言えますね。品よくしたいんで す。ま、自分たちに品があるかどうかは別と して(笑)。絵描きとして、理想というか、常 にいいものを求めるという部分ですね。

AN. 今、品よくというお話が出ましたが、 お色気の方も、やはり品よく……?.

Uenashi. (高田さんに) ほら、あなたは、両方(『マ チコ先生』と『うる星』)のキャラクターを 描いたんだから最初に(笑)。それに、女性の 意見を聞きたいな。うちの若いアニメーター の女の子なんか、ある意味で拒否感を持って いるみたいですよ。「こんなかっこうして、い やだわ」なんて。

Takada.どちらかというと、邪心がないだけす なおに描けましたよ。

Uenashi. なるほど。邪心なく、マチコ先生を自 分に見立てて(笑)。

Takada. ええ(笑)。いえ、絵としてフォルム の追求を。でも、色っぽく、かわいく描こう としました。もっとも、それを決めるのは、 見ている人ですから、自分なりには理想に近 い形で、きれいなかわいい形にしてあげようと。

Kawai.「勝平』でも、あかねちゃんは、色っぽ さを出していきたいですね。今までと違って あまり大人っぽくなく、カラッとしたお色気 で。たとえばスカートをめくられても「キャ ー」 なんて言わない。笑って受けとめるよう そんなサッパリした描き方でいきたいと思います。

Uenashi. それは『マチコ先生』の方針も同じで すね。スカートめくって下着を見るのがテー マじゃないわけです。ま、男ってのは、女の 人に興味がある――これは、純粋なものだと 思いますよ。だから、そういったお色気の部 分は、やはりカラッといきたいですね。

AN. 男には、いつまでたっても、そういう 気持があるようですね(笑)。

Uenashi. 見たい、というね。でも、おばあさん はご遠慮したいですね(笑)。

ファッションだってグ~ンと 新鮮に、ショッキングに!! 思います。 キャラクターのファッションも、見る 側の楽しみのひとつですが、やはりいろいろ と考えておられるのでしょうか。

Uenashi. その点『マチコ先生』は大変です。 ア ニメーターの女の子が、女の子は1日ごとに 着がえるんだからと言ってきました。服装は どんどん着がえさせようと思ってます。

Takada.、大変ですね。

Uenashi. 着せかえセルなんか考えなくちゃ(笑)。

Takada. 実は、ラムちゃんも、ビキニだけでは ないんです。2クール目ぐらいから、他のフ ァッションも着せようと思っています。

Kawai.「勝平』は、ファッション性という点で は、あまり苦労はありませんが、先ほども言 った実在感という点では、季節を出すように しています。

Takada.でも、本放送で季節を気にして描いて も再放送ともなるとメチャクチャですね(笑)。

Uenashi. そりゃ、無理だよ(笑)。

Takada.ですから、同じ冬服を考えるのでも、 ポッテリしたものはさけて、スリーシーズン タイプみたいなファッションを考えるんです。 もっとも、ラムちゃんは冬でもあのビキニで すけど。あたるが「よく寒くないな」と言う と「きたえ方が違うっちゃ」なんてセリフが 返ってくるんですよね(笑)。

Uenashi. しかし、下着を出すというのも、男と しては大変でしてね。いつかマチコ先生の下 着が干してあるシーンを描いた時、女の子の アニメーターから「あんなに大きくない」と クレームがついたんです(笑)。それで「では、 君のを見せてくれ」と大笑)。

Kawai. 勝平は、どんなかっこうをしてもかわ いらしさが出せればいいんじゃないかと思っ ています。まあ、時には『マッチ売りの少女』 にふんしたり、体操のコマネチみたいなかっ こうをしたりしますよ。でも、勝平は何を着 てもダボダボなんですよね(笑)。そのダボダ ボになってズリ落ちそうな衣裳を生かした ポーズを描きたいですね。

スカートをめくるシーンは 普通のシーンより楽しいか?

AN. 高田さんは『マチコ先生』と『うる星』 を手がけられたわけですが、男性作家のお色 気と、女性作家のお色気の違いというものは 感じられましたか。

Takada. あまりないと思います。

AN. 男も女も、考えることは一緒(笑)。

Takada. いえ、違うとは思いますけど……。 た だ『うる星』に関して、よく男性が「出てく る男がみんなアホなのは、男を馬鹿にしてい るんじゃないか」なんて言いますけど、原作 者と同性の私としては、そうは思わないんで す。あれは決して男を馬鹿にしているのでは なく、愛情をもって描いていると思うんです。 あたるなんかどうしようもないアホですけど、 彼は作者に愛されているんじゃないですか。 男に敵対していると見られるのは、困ります ね。

AN. 今、あたるがアホという話が出ました けど、勝平なんかも、かなりアホをやってい るんじゃないですか。

Kawai. 彼は、ただ一生懸命なんでしょうね。 決して、人を笑わせようなんて思っていない。 これは、スタッフのみんなの意見でもあるん ですけど、あの小さな体で必死になってやる 姿が、結果としてこっけいに見えるわけです。 それと、いろいろな秘技を使うからといって、 彼はスーパーマンではないですね。運動神経 は発達していますけど、やはり努力を重ねて いるんです。

Uenashi. チャップリンなんかも言っていますが、 喜劇っていうのは、他人の悲劇なんですよね。 笑わそうと思って演じるのは喜劇ではなく、 笑われたくないのに笑われるのが、いちばん 本物の喜劇でしょうね。アニメーターの場合 は、笑わせようと思って描いているわけです から苦しいですね。

Kawai.勝平には、ぼくたちができないことを かわりにやってほしいですね。

Uenashi. アニメーターの楽しみといったら、そ れですよ。

Kawai. ええ。まあ、言わば”楽しみと苦しみ” でしょうか(笑)。でも、作品にはすごくノッ てますよ。

AN. 私たちが思うに、歩いているシーンや 勉強のシーンなんかより、更衣室をのぞいた り、スカートをめくるシーンの方が楽しく描 けそうな気がするんですが(笑)。

Uenashi. 日ごろの夢がかなったりして(笑)。

Kawai. まずどんなフィルムか見てください! と言うしかないですね。

Uenashi. 『マチコ先生』は、たまたま2本上がっ ているんですが・・・・・・。

Takada. あら、まだ見せてもらえないんですよ。

Uenashi. ところが、フィルムになってみると、 意外な面が見えてくるんですね。はっきり言 うと、あまりにも上品すぎる(笑)。下着が見 えるシーンも、すごくおとなしいんですよ。 これは、アニメーターに女の子が多いし、原 画の方でも押さえよう、押さえようとして (笑)、こうなったんでしょうね。一枚一枚の 絵を止めて見れば、ドキッとするんですが、 フィルムは流れていますから、チラッだけな んです。で、次回からは、もう少し、その、 なんだと(笑)。

Kawai. スカートをめくる話が出たんですけど、 それは昔、すごいブームとなりましたよね。 それを今やっても、新鮮じゃないですよ。 ス カートの中ばかり追求しても、二番煎じでし かない。同じようにスカートはめくりますが、 今までと違った何かを出さないとね。

Uenashi.それは『マチコ先生』でも同じです。 スカートめくりがテーマじゃない。子どもた ちも、それはマチコ先生に接するための手段 なんですね。で、たまたまマチコ先生という のは、先生になりたての不安定なところもあ るけど、持ち前の明るさでなんでも解決して いくというキャラクターでしょう。子どもた ちも先生にタッチして、その反応が明るいか らもっと接したくなる。そんな先生がいたら ぼくらも今ごろは、もっと気軽に女性に接す ることができたと思いますね(笑)。

Takada. まあ、えらい夢を持ってますね(笑)。

AN. 原作とアニメの違いについては、みな さんどうお考えですか。

Kawai. それは、最初からありますね。しかし さっきも言ったようにムードは大切にします。

Uenashi.材料をどう料理するかということに、 似ているんじゃないですか。

見てくれた人の感じたものが この作品のお色気だと思う

AN. ズバリ、アニメの色気っていうのはな んでしょうか。(色気に執念を燃やしている)

Takada. また(笑)。 どうも誘導じん問みたい (笑)。あの、『うる星』の場合、お色気よりも、 精神的にとんでる面白さみたいなのを楽しん でほしいと思います。

Uenashi. まあ、この3作品の中でお色気に関し ては『マチコ先生』は、意識して描かなけれ ばいけないでしょうね。なにかこわいけど (笑)。それはもちろん、テーマを描く上の手 段ですが、かなり考えないといけないでしょ うね。

Kawai.「勝平」では、その物語の中にたくさん の女の子がいて、そのひとりひとりにかわい らしいお色気がある という感じで描きま す。また、アニメのお色気というのは、見て くれた人が「色っぽいな」と思ったところが、 そうだと考えてくれればいいんじゃないでし ょうか。ぼくたちとしては、お色気を出そう と描いてはいませんし。

Uenashi.うん。いい回答ですね。

楽しみはまだまだ続くよ さあ、キミもテレビへダッシュ!

AN. ところで、それぞれの作品の見どころ、 また、おすすめの話数などを教えてください。

Uenashi. 『マチコ先生』は、流行なども取り入れ ます。2話では、スケートボードなども登場 しますし、フリスビーでマチコ先生のスカー トにアタックするなんてアイデアも出てます。 あ、それから、7話ではケン太たちが、ツッ パリスタイルで、ギンギンに活躍しますから 楽しみにしていてください。

Takada. マンガではよく、中のシーンを抜いて 描く手法があるでしょう。パッと飛んだら、 次のコマでは落っこちてたり それを、 『うる星』ではやってみようということです。 それから、マンガの原作ではエピソードが不 足するので、話が原作以上にエスカレートす るものもあります。 合 勝平クンのひたむきさみたいなものを 見てください。それと秘技もいろいろ考えて いますからお楽しみに!

AN. どうもありがとうございました。

Short Q&A With Rumiko Takashi:
決して男はうる星アホ〟では ないのだけど―なぜかなァ さて『うる星やつら』の原作者、高橋留美 子さんは、アニメ化についてこう語ってくれた。

AN. アニメ化の感想は?

Takahashi. ポスターや雑誌の絵を見て、今からワ クワクしています。

AN. アニメ化に対しての希望はありますか。

Takahashi. 人の手になるものですから、多少変わ るのはしかたのないことです。ただ、私の作 品はテンポのマンガだと思っていますので、 アニメでもテンポを大切にしてほしいですね。

AN. ところで、なぜあたるは、アホなんでしょうか。

Takahashi. 私は、女性は色っぽい人が好きなんで すが、男性を描くとなぜかアホばかりで(笑)。 性格設定の上で、感情移入しやすいようにし たら、ああいう性格になったわけです。

AN. アニメのキャラクターをご覧になった感想は?

Takahashi. ラムがかわいくなっていますね。

AN. 最後にひと言。

Takahashi. とにかく、まだ実感がわきません。放 映されたら、一視聴者として見ます。

Monthly Comments and Q&As

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    Q. 期待してました通り、おもしろ いですね。とくにラちゃんがすご カワイイですね。そこでぜひお願 いしたいのですが、ラムちゃんの声 をやっています平野さんについて プロフィールなど教えていただけま せんか。杨木集栃木市 福島節(14歳) 
    A. まず出身ですが、東京の西荻窪。 生まれは、昭和30年4月23日。身長 154cm, 体重は41kg、サイズは上から 80、56, 82です。平野さんは今回の ラムちゃん役がはじめての声の出演 ですが、NHKラジオの「おしゃ ベリ歌謡曲」のDJやフジテレビの 「小川宏ショー」のレポーターとし ても大活躍しています。趣味は、ジ ャズダンスをはじめ、ローラーホッ ケー、文房具集めと多彩。俳協所属。(Actors’ Association)

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