Super Dimension Fortress Macross

1982

July

My Anime [pg. 67-69]

主人公は一条輝! 天才的な腕を持つエアレーサー ようするにヒコーキ野郎です。

今秋に控えた新番組、その中で異彩を放つ のがこの「マクロス」だ。それもそのはず、 SFのハードウェアにかけては斯界の第一人 者の呼び声も高いスタジオぬえが、その総力 をあげて原作を作ったという。シリーズ構成 は脚本家の松崎健一氏、キャラクターデザイ ンは、ファンダムでも有名なHALこと美樹 本良晴氏(君!)だ。設定と考証に並々なら 労力を費やしたこの「マクロス」 今までの SF風アニメとは、一味違うらしいぞ!!

Interview with Kenichi Matsuzaki: 脚本・シリーズ構成の松崎健一氏に、詳し いお話をうかがった!

未知の宇宙技術

MA. 「マクロス」の舞台は?

Matsuzaki. 2009年の地球です。地球人類が未 知の宇宙技術を手に入れ、それによって起こ った国際紛争を乗りこえ、新しい統合政府を 作ってからがこの物語の舞台となります。

MA. 敵は?

Matsuzaki. その宇宙技術の持ち主ですが、まあな んと言うか、ムチャクチャな宇宙人なんです。 地球時間にして数十万年間、戦争をくり返し てきた二つの宇宙種族ですね。

MA. では地球は?

Matsuzaki. とるに足りない惑星なんですが、 その 技術を持ったために攻撃をしかけられます。

MA. まっ殺しようと?

Matsuzaki. いえ、そうまではできないんです。そ れにも理由がありまして(笑い)。

MA. 先ほどから出てきた”未知の宇宙技術〟 とはどのようなものですか? エネルギーで しょうか、航行法でしょうか、それとも兵器 ですか?

Matsuzaki. 航行法を中心とした一大技術体系です。

MA. すると、いわゆる”ワープ方式”の航 行法でしょうか? あるいは〝無慣性航法” や「スタートレック」の“ハイパードライブ” でしょうか?

Matsuzaki. 困ったな…一応、 ワープ方式です。 名前はフォールド航法〟 FOLDですね、 折り曲げるって意味の。これは、船の周りに フォールドエリアという空間をつくって、転 位する空間と移りかわるわけです。僕らは空 間の等価交換方式”と呼んでますけど(笑い)。 で、通常空間に出ることをデフォールドと呼 びます。

MA. ロングセンサーは、あるんですか? 何十年も先を正確に知ることができますが。

Matsuzaki. 地球人はまだ不慣れですから(笑い)。

MA. それをもとにしたエピソードもありそ うですね、期待してます。 ところで、攻撃を 加える敵に対して地球側の陣容なんですが・・・。

Matsuzaki. 今のところ主力艦は一隻だけ、それが マクロスです。

MA. 戦闘エリアは?

Matsuzaki. 太陽圏です。 敵の本拠へ乗り込む、み たいなことは考えていません。 地球を守る戦 いですね。

MA. 宇宙は360度開放されているわけで すが、マクロス一隻で守りきれますか?

Matsuzaki. できます。 小規模ですし、どこから来 るにしても迎撃できるような設定にしてあります。

MA. ロボットが出るようですが、その理由は?

Matsuzaki. あれはバトロイドと呼ばれてますが、 ちゃんと設定してあります。詳しくは作品を 見てくださいとしか言えませんね(笑い)。

MA. 楽しみにしています。

MA. テーマ的には?

Matsuzaki. 地球人のバイタリティでしょうね。種 としての若々しさというか。

MA. すると、先程の宇宙人が数十万年の歴 史を持つというところとも関係がありますか。

Matsuzaki. いいや、そういう話にはなりません。

MA. 全体のトーンは?

Matsuzaki. 暗くならないように(笑い)、いろいろ な要素を盛り込みました。今のアニメファン には、きっとこういうのを待ってたんだ と言ってもらえるような作品にできるんじゃ ないかなと思っています。第一稿の企画では コメディタッチだったんですよ(笑い)。 生身の人間が戦う、決してスーパーマンじ やないというのを出したいですね。

MA. 対象はやはりアニメファン?

Matsuzaki. 小さな子には画面の面白さ、大きな子 (笑い)にはストーリーの面白さという欲 りな目標です(笑い)。

MA. 美形キャラなんか出ますか?

Matsuzaki. カッコいい敵方ですか? 一応途中か ら出ますよ(笑い)。

MA. 先に美形キャラについて聞いてしまい ましたが (笑い) 主人公は、どういう設定で しょうか?

Matsuzaki. 軍人ではないのですが、エアレーサー、 プロペラ機のパイロットをやってるヒコーキ バカです。明るい性格ですね。とにかく飛行 機の繰縦ができりゃ幸せという(笑い)。彼 一条輝の兄貴分が軍人で、輝を軍に引き抜こ うとしているわけです。どうしてマクロスに 乗り組むのかはやはり第1話を見てくだ さいとしか言えません(笑い)。

MA. ヒロインのミンメイが可愛いですね。 美樹本さんは、安彦さんと似たタッチがあり ますが、女性キャラは独特の魅力を持ってい ますね。

Matsuzaki. 美樹本っていうペンネームも、なにや そのシュミの関係でつけたとか(笑い)。

MA. とにかく、楽しい作品になることを期 待しています。ぜひとも頑張ってください!!

July

My Anime [pg. 54-55]

未知のベールに包まれている「マク ロス」。その真の姿は!?!? 編集部では原 作担当のスタジオぬえに、8項目の公 開質問状をぶつけてみた!!

1一条輝のプロフィール・性格
一条輝◆男、17歳。母を幼いころに亡 くし、民間のスタント・エアレーシング チームを持つ父親に男手ひとつで育てら れる。しかし、その父親にも、輝が15歳 のときにスタント中の事故で先だれた。 以降は、天才的なパイロットとしての腕 をいかして、世界各地のスタント、競技 会などに数多く出場している。そこで賞 金稼ぎをしながら、ひとり暮らしの現在 にいたる。 押しは弱いが、何事にも没頭すると引 くことを知らぬ、やや矛盾した性格。

2リン・ミンメイのプロフィール・性格
◆リン・ミンメイ女、15歳。どこにで もいるような気がして、実際にはどこに でもいるわけがない、かわいらしい女の こだ。 ちょっぴり気が強く、夢多い多感な少 女(一応、これでも日本人なのだ。

3輝とミンメイの関係と具体的なエピソード
西暦2009年、壮絶な星 間戦争のなか、宇宙の片隅で運命的にめ ぐり会う見知らぬ二人の関係が、どのよ うに展開していくかは、本作品放映をお 楽しみに!

4マクロスの性能についてコード・ネーム=SDF
地球が総力をあげて、10年がかりで建 造した全長1200mにおよぶ超弩級戦 艦がマクロス”だ。 地球の宇宙船のなかでは、この マクロス1艦のみが、超光速航行 用のフォールド・システムを装備 し、数十光年の道程を1週間たら ずで往復する能力を有している。 強力な艦首のビーム砲をはじめとして、 レーザー砲塔やミサイルランチャーなど のさまざまな武器が装備されている。大 型宇宙空母2隻と共同で作戦任務にあた るように設計されている。 主人公・一条輝の乗るバトロイドも、 このマクロスに搭載されている。 このほかに、重力制御システムを持ち、 人工重力の発生や、反重力に近い飛行も 可能なスーパー宇宙戦艦だ。

5バトロイドの設計思想とその性能
バトロイドは、局地戦用の戦術戦闘兵 器として開発された、一人乗り大型ロボ ット。全高12・68m。 宇宙空間と、地上のどちらでも使用可 能なように設計されているが、地上戦で は、その身長をいかして歩く攻撃ヘリ コプター”とでも形容すべき戦闘を行う。 武装は、頭部の2連装レーザー機銃と 腕に持つ55ミリ砲が標準装備である。 エンジンは、熱核反応タイプ2基。 ほ かに3連のロケットノズルを有している。

6外宇宙からくる敵の正体は?
“ゼントラーディ軍”なのだが、くわし いことがまだ公開できず、残念だ。

7サブキャラのプロフィール・性格
ロイ・フォッカー少佐◆男、27歳。 マクロスの戦闘部隊のチーフ。軍人ら しい軍人で陽気な性格だ。かつては、 の父のエアレーシングチームに所属し、 兄弟のない輝にとっては兄のような存在。 早瀬未沙◆女、19歳。 マクロスのブリッジ主任オペレーター。 士官学校をトップで卒業した優等生。 いいとこのお嬢さんっぽい性格。 クローディア・ラサール◆女、22歳。 マクロスのブリッジの火器 と航行担当主任オペレーター。 キャリア・ウーマン的職業軍 人。未沙の友人であり、フォ ッカー少佐の恋人らしい存在。

8見どころとお楽しみのシーン!?
輝やミンメイを中心とするキャラクタ ーたちの物語と、超弩級宇宙戦艦マクロ スやバトロイドの戦闘シーンなどが、見 どころだろうか……。 お楽しみのシーンは、やはり”本作品 放映開始を、乞うご期待!”ということ にしてもらいたい。

November

My Anime [pg. 50-52]

1: 大河ドラマのプロローグ

物語は突如、宇宙から飛来し 物体が地表に激突するという SF作品ではきわめてオーソド クスな展開からはじまった。 演出の石黒昇氏によれば「マク ロスは徐々に話のボルテージが あがっていく大河ドラマ。そこ でプロローグはごくスタンダー ドな演出をねらった」という。 マクロスが落下した小島の位 置は伊豆七島の南端付近、統合 戦争の結果、人種や言語の区別 っきりしなくなっている。 島民の大半がマクロス修復関係 者とその家族という設定にな っている。

2: 魅力あふれた艦橋

マクロスの艦橋シーンでは日常の取るに足らないよ うな会話をとおして、さりげなく人物紹介がなされて いた。日常感覚の魅力を生かしたいと石黒氏はいう。 「人間の平凡なおかしさ、たくましさを、ドラマ全体 の設定の壮大さと対比的に描いていきたい。これはぜ ントラーディ側の描写にもいえることで、マクロなも のとミクロなものの出会いというテーマを意識した演 出のひとつです」(石黒氏)

3: スタントパイロット・一条輝

バルキリー隊によるアクロバット 演技の中に飛び入りする一条輝のフ アンレーサー。さっそうの主人公登 場!だった。バルキリー隊のコンバ ットロールの動き、ファンレーサー がロケットブースターに点火して一 気に上昇していくさまなど、メカの 動きをみせる視点がなんともカッコ よく、メカ演出と作画陣のレベルの 高さを感じさせる。輝とロイフォッ カー少佐とのやりとりも軽妙で楽し く、今後の期待感を盛りあげる。

4: ヒロイン(リン・ミンメイ)登場のさせ方

アクロバットを見物する群衆のひとりで登場したリン・ミ ンメイ。これもまた実にさりげない。彼女のヒロインとして の存在は今後のストーリー展開上、非常に重要な位置にある らしいのだが・・・・・・。 そのミンメイのかわいらしさにさっそく 目をつけたロイ・フォッカー。「彼は輝の父親が結成したアク ロバットチームのナンバーワンパイロットでしたが、統合戦 争の時に戦闘機乗りとなり、そこにアクロバット以上の魅力 を感じてしまった。輝の父親はすでに死亡しており、いまは 輝の兄のような存在です」(石黒氏)

5: 周到なSF設定

マクロスが落下した光を10光年先で探知したゼント ラーディ軍は、ただちにフォールド(ワープ) 航法に より地球近くに出現。 それを探知してマクロスの自動 攻撃システムが、その先導艦を撃ってしまい、望まぬ はじまってしまう。 マクロスの修復期間中にゼン トラーディ軍がやってこなか った理由、戦わねばならぬ状 況をみごとに設定していた。

キャラデザイン・美樹本晴彦
リン・ミンメイに早 くも人気が集中してい る。これは美樹本氏が マクロスの企画以前か あたためていたキャ ラ。上の図は氏が描い キャラ関係図。 「ゼントラーディ人と 人類をならべて描いた とき、どうしても彼ら が巨大なのではなく人 類が小人のように感じ られる。いまうまい表 現を模索中です」

6: 臨場感の出し方

宇宙戦闘シーンのメカのていねいなこわれ方 に注目してほしい。たとえばミサイルが至近距 離で爆発すると、その熱で艦内の人々が死亡、 コントロールを失い、2発目の衝撃で外壁がこ われていくといったこまかい演出がなされてい た。ビームで撃ちぬかれる“アームドI”など は爆発もせずに撃沈され、かえってリアルな臨 場感を表現していた。

7: 異種人類の謎

50万年以上も前から、監察軍との戦いをつ づけているゼントラーディ軍は、本星からの 無限ともいえる武器の供給を受けて戦ってい るため、メカを修復する技術をもたない。油 らはマクロスが地球人の手で修復改装された ことを知り、さらに同様にしてすでに彼らが 失った反応兵器(核兵器)の攻撃を受けるにいたり 人類を簡単に滅ぼせなく なる。 しかも「小型の人類に 手をだすな”とのいい伝 えがゼントラーディにあ る」(石黒氏)という。

8: スピード感あふれる空中戦

メカ作監・板野一郎氏の腕がいかんなく発揮されたシー ン。ラダー(尾翼)の点検後、短い距離で離陸するバルキ 目にも止まらぬ速さで展開していく空中戦など、 輝 がはじめてバルキリーを操縦して体験したそのままを、こ ちらに伝えてくる。メカにうるさいスタッフたちのなみな みならぬ苦心がうかがえるシーン。

9: 業界注目のバトロイド変型

バルキリーがロボットに変型するのに要する時間は きわめて速く、約3秒前後である。これは変型の途中 は無防備に近くなるという設定から、従来のロボットア ニメにおける変型よりも数段スピーディになったため。 変型パターンも美しく、かつリアルに矛盾なく設定さ れている。 左の写真をじっくりみてほしい。

上の写真はアートランドのス タッフで構成されているメカシ ーン作画のためのチームだ。メ カ作監の板野一郎氏は「イデオ ン」「ガンダム」のメカシーンの 作画を担当していた。「アクティ ヴなカメラワークで、迫力ある アクションシーンを描いていく」 とはりきっている。

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