1979
April
Interview [for Cyborg 009, Animage]:
AM. 前ページのとびら絵にみられるような水彩画的手法が基本になるとのことですが?
Ryosuke Takahashi.「そう です。ぼく らはハー モニー方式” とよんでい ますが、東映動画の劇場用長編作 品太陽の王子ホルスの大冒険〟 でも使っていました。それを一歩 進めた形にしようと考えています。 技術的な面に関してはあとでのベ ますが、石森先生が”ウィザーズ” (作品)の幻想的な世界にキャラ クターをはめこんでみたいという ことで、背景をいろいろ考えたわ けです」
AM.「ウイザーズ」はごらんになりましたか?」
Takahashi.「いや、見てないんですよ。ですから、まったく想像がつかなくて。 ラルフ・バワシの作品なので「指輪物語」の原作であるアーサー・ラッカムの背景に近いものであろうと考え、映画が掲載されている雑誌を集めました」
AM. 背景イメージとしては、最初から一つにかたまっていました?
Takahashi.「「いや、ドイツルネッサンス時代の、 デューラー・アルブレヒトの銅版画などを探してきて、こんなスタイルではとか、石森先生の『魔法世界のジュン』のムードを入れてみようかとも考えました」
AM. 第1話を見るかぎりでは、ハモニー方式は少ないようですが。
Takahashi.「「たしかに。全編すべての背 景がハーモニー方式というわけで はありませんので。第1話ではほ んの少し部分的に入っただけなの で、めだたないと思います。 こち らのイメージばかり先行してしま って、制作状況のほうがおいつか ないめんがあるのです。それは描 き方がいままでのテレビ作品のよ うに、ポスターカラー一辺倒であ ったものが、カラーインクや水彩 絵具、バステルなどの使用と幅が ひろがっているからです。そのため、いままでの制作過程とかなり ことなるので現状としては少しず つ変えていくしかないのです」
AM. 第2話以降では、ハーモニー方式の多用となるわけですね。
Takahashi.「「そうです。 シリーズの基本 手法として使用しますので。しか し、カラーインクなどの多用です と予算オーバーが目にみえていま すので、空や海などの広い部分は ポスターカラーでいきます。問題 なのはうまくマッチするかどうか で、いま数多くのパターンを作っ て実験しています」
AM. 従来の制作方法と変わるというのでは、背景スタジオの撰定もむずかしいでしょうね?
Takahashi.「「作る人たちがなれるには時 間がかかるでしょう。それに、 イースター島なり、古代マヤ、イ ンカ、エジプトなどの世界を描く にしても、実際の世界をそのまま 画面に生かしたいというのが、ハ ーモニー方式の発想の源なのです。 実景を使用すれば最良だが、撮り に行くのは不可能。それなら雑誌 などからコピーをおこして、コラ ージュしてはとなるが、版権的な 問題がおこる。そこで写真ふうの 原図を描き、リアルさを出す。原 図をえんぴつで描き、コピーをお こす。えんぴつ線を生かすため、 カラーインクなどを使用するわけ ですが、そのためには原図を描く 人のデッサン力をかなり必要とす る。そんなわけで、スタジオ探し には苦労しています」
AM. そうですか。線を生かすリアルな表現では、背景だけでなくセル画の色の塗り方も違いますね。
Takahashi.「「アニメックスだけですと、 平面的で色彩的にもかぎりがあり、 他の材料をまぜ、水彩画ふうや油 絵ふうにタッチを生かす塗り方を しています。それが、新しい背景 手法の特徴でもあるわけです」
AM. お話を聞いていますと、制作する方たちの困難さが伝わってきますが、見る人たちはたのしめそうですね。ほかのテクニックの面でもなにかありますか?」
Takahashi.「「撮影のときに、セルを手で動かしたり、フラしながら撮ったり、6面体のミラージュレンズを使用したり、ミラーレンズによっ009の加速シーンでストロボ効果を出すとか、特徴あるものを考えています」
AM. 作り手もたのしめる部分があるのですね。
Takahashi.「「そうですよ。作り手がたのしむことにより、作品もよくなると思います」
AM. わかりました。背景に注意をしてよく見ることにします。
August
Very Short Interview [for Cyborg 009, Animage]:
AM. サイボーグたちと敵との戦力比というものは?
Ryōsuke Takahashi. 「N・B・Gは本来の世界征服への工作をすすめるかたわら、数分の一の勢力をサイボーグたちにむけているという考えですね。 ダムもアリの穴からくずれるというタトエがありますが、それをふせぐためほおっておけないが、 全勢力はかたむけなくてもよいというのがNBGの考え方です」
December
Comment [for Cyborg 009, Animage]:
「サイボーグ009」での特殊効果では、あり楽しみにしてます。それは透過光をデザイン化ということを念頭において制例にとると、毎回違ったものが上がって作しています。が、ブラシとかタッチは少なく、その分透過光の、いわゆる撮影のテクニックを一番利用してます。透過光、フィルター、フォーカスなど色々ありますが。セルの上に定着する効果と比較するとカメラマンの腕を駆使することにより、時には思わぬ効果を生むことも悪しの計算が成り立たない方法なのです。これから先も、撮影さんの方から、まだテクニックを全部だしきっていないという要望もあるので少しづつ、こだしにしていき、絵を生かすスパイスとして利用していきたい。
