Animage #036 (June 1981)

pg. 19-44: Anime Grand Prix

なんでもこなす神谷明が、2位浮上の富山敬からトップの座を 守りきった。コンサートやラジオでの活躍が目立つ彼だが、2位 以下にもその傾向がみられる。前回比、15位から10位の塩屋翼、 7位から5位の水島裕、5位から3位の井上和彦らが主な上昇株。

Male Voice Actor:

#1 – Akira Kamiya:
本来は地味な仕事なのに こんなに晴れがましい賞を 連続でいただいて光栄です。 去年、ラジオやコンサー ト活動を多くこなし、ファ ンの方たちとふれる機会も ふえ、作りあげたキャラク ターではなく、ありのまま の自分を出せたと思います いままではぐくんできたキ ャラたちがいて、そのうえ にぼくが出現したという感 じです。演じた役には自分 の歴史があるし、みんな気 に入ってますから、ぼくに 代表作はありません。 いつ か、ひびき洸にトラさんを 混ぜ合わせたような、涙も ろい3枚目的なヒーローを 演じたいと思っています。

#2 – Kei Tomiyama:
3位からひとつ上昇してうれしいのですが、 なぜなのか、ぼくから聞きたいくらいです。 古代進がよかったからこれだけ票をいただけ たとすると、声優としての評価はどうなのかと 不安になりますし・・・。 アニメは舞台とちがい、 絵のイメージだけで声で肉づけしなければなり ませんが、表現ということでは同じ。 アニメで も舞台でも魅力的な役を演じつづけたいですね。

#3 – Kazuhiko Inoue:
島村ジョーのおかげで3位になりました。 ぼ くは、声優業が楽しくてたまらない。 大変にな ればなるほどウキウキしてきます。作画の人た ちが徹夜をして一生懸命に描いたキャラクター に声を与える。与え方によってそのキャラが生 きてくるか死んでしまうかが決まる。この過程 がこわい反面、楽しみです。 それにしても、裏 の人たちがもっと恵まれるといいんですが・・・。

神谷明の人気は根強い。去年下 半期、アニメでは「燃えろアーサ ー」のアーサー役ぐらいしか目立 った役を演じていない。「プリンプ リン物語」などの仕事はしたが、 今回の1位はラジオ、コンサート や芝居をふくめたステージ、そし ていままで数多く演じたテレビア ニメの実績が買われての結果だろう。 2位の富山敬も、ドタバタも渋 いヒーローもOKのオールラウン ドプレイヤー。「ヤットデタマン」 で「毎度おなじみのささやきナ レーターです」 なんてやっていた かと思うと「ヤマト」では古代進 役でかっこよく迫る。この多面性 が人気の秘密かもしれない。 4位の古谷と8位の池田には、 はっきりと「ガンダム」の影響が 表われてしまった。「ガンダム」放 映期間の前回の票数より減り、順 位も下がったのだ。 逆に「サイボーグ009」で島 村ジョー役だった井上が上昇。 キ ャラクターの人気が俳優のランク を左右している代表的な例である。 全体的にみて、去年ほど票差の 開きは大きくないし、急浮上、急 下降もない。神谷も富山も「若い 人が上位を独占したほうがいいの に」といってはいるのだが・・・。 ・なお、山田康雄、野沢那智など ベテランも健在なのはうれしい。

Female Voice Actor:

またまた小原がトップに立った。人気キャラクターの魅力では なく、彼女自身の幅広い実力と実績が認められている。2位から 5位はベテランに追いつき追い越せとばかりに新興勢力が台 頭し てきた。この中から小原を越える女優は出るのだろうか・・・。

#1 – Noriko Ohara:
若い女優がどんどん出て くる中で連続1位と聞いて 大喜びしています。 わたし は一応先輩ですが、 あとか ら来る人たちと同じスター トラインに立っているつも り。キャリアを誇るだけで はダメですから、新しい役 をいただいたときには新人 の気持ちに戻って演じてい ます。 悲劇のヒロインも、ドタ バタ喜劇のヘンな女ボスも やんちゃな男の子も、とに かく何でも挑戦します。 応 援してくださる方も小原乃 梨子のそれぞれの部分を気 に入ってくださるのでしょ うから、常に新しい役を開 拓したいと思っています。

#2 – Keiko Han:
大勢の方に応援していただいて、しあわせで す。声の仕事は、絵がなければやっていけない のですが、その点、わたしはよい絵に恵まれま した。 ララアやサーシャのように、特殊能力を 持ちながらも愛を貫く素敵な女性の役につけた のもラッキーでした。今年も、ファンやスタッ フの熱意にこたえるため、もっと勉強します。

#3 – Yōko Asagami:
好きなことをやってきてみなさんに認めても らえるのは最高の気分です。以前は、まじめで かわいくてすぐ死んでしまうような弱々しい役 がほとんどでした。最近はハルルのような悪女 もやっていますが。やはり、9年もつづけてい ると、いろいろなパターンの役が回ってくるよ うになりますね。

小原1位は当然といえば当然か もしれない。キャリアもさること ながら、その幅広さは、富山敬と 同様にさまざまなキャラクターを 作り上げている。 7色の声”と呼ばれることに対 し、彼女は「声を演じているので はなく役を演じているのだから、 声を使いわけたことはない」とい う。話し口調からものの考え方ま で、ていねいに役づくりをしてい る結果が、少年から色っぽい美女 までの7色の声”となって表わ れたというべきだろう。 この部門でもガンダム影響が出 た。5位から8位へ下がった井上 瑤だ。逆に上昇したのは戸田恵子。 「イデオン」のカララ役で実力と 人気をつけてきたのはご存じのと おり。歌手部門でも健闘している。 前回4位の潘恵子も2位に上昇。 「サザエさん」でデビューして4 年たらずだが「ヤマトよ永遠に」 のサーシャ役で2位を獲得。スラ ップスティックとレコーディング やコンサートもやっている。 男優にくらべると若手の追撃が はげしいようだが、まだ小原をし のぐ女優は出ないのだろうか。票 差も迫っているだけに、次回では もっと、ベテランと若手の大接戦 を期待したい。

Male Singer:

ベテランささきが「ヤマト」シリーズで栄光の座につ き、追う水木も90票差まで縮めたものの、結局、2位に とどまった。この2人が3位以下を引き離し、10年 選 手 の力をみせてくれた。

#1 – Isao Sasaki:
少し照れくさいのです が、9年間アニメの歌を 大事にしてきてよかった と思います。昔、ロカビ リーを歌っていたころの ファンが親になり、その 子どもたちが「ヤマト」 を口ずさんでいる。ぼく の場合、そういう親子2 代のファンが多いようです。 アニメは200曲ほど 歌いましたが、どれもド ラマとぼくの夢の共通点 から生まれたものです。 強いヒーロー、 美しい女 の子、広大な宇宙、かっ こいいメカ・・・。歌ってい てつぎからつぎへとそん な絵が目に浮かぶ。聞く 人にも絵が見えるように 歌っていきたいですね。

#2 – Ichiro Mizuki:
票を入れてくださったみな さんに感謝しています。 よい 番組でよい曲を歌ったことと、 ステージでのあけっぴろげな パーソナリティが支持された 理由でしょう。自分でもアニ メに向いていると思います。 今回の1位はとるべき人が とったわけです。ささきさん に心から拍手を送り、新たに 挑戦者の立場になってがんば ります。

#3 Isao Taira:
アニメソングの大御所に混 じって3位だなんて感激です アニメの歌はまだ8曲しか歌 っていませんから、きっと「復 活のイデオン」を気に入って もらえたんです。あの番組は ぼくも大好きでした。 主題歌は作品を代表します から簡単なものではありませ ん。 いま、多くのアニメを見 て、いろいろなパターンを勉 強しているところです。

1位のささきいさお、2位の水 木一郎、ともに10年目のアニメ歌 手だ。 子ども向けの実写でも歌っ ている。ささきは自信を持ってこ ういう「アニメソングというジ ャンルが確立した。これからはジ ャンルを超えて、普遍性のある歌 が出てくる。 いい歌だからいつま でも残るようになる」。 もちろん、アニメのキャラクタ ーやストーリーとともに歌が残る という意味だが、いままでのよう アニメの副産物にはならないと ころに違いがあるのだ。 ささきの歌った「ヤマト」の数 曲は、すでに彼自身のいう「普遍 「性のある歌」として歌がひとり歩 きを始めているのではないか。ヤ マトファンでなくても、歌だけは おぼえている人も多いのだから。 ささき、水木を追う歌手として 期待されている9位の堀。今後も アニメ専門でがんばってほしい。

Female Singer:

10年間で400曲の実績は強い。少女ものからSFま で幅広くこなし、ラジオ番組で固定ファンも獲得した堀 江美都子が1位の座を守った。前回にくらべ得票数は 減 ったものの、2位との差はまだまだ大きい。

#1 – Mitsuko Horie:
連続1位、本当にうれ しいです。 ひたむきに仕 事をしているから共鳴し てもらえたんですね。 あ まり理屈で考えずに、 す なおに歌うようにしてい ます。小さいころからミ ッチの歌を聞いてミッチ と一緒に育ってきた人た ちが、いま「アニメージ を読むようになって 票を入れてくれたのだと 思います。 ブームになる前はアニ メ歌手という意識はなか ったけれど、いまは誇り を持っています。 ブーム が去っても、どんな面か らでもいい、「アニメ歌手 のミッチが好き」といわ れたい。

#2 – Keiko Toda:
びっくりしました。 歌手時代は好きな持ち歌がなかったのですが、女 優になってから歌った「コスモスに君と」は大好き です。このつぎはこう歌おう、そのつぎはああ歌お う、と意欲的に取り組んでいました。絶望的ではな 遠くに光が見えてくるような歌が好きなんです。 今度発売するLPは自分の宝になる作品にしたいです。

#3 – Kumiko Kaori:
わたしの歌はほとんどが挿入歌。ですから主題歌 だけでなく、こまかい部分までおぼえていてくださ ったのは、とてもうれしいですね。いままで40曲ぐ らい歌いましたが、なぜか植物人間や機械人間の歌 が多いようです。 キャラを生かしたくても個性が強 すぎて大変だけどやりがいはあります。 アニメ人気 におんぶせず、いい歌を歌いたいと思っています。

ささきいさお同様、堀江も「ア ニメ歌手というひとつの形をわた したちが作った」という。子ども のころからアニメ専門の歌手とし て歌いつづけてきた自信がそうい わせるのだろうか実力、知名度に 貫禄までついてきたようだ。 3位にかおりくみこと、順位は 下がったが6位には大杉久美子も 健在。アニメ専門歌手の中で、こ の3人が顔になっている。 初登場の山本百合子、岩崎宏美 はそれぞれ「超銀河伝説」「ヤマト よ永遠に」という大作の挿入歌を 歌ったための得票だろう。 声優の歌手部門進出は、男性歌 手にもみられた。こうした活動は アニメブームが起こって以来、完 全に定着したようだ。 「番組の力でなく、自分の魅力で 勝負したい」という歌手は多いが、 さて、10年はどうなるだろうか。

#1 Director – Yoshiyuki Tomino:

オリジナル作品「伝説巨神イデオン」の総監督・ 富野喜幸氏が1位の座に。 アニメのドラマ性とキ ャラの人間性をクローズアップさせる”富野演出 ” を、今後も注目していきたい。

この半年間「ガンダム」 と「イデオン」をオーバー ラップさせて仕事をしてき た。ちょっと仕事のしすぎ かな。でも、それだけにぼ くの名まえが人目にふれや すく、それがトクしたと思 っています。りんたろうさ んは逆に不運というか、い い作品に恵まれなかっただ けで、もともと実力のある 人ですから……。 念願の作品? とくにま だありません。 現在進行中 の仕事を独善的にならず、 スタッフの希望を具現化さ せる作品をつくりたいと思 います。反省の意味もふく めてね。

80年上半期の読者投票では、 しくもりんたろう氏にトップの座 を渡した富野喜幸氏が、ついに1 位に浮上した。りんたろう氏との 得票差は1221票。ともにアニ メ界の人気演出家であり、実力も 伯仲しているだけに、今後のなり ゆきに注目したい。 3位の宮崎駿氏は周知のとおり 本来はアニメーター。活劇アニメ の名作「カリオストロの城」の演 出の実績をもちつつ、脚本・絵コ ンテも手がけるマルチ人間だが、 今回の入賞は、そうした手腕をか われてのことといえそうだ。 それにしても上位5人の人気は 安定している。1位と2位は逆転 したものの3位・宮崎、4位・出 崎、5位・長浜氏(故人)は、そ れぞれ80年上半期につづき不動の 順位。安定した人気の長浜氏の死 去は、いまさらながらアニメ界の 損失だ。

#1 Animator – Yoshikazu Yasuhiko:
「ガンダム」人気の余熱はこのアニメーター部門 でも発熱”している。 シャアやアムロを描いた 安彦良和氏が3たび圧倒的な要素で1位の栄冠 に 輝いたからだ。

ぼくの実力というより「ガ ンダム」 人気のおかげでし ょうね。なぜなら、 このー 年間、ほとんど人目にふれ るような仕事をしてません から。一位に入賞してうれ しいけど、それだけに複雑 な心境。 それにアニメータ ーの実力は、長い目でみな いと正確でない気がします。 たまたまぼくはいい仕事 に当たっただけで、ふつう は2、3年周期に一回、い い仕事がめぐってくるもの。 だから人気投票は長期間で やってほしい。来年いっぱ い、テレビアニメの仕事予 定がないのが心のこりですか。

安彦氏は全投票数の約52%を獲 得し、2位の杉野昭夫氏に468 9票の得票差をつけ“圧勝”した。 それにしても安彦氏といえば、こ の投票対象期間中、アニメの仕事 といえば、「白い牙」(未放映)の キャラ設定のみ。作画監督として 「ガンダム」にたずさわっていた 途中、病魔に倒れたからで、80年 上半期から同下半期にかけ、アニ メーターとしての実績はほとんど ないに等しい。 その安彦氏が、これまでにも増 して得票数を伸ばし、自己最高得 票数で1位に! この人気の原動 力は、やはり「ガンダム」でシャ アやアムロを創作した実績” いまだファンを釘づけにしている からにほかならない。 一方、湖川友謙氏の健闘もみの がせないだろう。80年上半期の9 位から一躍、3位に急上昇。 この 上昇の理由は「イデオン」を担当 し、ダイナミックでしかも緻密な 作風が支持されたからだろう。

#1 Screenwriter – Masaki Tsuji:

別格的な存在の辻真先、彼につづく星山博之を 除き、3位以下が大変動。 松崎健一・山本優の”ガ ンダム”勢が大きく後退したが、上昇したのはど んな作品を書いた人たちだろう……..。

テレビの「サイボー グ009」は、まだ白 黒時代からやってたの で、それだけ愛着もひ としおです。でも、当 時とは時代が変わりま したね。むかしは、た とえば009の仇敵を 死の商人にしておけば よかったわけ。ところ が、いまは話のテンポ が早いし、悪役にして もそのつど新しく設定 していかねばならない から大変です。気をつ けてる点ですか、本を 書く以前にファンであ りたいということです。

1位の辻真先氏の活躍は幅広い。 「一休さん」「サザエさん」のよう に家族全員で楽しめるものから 「魔法少女ララベル」などの少女 もの、ギャグでは「おじゃまんが 山田くん」 SFなら「キャプテン・ フューチャー」や「サイボーグ0 09」というぐあい。そのうえ、 「鉄腕アトム」以来18年とキャリ アも長く、まさにアニメの歴史と ともに歩んできたという感じ。本 誌へのさまざまな寄稿でも、その 博識ぶりなどでアニメ界の長老ぶ りを発揮している。これらのこと が2位以下を大きく引き離した要 因といえよう。 3位の山浦氏は「999」5位 の山本氏は「ヤマトよ永遠に」6 位の宮崎氏は照樹務のペンネーム で書いた「ルパン三世」 9位の雪 室氏は「がんばれ元気」10位の中 西氏は「超銀河伝説」でそれぞれ 上昇。2位の星山氏は「ガンダム」 や「トライダー」「銀鉄」などのか バ広い活躍が票につながった。

#1 Art Director – Takamura Mukuo:

全体的に見て、なるほどとうなずける結果にな った。独特な描写の椋尾篁、四条徹也の名で「イ デオン」を担当した中村光毅が上位を独占 一気に台頭してきた「超銀」の伊藤岩光にも注目!

アニメ自体が苦労す る仕事ですから、背景 画もこれ全編、苦労の 画法ですね。 具体的に どこが苦労するかとい われても・・・ただ、スケ ジュール的にいつも制 約されている状態です から、物理的にその点 がつらいです。 現在「銀河鉄道99 9」のパート2を進行 中なんですが、 1日の 半分は仕事に追いまく られている状態です。 それだけに、今回の受 賞はぼくにとって大き な励みになります。

背景ひとつで作品のふんい気が 決まってしまうこともある重要な 役目。その1位を獲得したのはテ レビアニメ草創期に虫プロで「鉄 「腕アトム」の背景を描いて以来、 18年間に数多くの作品を手がけた 椋尾質だ。「フランダースの犬」「母 をたずねて三千里」などの名作も のでヨーロッパの裏通りに陽光を 反射させ「キャプテン・ハーロッ ク」「999」で宇宙に人間の実在 感をもり込み「がんばれ元気」で は主人公に素朴な日常風景の中を 歩かせた。どの作品でも特色とな っているのは、こまかく気がくば られたリアルな表現である。 2位の中村光毅は四条徹也の名 で「イデオン」を手がけている。 椋尾を抜くにはあと一歩、といっ たところか。急上昇した「超銀河 「伝説」の伊藤岩光も注目の人。そ の他、女性では新作「鉄腕アトム」 の石津節子が数歩後退した。

アニメブームといわれ、話題のアニメ映画封切り日 などには一番乗りをめざして “徹夜組”が出たり、長 蛇の列ができるほどの過熱ぶりだ。 このアニメブームをささえているアニメ世代とは、 いったいどのような特徴をもっているのであろうか。 本誌では、第3回アニメグランプリ投票と同時に、 投票者にアンケートを実施した。このアンケートをも とに、アニメ世代を分析してみようと試みたのが本欄 である。 アニメブームは、マンガブームに比べてほぼ10年の 遅れがあった。この10年の違いは時代の違いであると ともに、いまなぜ” アニメ”なのかという興味ある問い でもある。 この試みははじめてのこともあり、不備な点があっ たことはいなめないが、それなりにアニメ世代の特徴 をつかんでいるという自負もあるのだが……。

このアンケート調査は、アニメグラ ンプリ8年下半期の全投票者130 58名の中から、無作為に選んだ10 00名のアンケートを基に作成した~ のです。その男女別・年齢別構成はグ ラフ①の通り。 アンケート項目は11項目にわたった が、その中からアニメ世代を分析する 上で興味あるものと思われる8項目を 選んで、グラフ化してあります。 アニメ世代たちが見るテレビ番組に 占めるアニメ番組は、アンケートによ ってもマチマチで統計として出すこと ができなかった。テレビ番組を4本以 上見ているのに、そのうちのアニメ番 組は5本しか見ない人がいるかと思う と、見るテレビ番組がすべてアニメ番 組で、しかも見る本数を10本以下にし ぼって、ある程度計画性をもってアニ メを楽しんでいる人もいる。ただ残 なことに、このように計画的に番組を 選択している人はあまり多くないよう だ。 テレビの見過ぎではないかと思われ る人も多く、こんなに見ていたら、そ んなにうるさくない親でも注意したく なるのでは、と心配になる。 兄弟姉妹の小人数化は予想をはるか に超えている。グラフ④は男女各10 計200人によるものだが、10 00人によるアンケートでも4人兄弟 (姉妹)は25人、5人兄弟が7人、 6 人以上の兄弟がいる人は3人しかいな かった。

異性の友人は1割

もっとも意外だったのがグラフ⑤A の異性の友だちのアンケート結果。 こ れは、アンケートの解説にも書いてお いたように、設問の仕方が悪かったの かも知れないが、5-A, 6-B ていただければわかるように、異性の 友人がいる人は1割にも満たないので ある。特に女性の方は“ガンバレ! と大声を出したくなるようなありさま。 しかも20歳以上の人もまったく同様な のである。 アニメ誌として、アンケート結果を 出すべきかどうかと迷ったのが7のア ニメを見てしかられるか、のアンケー ト。7-Aは1000人の男女別で、 7-Bは高校受験をひかえている15歳 の男女のもの。両方をくらべてみると、 15歳の男女のしかられる率は“グーン” と伸びる。 これは、しかる親の気持ち もわかるということか。全体的には、 しかられないというのが圧倒的で、 ア ニメ誌のが編集部としては一応胸を なでおろした、といったところ。だが、 中には「もうあきらめられている」と か「ばかにされている」とただし書き れた正直な人もいる。反対に、 「親も一緒におもしろがって見る」と いう、アニメ一家の報告もある。 「ば かにされる」人も「あきらめられてい る」人もアニメのよさを親にわかって もらうように努力してみたらどうだろ うか。

目の悪さにア然

アンケート結果をみて アゼン”と したのが89の視力。女性に視力の弱 い人が多いというのは、メガネをかけ るのをきらって、より目を悪くしてし まっている、ということなのだろうか。 いずれにしても、アニメの見過ぎで目 が悪くなったのではないことを願うの みである。 血液型は、びっくりするほど日本人 全体の血液型比率に一致した。 ようするに、アニメは日本人の多岐 多様に渡る興味、注文に充分にこたえ ている内容を持っているということに なる。 このように見てくると、アニメ世代 の平均的な男性像、女性像は、 男=年齢は中学生から高校生で、兄 弟の数は2人。1週間にテレビ番組を 10本~20本見、そのうちの10本近くが アニメ番組。 テレビでアニメを見てい てもそんなにおこられることはないが 中学3年の場合は例外。残念ながらガ ールフレンドは”まだ”いない。目が チョット悪いが、これは勉強のしすぎ (と思いたい)と思われる。 女=やはり年齢は中学生から高校生 で、2人兄弟。1週間に見るテレビ番 組は男性よりすこし少なく10本~15本、 そのうちアニメは10本前後。 アニメを 見ていておこられるのはやはり156歳の 中学3年生だ。 ボーイフレンドはかつ てはいた人もいるが現在はいない人が 多い。メガネをかけなければいけない 人が6人に1人。 黒板の字が見づらい 人が3人に1人の割合でいる。 これも勉強のしすぎ? のため・・・・・・。

第3回・80年度下半期グランプリ総論と展望

かつて、SFは見せものだった。科学の可能性と進 歩性を強調した機械の数々や派手な戦闘シーン…。 だ がいま、ファンの心をとらえるものは機械ではなく、 ファンと同じ心を持った人間にほかならない。今回「イ デオン」が1位に輝いたのも、それが「ガンダム」に つづくSF人間ドラマだからだ。 「イデオン」が終了した現在、アニメの傾向はどうな っているのか、またアニメはこれからどこへ行こうと しているのか、投票の結果を元に総括してみよう。

総論

80年下半期のグランプリを総論する には、まず3つの大きな傾向があった ことにふれなければならない。 1 富野喜幸 安彦良和ラインの復活を 読者が大いに期待していること。 2テレビ視聴率が低い作品でも「イデ オン」のようにグランプリに選ばれた こと。同じように視聴率が低い作品が 劇場用として公開され、記録的な興行 収入をあげた点もみのがせない。 3キャラクターに対し読者はニヒル志 向に強い興味と関心をもっていること。 このいわば3大傾向が今回、80年上 半期に比べとりわけ目立っていたこと だ。そこで、こんどはこれをそれぞれ 結論していこう。 まず富野 安彦ラインの復活だが、 AM取材班の取材では、安彦氏はつぎ のようなコメントを寄せてくれた。 「いまのところ来年いっぱい彼と組む 仕事の予定はありません」 読者の熱望むなしく、 このコメント によれば、ここ2年間は富野氏とコン ビを組むテレビの新作の予定はないこ とになる。ともかく、この夏、そして 82年春に予定されている映画「ガンダ ム」に期待しよう。 しかし富野氏は健在だ。グランプリ 作品で1位の栄冠に輝いた「イデオン」 を見てもすぐピンと来るが、氏の演出 技巧はヒューマニティとインテリジェ ンスが、 キラ星のごとく散りばめられ ている。重厚にして繊細なストーリー ボードの手ごたえ。 この、いわば富野 流演出に、読者が共感し感動したのは 演出部門でも1位を受賞した結果をみ ても歴然としている。 安彦氏にかわる富野氏の片腕は? 今回の投票結果でみるかぎり、その”第 2のアニメーター”こそ、アニメータ 一部門で一躍、3位に上昇した湖川友 謙氏といえそう。ぜひ注目したい。 それでは低視聴率でもグランプリを 獲得した事実は、いったいなぜだろう。 さきに掲げた「イデオン」もそんな作 品のひとつだったが、ベストワン作品 の1位「機動戦士ガンダム」(テレビ朝日) もけっして高い視聴率を得た作品では なかった。ところが、ことし3月14日 に封切られた劇場用「ガンダム」は、 関係者の予想では”144億円以上の配収〟 という大ヒットに。 この矛盾点を解く鍵はほかでもない。 TVというメディアはアニメファン以 外の広範囲な視聴者を対象にオンエア されているため、アニメファンは〝注 視”しても、一般視聴者は〝無視〟 ているためだ。アニメ熱烈ファンが購 読層であるAMで、この「ガンダム」が 歴代ベストワン作品に選ばれたのも、 そのTVというメディアを離れたから である。 キャラクターのニヒル志向。このこ とについては、2ページのキャラクタ 一部門の寸評を参照してほしい。ただ この傾向はさらに顕著になりつつある と今回の投票結果ではそう結論づけら 80年代下半期はまさにSFアニメ、 それも何回も繰り返すが、ストーリー ボードのしっかりした作品が上位を独 占した。次回はいよいよ980年代の読者 投票の結果が出される。 AM読者によ るアニメのアカデミー賞”になるこ とを念願 つつ、次回 のグランプ リの行方を 見守ってい きたい。ど んな動向を 示すか、そ のことを。

’81年の展望

スペースシャトルがスペース・フラ イする現在、SFアニメがもつ科学性 と神秘性は、見るものに未来の夢をプ レゼントしてくれる。しかし、宇宙科 学がどんなに進歩発展しようと、否、 進歩すればするほど、見るものは逆に 科学性より人間性をこのSFアニメに 要求するようになるだろう。 この、ひとつの視聴者(観客)傾向 はこれまで解説・紹介したグランプリ 各部門賞の項をみても納得できるはず だ。80年上半期のグランプリレースで 他作品を圧倒した「ガンダム」が、半年 後の今回のグランプリでも、ファンの 心をとらえて離さないこの事実は、 なによりその人間性> をファンが重 視している結果にほかならない。 80年から’81年への展望。それは、い かにこの〈人間性>を、劇的なストー リー展開と人間味あふれたキャラクタ で再現しうるかにかかっているとい ってもいいだろう。今回、グランプリ 作品1位になった「イデオン」のよう に「主人公たちのデリケートなキャラ 表現の顕著な作品が、そんな理由によ りたくさん制作される・・・・・・」といった のは演出・富野氏だが、たしかにその ようなき跡をたどるにちがいないのだ ろう。 いますでにときは81年 はたして アニメファンは、ここに記した通りの 道を歩むかどうか。そのひとつの判断 材料としても、この7月公開予定の松 竹映画の第2弾「ガンダム」に注目し ておくことにする。

pg. 45-49: Adieu Galaxy Express 999

pg. 51-53: Mobile Suit Gundam II – Soldiers of Sorrow

pg. 56-57: Tomorrow’s Joe 2

pg. 63-67: Judo Story

pg. 68-69: The Monster Of Frankenstein

pg. 70-72: Robot King Daioja

pg. 73-75: The Call of the Wild: Howl Buck

pg. 76-77: Ginga Patrol PJ

pg. 78: Technopolice 21C

pg. 79-93: Chinese Art Film Animation

pg. 95-110: TV Animation World

Featured:

Covered series (Commenter)

  • GoShogun
  • Haguregumo
  • Manga Kotowaja Jiten (Hiromichi Mogaki)
  • Tondemo Senshi Muteking (Tomoyuki Miyata)
  • Ojamanga Yamada-kun (Hiromichi Mogaki)
  • Swiss Family Robinson (Takaji Matsudo)
  • Tsurikichi Sampei (Sōjirō Masuko)
  • Tomorrow’s Joe 2 (Shunzō Kato)
  • Tiger Mask II (Takeshi Tamiya)
  • Ikkyū-san (Tomiro Kuriyama)
  • Wakakusa Monogatari Yori Wakakusa no Yon Shimai (Tokichi Aoki)
  • Kaibutsu-kun (Sōichi Besshi)
  • Belle and Sebastian (Tadami Watanabe)
  • Astro Boy (Noboru Ishiguro)
  • Dr. Slump Arale-chan (Keizo Shichijo)
  • Beast King GoLion (Itaru Orita)
  • Golden Warrior Gold Lightan (Tomoyuki Miyata)
  • Queen Millennia (Yōichi Kominato)
  • Hoero! Bun Bun (Saburō Gōda)
  • Shin Tetsujin 28 (Shigeru Akagawa)
  • Ai no Gakkō Cuore Monogatari (Shigeo Endo)
  • Hello! Sandybell (Yasuo Yamaguchi)
  • Robot King Daioja (Katsutoshi Sasaki)
  • Manga Hajimete Monogatari (Kenji Nagai)
  • Mechakko Dotakon (Yū Yamamoto)
  • Yattodetaman (Takao Koyama)
  • Manga Nippon Mukashibanashi (Tatsuya Hiramatsu)
  • Ohayo! Spank (Shizuhiko Sengoku)
  • Fūsen no Doratarō (Manabu Tamura)
  • Hokahoka Kazoku (Tatsuo Ono)
  • Kirin Ashita no Calendar (Yutaka Mizuki)
  • Doraemon (Yumiko Yamamoto)

pg. 111-113: Reader Forum—New Shows: What’s Interesting! What’s Boring!

pg. 115-134: My Animage

pg. 137-139: Sweating Over Animation (Yasuo Otsuka)

pg. 141-143: Ideon Liner Notes #16

pg. 144-147: Anime Juku #35

pg. 148-149: History of Anime — Nobuo Mochizuki & Takashi Banno

pg. 154-155: “Even Matters of This World Are Freely Changed by Words

pg. 156-159: Voice Topics

pg. 165-168: Fan Plaza

pg. 170: Astro Suggestion (Keiko Han)

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