
Released October 10, 1981
Cover: Urusei Yatsura (Akemi Takada)





pg. 9-16: Fujiko Mine Feature



“Will there be a renaissance in science fiction animation?”

pg. 24-31: Urusei Yatsura



『Dr. スランプ』を追い越せ”のかけ 声もいさましく、いよいよ10月14日 からスタートする『うる星やつら』。 小学館 少年サンデー」の人気作品 アニメ化、初のレコード会社との 提携作品ということもあって、放映 前から周囲はなにかと騒がしい。は てさて、どんな作品になることやら 話題のラムちゃんの近辺をさぐって みると・・・
1: CITY・SFってなんだっちゃ!?
「高田明美十今村立夫さん」の 左の描きおろしが、まさにそれ!!
「宇宙がオレンジ色で、なんかハッピー。それでいて、さわや か。どっか、オッカシー」というのが、左の絵の第一印象じゃ ないかな?!?! その印象こそが「CITY・SFアニメ」の中味 なんだと、AMでは考えている。ことばで説明すれば「ラムち ゃんのお色気がいやらしくない」とか「ギャグがドタバタ調」と いえる。でもそれはことば。「アニメなんて・・・」といっている、 テニス やサーフィン大好き少女に「これだけは見るの」といわ せるしゃれた作品。 それが 「CITY・SFアニメ」。
高田さん (キャラ設定) と今村さん (美術監督) よ りひとこと/ 「この作品 は、飛ぶイメージがすご くある。 で、 すぐこの構 図を思いつきました」(高 田)「なんかかわっている 作品でしょ。 だから、 ふ だん使わない色で宇宙は ぬってみました」 (今村)
2: なんでうちのアニメが生まれたんだっちゃ!?
昭和43年9月から「週刊少年サン デー」に連載され、56年9月末現在 7冊の単行本も出版されている『う る星やつら』。すでに単行本の発行部 数も200万部にせまる勢い。さら に昭和56年度小学館漫画賞受賞とい うおまけつきー。 これほどの原作だけあってアニメ 化の話もいままでにも再々あったよ うだ。その『うる星やつら』がつい に「スタジオぴえろ」の手によって アニメ化されるということで、アニ メ界・テレビ界の注目を集めている。 原作者の高橋留美子さんは、東京 女子大学史学課卒業の24歳の新進マ ンガ家。彼女は、小学館漫画賞の受 賞理由にもあげられているとおり 『ナンセンスについての秀抜な感覚 と、思春期の少年少女たちの心理 の機微にすばらしい描写力』を持っ ていると定評のある作家でもある。 彼女といちばん密に接している「週 刊少年サンデー」編集部 『うる星や つら』担当の大島誠さんは、この作 品の魅力をつぎのように語る。 「テンポのよさと会話のユニークさ がこの作品の魅力 しょうね。キャ ラとキャラのリア クション(ひとつ のセリフ・動作に対 する相手キャラの反 応)の中に、彼女は独特なものを持 っています。そこが彼女の才能でし ょうね。ですから、アニメ化にあた っても、この会話のテンポとキャラ の持つテンポはぜったいにくずして ほしくないと思います」 さて、アニメの『うる星やつら』 んが、いったいどういう作品になる のか。プロデューサーの布川ゆうじ さんが説明してくれた。 「小学生から大学生ま で、幅広いファンを持 つ原作ですが、アニメ ではもう少し小さな子 どもたちにもなじみや すいようにアレンジし てあります。ですから かわいらしいサブキャ ラのテンちゃんなども 原作よりずっと早い回 に登場させるつもりで す」
3: だれがうちを描いてくれるんだっちゃ!ワッ、美人がー。 ところで実際にこの作品を制作す 主要スタ フの顔ぶれをみると、 うら若き女性が多いのにまず そのへんの事情を布川さんに聞いてみるとー 「原作を見ると、意外に毒のある、 きわどい部分が多いんです かし、一線は落としていない。 これ は作者が女性だから、毒のある部分 を描いてもサラッとイヤミなく描け るんじゃないかとぼくは思うんです。 この作品を男性スタッフでアニメ化 した場合、アニメというのは動くだ けに直接的に作品の香りが出て います。 だけにサラッとは描け ないんじゃないかと思いましてね・・・。 しかし、基本的にスタッフの選定は、 作品を読んでやってみたいと思って いる人を中心に選びました。ですか とても若いスタッフが多くなって います。そして彼らのバイタリティ が画面からあふれ出ることを期待 しています」 そんな布川氏のことばに答えるよ うに、演出の小島多美子さんもこう 語る。 「自分でコンテを描いていて、笑っ てしまうぐらい楽しんで仕事をして います。そのおもしろさがそのまま フィルムにまで出れば成功なんじゃ ないかと思うんですよ」
がんばれ若手スタッフ 新時代のものを作れ!!(Includes Comment from Hiroshi Sasagawa)
竜の子時代 最後に直接指導 した演出家が押 井くん。彼には 昔から他人とは ひと味ちがった、なにかがあって、 どの作品にも押井流の味付けをして しまう人だった。ギャグひとつ作る にも彼の場合は、計算しつくし、理 屈を通して作る、そんなところがあ りましたね。彼も30になるのか・・・・・・。 新しい時代の人が新しい感覚のもの を作る ぼくはとてもいいことだ と思う。自分たちで満足せずにお客 さんに精一杯サービスしてほしいね。
4: インベーダー・ラムの動きースピード感は描いてくれるんけ!?
この作品の最大の特徴はテンポの いい動きにあるといわれている。 スピード感あ 原作の切れのいい、 ふれるラムたちの動きは実際にはど のように表現されるのか 省略の 技法とは具体的にはどういうものな か。演出の押井さんに聞くと、こ んな返事が返って来た。 「ラムたちのあの切れのいい動きの テンポを出すにも、また1話実質11 分(30分で2話放映)という中で原作 のおもしろさを十分に表わそうとす るにも、従来のギャグアニメのテン ポではとても無理なわけです。そこ で不要な映像はどんどん切り捨て、 いちばん見せたい部分だけを優先的 に描いていくという方法をとりまし た。これが省略の技法です。 ですから、本来アニメではつなが らないといわれていたカットでも、 思います」 多少の冒険は覚悟の上でつなげてし まっています。この技法は1分とい う短い時間を有効につかうためにも、 また動きに切れ味を出させるために とてもいい効果を出していると ひらたくいえば、左の上3コマの コンテのように、あたるが地面に落 ちる瞬間、傷の手あてをしている場 面などの説明的なカットがまるで ないということなのである。 そして作画的には、毎話2か所ぐ らいずつ見せ場も作られているとい う。それは、すごいモブ(群衆) シー ンであったり、また省略の技法をフ ルにつかったラムのスピード感あふ れるシーンだったりするらしい。 さらにもうひとつ、この作品の特 徴をあげるとしたら、徹底したナン センスギャグであるという点だろう。 「従来のギャグアニメは、メチャク チャにしたら、最後には必ず後かた ずけをしなくてはならなかった。 かし、この作品はもとがナンセンス ギャグ。自分の作ったギャグに責任 をとる必要はないわけです。 たとえば、前の話で地球が爆発し てしまっても、つぎの話になると、 また何もなかったようにあたるたち が生活している。それでもかまわな い。ただ、視聴者がどこまでついて これるかという問題は残りますが」 この点は見てのお楽しみだろう。
5: ダーリンは、どんなふうに描かれるんけ!? やっぱり浮気症け!?
演出の押井さんのいちばん好きな キャラは、ナント”あたる”。 「『あたる』は、どれだけ浮気症 つまり無節操に描けるかだと思って います。でも、ぼくは無節操は無節 操なりにひとりの人間としての一貫 性、存在感がなくてはならないと思 います。そのへんの『あたる』とい う人間の本質に、彼自身も気づいて いないんじゃないかと思う。 それを 描いてみたいんですよ」 さらに、この『あたる』をはじめ とするキャラを自由奔放に動かすた めのシチュエーション、つまり、舞 台が、SFの世界だと、押井さんは 語る。 「SFは、もちろん重要な要素には ちがいないです。でも、この作品は あくまでもナンセンスギャグ作品で あり、見せたいのはキャラの個性な んです。設定にとらわれない自由を 作るために、SFをもってきて 「従来のギャグアニメのように、 間の感覚で見せるのではなく、人間 と人間の関係で見せるギャグを作り たいですね。当人たちにしてみれば まじめにしているふつうのことが、 人と人とのちょっとしたすれちがい で、とてもコッケイに見えてしまう ことがありますよね。そんなところ を徹底して追求し、男女の存在感 人間というものをとらえてみたい ですね」 以上が、教職課程を卒業後、この 道に進んだというユニークな経歴を もつ、若い演出家、 押井さんの演出 ポリシーだ。頭をカラッポにして見 ラム以上にひどくとんだ気分 になれる作品が、見られるような気 する。 なお、この作品の音楽担当は、あ ・フュージョンギタリストの人気者 高中正義や、シンガーソングライタ の草分け、小椋佳が所属するキテ イ・ミュージック。その意味で、サウ ンド面でも、期待できる作品になり そうだ。 必聴、必見の番組だ。
6: というわけで、私の胸のあのシーンが生まれたんだっちゃ!!
さてさて、なにはともあれ周囲の期待の大きなこの作品。アニメ『う る星やつら』では、憧れのラムちゃんはいったいどうなるのだろうか。 放映に先がけて、1話のハイライトシーンをのぞいてみれば・・・・・
Episode Summaries (Written by Yûji Nunokawa):
10月14日から毎週水曜日に登場す 『うる星やつら』のエンディング についてお話します。 エンディング・アニメーションの 作画は、CMアニメーターで活躍し ている南家講二さんにお願いしました。 絵の中でラムがサンバを踊るんで す。ところが、南家さんがサンバの ステップがわからないから正確なサ ンバを踊れる人を知らないかと聞か れ、まわりの人に聞いてまわったの ですが、だれもサンバとは無縁の連 中ばかり。やっとのことでコスタリ カから留学に来ているという女性を 知人に紹介してもらいました。 さっそく事務所に来てもらい、レ コードをまわしながら、その女性に サンバを踊っていただくことになり ました。 みごとにリズムに乗ってサンバを 踊る彼女をビデオで撮影して、ライ ブ・アクションを撮りました。 苦心の末に完成したエンディング・ アニメ。いかがですか? ラムのサ ンバはキマッテルでしょう!?
★見どころ★
1話 「うわさのラムちゃんだっちゃ!」
土手の上をてれてれ歩いていたあ たるが、黒ぬりのリムジンに連れ去 られてしまう。銀河のかなたから、 地球を侵略に来たインベーダーたち インベーダーと勝負する地球人に あたるが選ばれたという。そして相 手はグラマーなラムちゃん。 地球人 類の運命をかけたあたるとラムの鬼 ゴッコが始まる。
pg. 32-35: Space Adventure Cobra



あの『あしたのジョー』の名コンビ、 出崎統と杉野昭 夫が新たな意欲をそそぐ映画『コブラ』(来 上映)創作の過程を克明に綴る新連載開始!!
ザラザラとして、それでいて温か さがある。 「コブラ」へのアプローチは簡単だ。 ポンと肩をたたき、またはたたか れ、2、3分も話をすればダレでも 友だちになれる。 授業をさぼり、校庭かあるいは屋 上の片隅でシケモクを吸いに集まる 洒落た仲間たちの中にも、コブラは いそうだ。ダレにでも火を貸して だし、シケモクを切らしたや つには自分のをまわしてくれる。気 安いやつだと思う、ホントに。 もし、みんながたよりにして、コ ブラをリーダーに擁したって、それ でリーダーヅラするようなこたあな い。いままでとおんなじ気安さで、 みんなとふざけ合い、役目としての シブシブ、頭かきかき やっちゃってのけるって感じかな。 リーダーとはこうあらねば・ んて理屈こねているコブラは存在し てはいけない。
「コブラ」が宇宙海賊であるのは、 “必然”なんだな・・・・・・と思う。 もし西部劇に出てくるとしたら・・・ 少なくとも保安官じゃあないな。
ジャン・ポール・ベルモンドか… ・・・なるほど。 行動する男、ベルモンド。茫洋と あんまり他人の目をぶしつけ にのぞき込んだ はしない。でも、 いったん何かを思って椅子を立てば 背中にその鋭さが現われる。 一心不乱、ち とした棚などは 一気に飛び越し、走りに走る。転ぶ ことなどはありえないと思えるほど、 しっかりした走りだ。地面を一足一 足確実に蹴る。そして瞳はキラキラ 輝き、目標を見つめつづける。 これもが、少なくとも男だっ もが見たことのある少 欲も得もない。好奇心と憧れと恐 と、それでも走って走ってぶち当 たらねばやまない男の子の顔だ。い たずらのために、ルールも先生の止 める声も振り切ってひたすら・・・・・。 大人の目から見れば、いや同級生 にしたって大したことじゃない” と思えるようなことをじつに真剣に やる
キラキラした少年の目
はじめは「彼」をなんとか止めさ せようとする先生。遠巻きに級生。 「彼」- ぼくの少年の日に出会っ た、ぼくの「コブラ」そして「ジャ ン・ポール・ベルモンド」 -は夏 の陽の校庭に迷い込んだ1匹の野良 犬を追いまわしているんだ。授業中 だった全校生徒は、窓から首を出し 野良犬を見つめる。野良犬、と いっても子犬じゃあない。幾多の生 存競争をその知恵と牙でくぐり抜け て来たであろう、勇壮な四肢を持つ どうもうで経験豊富な野良だ。 ベルモンドいやコブラは、なんと その野良犬を捕えようとする。 あとで聞いた話だが、その犬は彼 の近所を徘徊するやつで、何日か前 に彼の妹に吠えかかり、ビ 転倒したスキに、買ったばかりの靴 を片一方、失敬して ったという、 彼の近所のボス犬だそうだ。小学6 年生と野良公が全校生徒の見守る中 で、攻防を始めたのだ。最初は彼の 見幕に逃げを打っていた野良公も、 そのあまりのしつこさに腹を立てた か、激しく吠えかかり、彼の足を する。 指揮を取り、男の先生がふ たり校庭に飛び出す。野良犬を追っ 払い、彼を先生たちは捕えた。忘れ られないのはこのあとの光景だ。彼 はいままで野良犬との戦いで見せた 闘志の、おそらくは倍の闘志を見せ 先生たちに抵抗したのである。彼 は野良犬よりも素早く先生たちの手 をか ぐり、股間を飛び、ついに 校門の外へと逃がれていった。 きっと廊下に立たされるであろう 彼のこの先の困難に胸をドキドキさ せながらも、ぼくは、振り向き振り 向き校外へ走り去る彼に、なんとも いえない親しみと憧れを感じていた。 さっきの野良犬が、彼自身であっ たような、そんな気さえした。 キラキラとした目をして塀を乗り 越えていった彼の表情が忘れられない。
んだよ、コブラは。あ の少年の目を持ってほしい、いやも たせたいなコブラに。 アイ・エヌ・シーの魅力 だから海賊は必然だし、女の子に チョッカイ出しても嫌味じゃないし、 グータラしててもコブラはコブラで ありつづけられるのだ。 アイ・ エヌ・ジーの魅力。 現在進 1形の魅力と迫力が、コブラの持ち 味だ。廊下に立たされる“その先” にコブラはいない。 “なんでそうな った”のかも、コブラには似合わな でも、その魅力を描くことが一番 やっかいだ。とてもむずかしい。 なぜなら「いま」はそれ自体独立 「して「いま」ではあり得ないからだ。 「いま」はつぎの瞬間には「過去」 になり「未来」が一瞬「いま」とな るからだ。あくまでも「いま」とは 過去からの「いま」がそこにあり、未 来へとつながる意味においての「い 「ま」の価値観が「いま」をわれわれ に意識として残していくもので る からだ。 すべてはキャラクターの持つ、ど の一瞬でも失ってはならないリアリ ティが決め手だ。見る者との間に、 喜び、怒り、ありとあらゆる角度か らの対話がなり立つ可能性を持たね ばならない。ときには、そのキャラ クターと見る者との間に喧嘩すらあ ってもよい。つまり互角の存在感と でもいうのか たがいに認め 合う”といってもよい。 作られた物語の中で、一緒に行動 するのであるからだ。たとえ、スー パーアクションが荒唐無稽な虚構の 中で展開されようと、主人公の持つ 情感(あるいは感情律とでもいうのか) にウソがあってはならない。それは 見る側だけでなく、作る側にとって も唯一の軸であり、手がかりである のだから。 その存在は、たとえ親しまれ愛さ なくとも、興味は持たれるもので くてはならない。決してケイベツ され、無視されては けないのであ る。どんなにバカバカしく行動し、 支離滅裂であっても、たとえ一種の 軽さ”で勝負したとしても、そこ に見る側との対話に耐えられるだけ の”何か”がなければならないのだ。 SFの世界においてはなおさら のことだ。いや、さらにSFの世 いては、その舞台”でさえ 現在に帰結してくる”何 ければならないといえる。 ただものめずらしい(いまでは、 S Fでものめずらしいものなどは、ほと んどあり得ないと思うが・・・) 奇をてら った舞台の上でキャラクターたちが カッコよけりゃいいだろう”と行 し、あまつさえ、そのスト ーリィの進行係までを 何の臆面もなくつと めてしまうとしたら、 それはたとえばアニ メだからいいだろう、 SFだからいいだ ろうという手合いの のになってしまう。 二 流でも三流でもない、 そ 以前のものである。
“北海道の天 才少年”の杉野 昭夫・・・ 映画『コブラ』は、 いやコブラの世界”はその意味に おいて、作り手にとっては大きな 危険〟と〝大きな期待を持ってい 作品といっていい。 フィルムの流れのなか かれた コブラの行動とその世界が、いま、ぼ くたちの頭の中をかけめぐりはじめ ている。 たち―作画監督・ 野昭夫。美術監督・小林七郎。そし 影監督・高橋宏固・・・・・・。 杉野昭夫氏はコブラをどうとらえ、 どう展開していくのか? 彼の中か コブラはいったい何を、引き出し てくれるのか? 正直いって、ぼく がいま一番興味のある問題である。 『あしたのジョー』以後、その重さ から開放されて、ややおだやかな表 情に戻りつつ、北海道・北見の天才 少年がゆるやかに始動しはじめた。 かろやかにいこうや”と杉野氏に いいながら、みずからにもいい聞か せている。 いま、杉野氏の中には、宇宙海賊 へのロマンが、きっと芽ばえている に違いない。 (以下、杉野ちゃんとの対話)
Interview with Akio Sugino (In Which He Says Almost Nothing):
AM.「立体でさ、やるんだよね今回。『家 なき子』も立体だったけど、あのと きも素材としてはむ しろSFが当初 企画されていた んで、その意味では、立体としての おもしろさなんてのも今回ひとつの テーマなんだ」
Sugino.「うん……」
AM.「杉野ちゃんもおそらく、S・Fっ てのは厳密な意味でいえばはじめて だよね?」
Sugino.「うん…」 「オレ、宇宙空間ってやつさ、興味 あるんだよ。きっと、もしもだよ、 まっ暗な宇宙にさ、宇宙服着て宇宙 船からひとり外に出て、いやもちろ ん命綱は結んでるけど、ひとり外に 出てさ、ばあ!!!っと広がった空に 星が散っていて……それも、宇宙服 の顔のとこの耐熱ガラス越しに見え るんだ。 はじめはその顔にあけられ 窓のワクが気になったりしながら、 なんとか自分の周囲360度全体を 見ようとするわけ……」
Sugino.「……」 (何ゴチャゴチ いってんだというような表情が一瞬 かすめるが、聞いているようなふりをし てくれる)
AM.「どこ見ても圧倒的に星があるんだ。 それも目がなれてくると、どんどん 増えるように見えるんだ。しまいに は、その星々に押しつぶされるよう な孤独を感じたりしてさ…」
Sugino.「…………………………」 (もう聞いてないん だろうな)
AM.「わー っと宇宙服の中で叫んだ りするんだ。あわてて命綱をたぐっ 船に戻ろうとする。だけど、船の ドア かないんだよ。閉め出され ちゃったわけだ。 手動じゃドアは開 きっこないのに押したりしてさ。 そ のうち、心が落ち着いてくる。どう やっても開かないことがわかる。そ して、あらためてまた周囲の星を見 るわけだ。すると不思議に、その星 星にあたたかさを感じる。 のまたたきや、赤や青 の色まで見えてくるん 孤独が孤独じゃなくな ほんとにひとりなんだと思 ったとき、はじめてま ありが見えてくる んだ・・・・・・なんてさ、あ~あ、ボカ まだアポロの宇宙遊泳のくだりまで しかついていけないのかなあ メカがどうのワープがどうのと、本 当は“手ざわり”がないんだよ…」
Sugino.「……」
AM.「とにかくさ、第4銀河でも30世紀 へでもロケハンしたつもりがどっか に出るように……」
Sugino.「うん」 「コブラが手がかりだ。やつを押し たてて行っちまおうぜ」 気のない返事ではあったが、ピカ リ、例の野良犬を追った少年の光が その目の中に見えたような気がする。 とにもかくにも、昭夫くんは動画 机に向かい、何やら描きはじめた。き っと、新しい何かが生まれて来るだ ろう。 小林七郎氏の宇宙空間は? 第4 銀河の色は? 期待がふくらむ。 いままでにない 高橋宏固さん、新しい光と影を作 って下さい。作りましょう。 ・ぼくたちは、フィルムの中に 新しい銀河を作れるか? (1981/9/18)
9月15日ごろの杉野氏は体調不全、と てもイラストを描ける状態ではなかった。 当然「コブラ」のキャラ設定もまだ。そ こへもってきてこのイラストの依頼、本 当に困ったと思うが、幸い病気も完治、 すばらしいものを仕上げていただいた。 本そだと 最終決定ではない。これから 煮つめます。銃をかまえるジェーンの衣 裳も、本番ではこんなにきわどくなるか どうか・・・(右ページ)。いまは出崎さん とまるっきり別の思考をしているかもし れないし、まあ、これからですね」
pg. 37-39: Techno Police 21C



pg. 40-43: Fang of the Sun Dougram



1: おもちゃ会社へのプレゼンテーション用 トレーラーフィルムを初公開
新しいヒロインがまた生まれた。少女の名はデ イジー・モレア。地球からはるか離れたデロイア 星へ、ひとりの若者を捜しにやってきた。それが この物語の主人公クリン・カシム。彼を求めて、 戦乱の星をたったひとりで旅する健気な少女であ る。日本サンライズの新しい“出会い”の物語だ。 「クリンとデイジーの出会いと別れを横糸にして 『太陽の牙ダグラム』は“政治”や“革命”や“歴 史”をテーマのたて糸にすえた、すこしアダルト な物語」(高橋良輔監督の話)。その魅力を垣間見ると。
このトレーラーフィル ムには『太陽の牙ダグラ ム』の舞台とおもな登場 人物がコンパクトにおさ まっている。 放映前に手 に入れた数少ない資料と して貴重なものだ。 土星のような輪をもつ 星が、スタフェラ2重太 陽系の惑星デロイア(1)。 地球の植民星だ。『ダグラ ム』はここを舞台として くり広げられるゲリラ戦 アクションを中心にした 人間ドラマだ。 主人公は、ロボット (正 確にはコンバットアーマー) に乗っている6人の男と レーダーをみているひと りの女(8~14)。みんなあわせ デロイア7(セブン)”と呼 ばれるゲリラ部隊。 地球連邦 政府に反旗をひるがえして、 独立運動をすすめるグループ のひとつである。 そして、この物語でもっと も重要な位置をしめる人物ド ナン・カシム (7中央)。地球 連邦のメドール州の代表でク リンの父親である彼は、実は デロイア独立派の代表である フォン・シュタイン大佐をか げで操る黒幕ともなっている のだ。 というわけで、ストーリー はちょっと複雑な人間ドラマ をはらみながら展開するが、 サイドストーリーとして作品 を彩るのが、最初に紹介した デイジー・モレア。 主人公ク リンの幼なじみのカレンな少 女である(18) まるで西部劇 2: 高橋良輔+星山博之の新コンビがえらん テーマは”父と子の対立ドラマ”
9月17日、あわただしい打 ち合わせをぬって、監督の高 橋脚本の星山、プロデュー サーの岩崎正美のメインスタ ッフとアニメ雑誌5社の共同 記者会見がサンライズ近くの 喫茶店「青柳」で行われた。 高橋監督はまずテーマにつ いてこう語った。 「いまを境い目にした歴史の 過去と未来の戦いです」 もうすこしストーリーにそ っていえば、父親と息子のそ れぞれの持つ立場や性格が、 デロイア星の独立という“政 治的テーマ”をなかだちにし て対立していく、ということ になる。 「やはり、視聴者は少し高い 年齢を狙っています」(岩崎プ ロデューサー)と語るだけあっ て、設定もストーリーもかな り緻密に作られている。 その具体例のひとつを高橋 監督が説明してくれた。 「たとえば、ロボット戦なん てものはかなり不便なものの はず。故障もするだろうし、 燃料も切れる。レーダーだっ て、電波障害でなかなかうま く働かない。いままでのロボ ットものとちがって、そのあ たりをていねいに描きたい。 ひと味ちがったロボットアク ションになることは確実です。 星山氏もこうつづける。 「いまいる人たちとほとんど 同じ人間として描き、それが いつしか非日常的な戦争とい うものにまきこまれていく過 程を描き出したい」 ところで、作品のアイデア はという質問に、高橋氏は笑 いながらこう答えてくれた。 「星山さんの顔、なんとなく 岡本喜八さん(実写の監督「肉 弾』などの作品がある)に似て いると思いませんか? それ で「独立愚連隊』(これも岡本 氏の作品)なんかのアクショ ンがイメージとして頭のなか にあるんです。それと、昔、 テレビでやっていた『コンバ ット」が作品のイメージ作り をするときに、ぼくの頭には ありました。
3: 物語の舞台となるデロイア星とは?
スタフェラ2重太陽系にあ る地球の植民星。地球からの 移民開始後130年、人口は 12億を数える。地球の資源の 多くを供給しているが、自治 は認められていない。気象は ほぼ地球と同じ。 地球を知らないデロイア人 が90%を占めるようになって、 ようやく地球からの独立の気 運が高まってきた。 地球とは専用宇宙船による ワームホール”、星間トン ネル航法でむすばれている。
のワンシーンのようなこの後 ろ姿は、早くも第1話に登場 するが、話題を呼びそう。 さて、気になるのはメカの ことばかり、というキミにも 『ダグラム』のメカはこたえ られないものになりそうだ。 大河原邦男氏のデザインによ るメカ群は『ガンダム』より も、より「メカらしいメカ」 を目標に設定されたもので、 マニュアルもパーツも凝った もの。第1話から登場する。
5: 親の不正を子があばくという 従来のアニメにはなかったストーリー展開
第1話は予告編的なものに なり、ストーリーは第2話か らはじまる。 クリンの父、ドナン・カシ ムがいなくなる。独立を要求 するデロイア人にとらわれた らしい。クリンは父を追って デロイア星へと旅立つ。 しかし、父の失踪は、彼自 身がデロイア独立派を弾圧す るために仕組んだ計略だった のだ! デロイア星に到着 したクリンは、その弾圧の あまりのむごさに、しだいに 独立派へと心を傾けていき、 ついにゲリラ組織に入る。そ れが“デロイア7″だ。 クリンはその過程で、実は 父がこの弾圧の黒幕だったこ とを知る。父と子のおたがい の正義を主張する闘いがはじまる。 そして、クリンを追って、 デイジーもデロイアへ……。
7: ところで、注目のメカ・ダグラムはなぜ”コンバット・ アーマー」と名づけられたか?
Comment from Kunio Okawara:
「ダグラムはガンダムと同じ モビルスーツといえますが、 より兵器というイメージに近 いものです。目的に応じて武 器をつけかえるし、頭部は本 来は透明な素材を使った司令 室だったんです。 あまりにも 便利になりすぎたメカへの反 省として、ストーリーのなか で、いろいろな変化のあるメ カを作るのがねらいでした」 さて、この”コンバット・ アーマー”というネーミング だが、これを決定した高橋監 督の理由はこうだ。 「やはり『コンバット』のイ メージがあったんです。それ これに決めました。 アーマ Iには”よろい”の意味もあ りますが、白兵戦用のメカと いう意味で使って下さい」 このダグラム、第1話に登 場するが、つぎの登場は9話 以降となるから、お見逃しの ないように。ゲリラ側が独自 に開発する兵器として、下の 2つの連邦軍メカと対決する。
8: コンバット アーマーの開発 の重要なポイ ントとなった メネブラ星 雲”とは?
デロイア星は、2重太陽系 惑星のためレーダーなどが使 用しにくい。そのうえに“X ネブラ星雲”という、高周波 コンピューターの能力を制限 する現象がおこる。このため、 地球連邦軍の主戦武器である ラウンドフェイサー”は本来 の機能を半減される。 ダグラムは、この”Xネブ ラ星雲”から影響力をうけな いように設計された武器。 コ ンピューターを使わないため に、かなり不便なものになる が、緒戦においては、ソルテ ィックより有利な戦いを展開 することができるのだ。
Episode Summaries (Written by Masami Iwasaki):
『ダグラム』のオープニングでは、 これまでのメカもの、アクションも のとは多少感じを変えてひそかに 息づいているダグラム”というふん い気を出してみました。 そしてエンディングは、クリンに 想いを寄せているデイジーにスポ トを当て、デイジーの側に立った構 成にしました。作曲は冬木透さん、 作詞は原作者のひとりである高橋良 輔さん、そして歌うのは麻田マモル さんです。 クリンを追って星に出かけて行く デイジーの気持ちにピッタリのバラ ードふうの美しい曲調です。 そして、 画面ではデイジーがひとりで花うら ないをしています。クリンを想うデ イジーの気持ちが、見ているあなた にも、かならず伝わることと思いま す。 『ダグラム』でのいままでにないオ ープニングのふんい気、そしてこの エンディング。男性だけでなく、女 性の方たちもきっとファンになって くれるはず!
★見どころ★
1話「光りの戦士」
地球の植民星デロイアに、独立戦 争がおこった。父をさがしにこの星 にやってきた少年クリンは、戦争に まきこまれ、独立派ゲリラに身を投 じる。彼と6人の仲間がつくるゲリ ラ隊デロイア7″は、独自に兵器 を開発する。それがダグラムだ。 第1話は、このダグラムが補給列 車を襲うシーンを中心に、クリン・ おいかけてきた少女デイジーが、従 軍記者ラルターフとめぐりあうエピ ソードが展開する。
pg. 44-45: Six Combination God Mars


タープニングではスピード感あふれる6体の ロボットが、回転しながら一度に登場する
まず、スタジオZ5の作画という 点で注目されているオープニングだ が、この作品の重要な設定である超 能力という、いわばイメージの産物 をどのようにロボットアクションに 生かしていくのか? オープニング のほとんどを作画したという亀垣一 氏に聞くと。 「やはり、スピード感のある動きで すね。それと光がとび散るようなキ ラビヤカな表現。そのために透過光 やブラシによる処理が、いままでよ りもかなり多くなっています」 具体的にはオープニングの、六神 がカメラワークいっぱいに急速に迫 ってくるシーンがあげられる。ここ の作画は『バルディオス』の平山智氏。 い 「複雑な線で構成されている ロボットは、ただでさえ動か すのがむずかしい。速い、う しまい、安い(?)と定評の平 山くんをして丸1日かかった 演出は『鉄人28号』にひきつづい 担当する今沢哲男氏、各話担当と プロの広川和之氏が参加する。 「鉄人の場合は武器を持たないので 格闘技的な動きですが、ゴッドマー ズはゴッドファイヤーなどの必殺の 武器があるうえ、身長50㎡と巨大な ために動きが重厚です」 今沢氏は、『鉄人』との演出のち がいを強調する。 両氏に超能力による合体 パターンの演出について聞 いてみると、 「パターンそのものは、ロ ボットの数が多いだけで従 来とそう変わりませんが、タケルの 顔がグラフィック化し、6体のロボ ットにメタモルフォーズする 『60 0万ドルの男』からヒントを得た演 出で超能力を表現しました」(今沢氏) 「コクピットにはレバーやスイッチ などはまったくなく、すべてタケル の精神コントロールで操縦します。 これを人体の血液の流れのように、 タケルからゴッドマーズの各部に光 が走ることで表現しました」(広川氏) と、目にみえない超能力のイメー ジを具体化することに苦心したよう。 また、脚本の藤川桂介氏によれば、 「タケルが死ぬとガイヤーが爆発し 地球が滅ぶ。それを防ぐ 5神という複雑な設定が 話のかなめです。 六神合 体後はもう圧倒的に強い のですから、そこにいく までの過程を重視したい」 とのことで、ロボットア クションだけにおわらな い、ストーリー的にも十 分楽しめる作品になりそうだ。
Episode Summaries (Written By Shigeru Akagawa):
やっと、エンディングができあが り、ホッとしているところです。 エ ンディングはどうしてもクレジット がたくさん入りますので、静的な絵 で行く予定でしたが、演出のほうか らの意見で少しアクション部分を入 れようということになりました。 画面は、雲のあいだから夕日がの ぞいている静かな絵ではじまり、そ の後、マーズのアクションを見せる 動的画面、そしてまた静→動→静と いうふうに変わります。 “の部分は、”マスク撮り”とい って、画面の上半分で絵が動き、下 半分はベタのままクレジットを入れ る方法をとりました。 エンディング曲は“愛の金字塔” というきれいな曲です。作曲をお願 いした小田裕一郎さんが詞もつけて きて下さったので、その詞を生かし、 三浦徳子さんに少し手を入れてもら いました。ですから作詞は小田さん、 三浦さんの共作ということになって います。私自身、この美しい曲をと ても気に入っています。
★見どころ★
3話「恐るべき秘密」
タケルは、地球を破壊せよとのズ ルの命令を拒否した。そのために ガイヤーともども危機におちいって しまうが、そのとき世界各地から5 体のロボットが飛来し、ガイヤーと 合体して、ひとつの巨大なロボット となりタケルを守った。 しかし、今度はタケルの母・静子 がギシ星の超能力者グルに襲われ、 つれ去られてしまう。バイクで追い かけるタケル。グルとタケルの戦い が始まる。
pg. 46-47: Galaxy Cyclone Braiger


1: 発想の原点は「007」のボンドカー
10月6日からテ レビ東京系でスタ ートした 『銀河旋 風ブライガー』。い かしたやつらとい う表現がピッタリ いるコズモレンジ 本ヤーJ9と、彼ら の駆るブライガー・ メカの活躍に、さ っそくファンにな った人も多いだろう。アクションの おもしろさを取り入れた新しいロボ ットSFをめざしたというこの作品。 登場するメカにも、いままでにない アイデアがある。 メカデザインを担当した樋口雄一 氏にその発想の原点をたずねると、 「子どもにとって、いちばん身近に ある魅力的なメカはなんだと思いま すか?」と逆に質問された。答えに 窮していると樋口氏は「それは自動 車ですよ。ブライガー・メカの原点 はここにあるんです」。 なるほど、数年前からのスーパー カーブームもくわえて、車のもつメ カニズムの魅力は子どもに、そして 大人にも確実に定着している。自分 の家にあるクルマがスーパーカーだ つたら….。しかもそのクルマには すごい仕かけがある。この発想がブ ライサンダーになった。 「つまり『007』のボンドカーの おもしろさですよ。アクションSF を目ざすブライガーにはぴったりで しょう?」 (樋口氏) そして脚本・原案を担当する 山本優氏はー 「クルマから宇宙船、そしてロ ボットへと1台のメカがつぎつ ぎに変型するのがブライガー・ メカで、その大きさのちがいを 克服するために考え出した設定 がある。それが物質拡大プラズ マ装置です」
2: 日車、宇宙船、ロボットと、その場の途に応じて自在に変型する
物質拡大プラズ 装置により、ス ーパーカーブライ サンダー、高速宇 宙船ブライスター、 そして、ロボット ブライガーと3つの顔をもつ ブライガー・メカ。 これをど 使いこなしていくのか? 「それぞれのメカには、それ にいちばんふさわしい登場の しかたがあるはず。小物を相 手に、なにもブライガーを出 すことはないでしょう」 と、あくまでストーリー優先を強 調するのは演出の四辻たかお氏だ。 コズモレンジャーJ9は、その基 地アストロアイガーから、ブライサ ンダーで出撃する。ブライサンダー のクルマとしての機能を十分に生か 演出をしたいと四辻氏。 「ブライサンダーは宇宙を飛ぶ能力 を備えていますが、あくまで自動車 カーアクションのたのしさをだした い」 ブライサンダーからの変型第1段 階は宇宙船ブライスターだ。 変型パ ターンを考えた樋口氏によれば、矛 のないようにして あるので、ほとんど そのまま商品化が可 能だという。 「ブライスターは、惑星間の長距離 航行能力をもっており、 宇宙戦闘機 としても活躍します」 (樋口氏) そして強力な敵にぶちあたると、 いよいよブライガーにスライドブロ (変型)する。ブライガーは事件に ケリをつける必殺のメカだ。 ところで、いままでのロボットS Fでは特別な能力をもったものだけ がロボットを動かせるという設定が 多いが、四辻氏によればブライガー の場合、いささかちがった考え方を しているということだ。 「一応、操縦者はボ ウイ、攻撃はキッド と決まってはいます が、ブライガーは基 本的にだれでも動か せるように設定して います」 J9の連中は高性 能なメカを動かすこ と、それ自体をたの しんでいるように演 出していると四辻氏 はいう。
3: ブライガーの胸のハッチはさまざまな武器の格納庫
さて、ブライガー・メカは、いか なる攻撃能力をもっているのか? まずブライサンダー。武器はサン ダービーム、ヘッドライトの位置か ら発射する。ブライサンダーと同じ 大きさのものを10秒でとかしつくす 能力をもつ。 つぎにブライスター。武器はブラ イレーザー、ブライサンダーの強力 版と思えばいい。そしてブライシュ ーターというミサイルを装備 している。 そして、ブライガー。いまま での武装にくわえて、厚さ1 以上の鋼鉄板を断 ち切るブライソード (剣)と、厚さ30の 銅鉄板を貫くブライ スピア(やり)をもつ。 これらは、ふだんは 胸のハッチに収容されて おり、使用するときには 物質拡大プラズマによっ て、ブライソードは長さ22 ブライスピアは長さ30に拡 大する。 「ブライサンダーを改 造してキャタピラをつ 雪上を走らせるとい った試みや、新しい の追加、パワーアッ プも考えています。 たのしみに」 (樋口氏)
★見どころ★
5話「墓場からの依頼人」
アステロイドのW・J区は歓楽街。 射的場でたっぷり景品のチョコレー トをとったシンたちはメインストリ ートをハデにぶっとばす。 そのとき、通信TVにメイが映り、 仕事が入ったとの連絡。ウエストK 区でSOSが出されているという。 ガレキのようないん石がちらばっ ている町はずれのウエストK区に飛 来してくるブライスター。と、いきな 前方の陰から小型宇宙艇がとび去 って行った。フルスピードで追いか けるブラ イスター。 しかし、 敵もなか なか腕の立 つ男だった。
pg. 52-53: Mobile Suit Gundam III – Encounters in Space, Jarinko Chie


ガンダム・めぐりあい宇宙編」 新作部分は前作2作の3倍になる 予定です。(Interview with Yoshikazu Yasuhiko)
「ガンダムIII」はど うなっているのか、 とくに新作部分の絵 というのが は!?ー いま『ガンダム』フ アンの話題の中心。 というわけで安彦氏 宅を訪ねたのだが「じつをいうとつぎの仕事 にもボチボチとりかかっているのです」(安彦 氏)というビッグ・ニュースもキャッチ。 以 下は、その全インタビュー。 (9月10日取材)
AM.「ガンダムIII」の進行状況はどうですか?
Yasuhiko. まだまだです。はじめたばかりですか ら100カットと少し……。
AM. 全体でどのくらいのなおしになるんですか?
Yasuhiko. 1200カットくらいかな。
AM. これまでの3倍…ですか、それじゃあ本当にまだまだですね。
Yasuhiko. 2月のなかばまでになんとかというこ とになってるんですが、さてどうなるか・・・・。
AM. そうすると、まだ当分は「ガンダム」 に専念ということで・・・つぎの仕事の予定は!?
Yasuhiko. 一応はあるんです。 ボチボチとりかか ってはいるんですが・・・・・・高千穂遙原作の「ク ラッシャージョウ」です。
AM. それはニュースですね。シリーズです か、映画ですか。
Yasuhiko. 映画です。
AM. いつごろの公開予定で!!
Yasuhiko. 最初の予定は、83年正月。ところが、 正月は受験生の方が見られないということで、 一応は春を目標に・・・ということになりました。 これはなによりも高千穂くんの希望です。
AM. どういう形で参加されるんですか。
Yasuhiko. 一応は監督ということです。もちろん、 作画もやりますし、絵コンテも描きます。実 は『ガンダム』の合い間をぬって、もう絵コ ンテは終わっているんです。
AM. ほかの制作スタッフの方は!?
Yasuhiko. まだ動きだして日が浅いものだから、 メインの人たちしか決まっていませんが、シ ナリオが原作者の高千穂遙。演出は『ダイオ ージャ』の鹿島典夫さん。美術が中村光毅さ ん。メカニックデザインはスタジオぬえが担 当します。シナリオは準備段階でぼくなりに 書いたものがあったんですが、書き終わって みると、ぜんぜんおもしろくない。 高千穂く んとも相談して、結局、彼に。原作者がシナ リオ書くんだから最高でしょう。
AM. ストーリーの内容は原作の どの部分に!?!
Yasuhiko. 小説になっているやつをやってもおも しろ味がない。小説を読んじゃえば先はわか っちゃいますからね。だから、まったくの新 作を高千穂くんに書いてもらいました。
AM. 実質的にどの程度の進行ですか。
Yasuhiko. 作画以降はおあずけです。いまは「ガ ンダム」のほうが最優先です。
AM. デザインの変更点は?
Yasuhiko. キャラデザインは基本的にはありませ ん。メカニックデザインのほうはスタジオぬ えが手を入れるといってます。だからミネル バなんかも多少、変わります。ただ、ぬえの メカはねえ、動かしづらくて……。(笑)
AM. すっかり『クラッシャージョウ』のほ うへ話題がそれてしまいましたが「ガンダムIII」についてはいまどんな気持ちですか?
Yasuhiko. 2年前のちょうどいまごろやっていた TVの話をいままたやっているのですよ。病 気でダウンする寸前のカットなんかをやって るとなんだか妙な感じですが、今度こそ、途 中でぬけた仕事を完成させるためにがんばる つもりです。とくに、最終回の部分には手を いれたいですね。TVシリーズでは山崎くん ががんばってくれましたが、彼には悪いけれ ど、最終回というのは特別なんです。最終回 をやるのがTVシリーズをやる場合のひとつ の目標みたいなところがありますからね。お そらく山崎くんも納得してくれると思います。
AM. ふたつの映画でたいへんですね。
Yasuhiko. ええ、それでよくいいあってるんです。 ふたつ 合わせると32 00カットですか、それ くらいになるんですよ。これをぼくとほんの 数人しかいない少数スタッフでこなせたら、 これは、ちょっとたいへんなことなんじゃな いかな、てね……。ちょっといばっていいん じゃないか、てね(笑)。1年間で3200カ ツト の大長 編映画をつく るんだから! スタッフは多く はないし、まだまだ非力ですが、なんとかそ れなりのものを作りたいと思っています。
“チェ”の第1話のア フレコが去る9月19日 午後、東京・赤坂の新 坂スタジオで行われた。
とはいっても、この 日は、チェ役の中山千 夏さんだけ。声優さん が東京と大阪にわかれ ているため、テレビで も映画と同じ別々の録 音方法 (ヌキ)が採用 された。 ご存じチエ役の中山 さんは、役者のかたわ 参院議員もつとめているという超多忙な人。 スケジュールの合い間を縫ってのアフレコを 終えて、つぎのように語ってくれた。 「テレビの仕事は、いつもひとつはやってい たいですね。これが本職ですから……………。レギ ュラー番組としては、議員になってからはじ めての仕事なので張り切っています」 さて、この中山千夏さんと『チェ』の原作 者・はるき悦巳さんは同い年。過日、はるき さんと会う機会を得た千夏さんは「がめつい 奴」に出てきた子役がチエのイメージの原点 だ、というエピソードを聞いたという。その 子役を演じていた人こそ、ありし日の千夏さ んなのである。なるほど、こうなると「チェ の声は千夏さん以外に考えられない」(はるき さん) 「この仕事だけはなんとしてもやりた かった」(千夏さん)というおふたりの声も十 分ナットクできる。 映画では時間的制約から登場人物やエピソ ードにやむを得ない省略もあったが、テレビ ではより多彩な内容に期待できる。 最後に千夏さんは、こう語ってくれた。 「ヒラメちゃんが大好きなんです。映画では ヒラメちゃんがいなくて、ちょっとさびしか ったんですが、テレビでは大いに楽しみにし ています。それと、チエですが、マンガがす きな人には、それぞれにチエの声のイメージ があると思うんです。あまり芝居っぽくせず、 そのイメージの邪魔にならないようなチエを やりたいですね」
pg. 57-61: Space Warrior Baldios


ラスカには堤大二郎が。恋人リランは一般公募のオーディションで
映画『バルディオス』に登場する 新キャラは、ラスカ(男)とリラン(女) に決まった。このふたりはS1星人 恋人同士。 テレビ・シリーズに登 場したラトピとリスルとほぼ同じ設 定と考えられる。 このラスカ役には歌手として、 優として活躍中の堤大二郎さんが決 定。 一方、恋人のリランは一般公募 によるオーディションで決定するこ とになった。 応募規定はつぎのとおり、 資格 アマチュアの 女性にかぎる。年齢 不問 日時 10月15日(日) 場所 池袋サンシャ ンシティ文化会館 7Fサンシャイン集 会場 ・受付 当日午前9時 ~10時まで。10時半 より開始。発表は午 後4時ごろの予定。
衣裳デザインは松田光弘氏(ニコル)が担当
「アフロディアにド レスを着せて」 「アフロディアの私 服姿を見せて」 ファンのそんな声 がかない、映画『バル ディオス』のなかで アフロディアが見せる衣裳デザイン が決定、新キャラ、ラスカ、リラン の衣裳とともに発表された。 このデザインを担当した松田光弘 氏は「ニュル」のブランド名で知ら れるファッション・デザイナー。 婦 人服、紳士服はもちろん、装身具や 寝装具部門にも進出、トータルなフ アッション展開を行っている。 すでに映画や舞台では衣裳デザイ ンを担当し活躍しているが、アニメ ーションははじめて。画面でどんなフ アッションが見られるか注目される。
題歌はCMで活躍のTONYに決定
映画『バルディオス』の主題歌を歌う のはTONYに決まった。 TONYは、 日本ラジエータ・カーエアコンのCMソ ング「ウィンディ・シャワー」をヒット させるなど、注目のグループ。 もとチューリップにいた上田雅利をリ ーダーとして今年2月に結成、現在、レコ ードや、コンサートで活躍している。 ア ニメの主題歌を歌うのはもちろんはじめ てだが、TONYの作り出すサウンドは まさにスペース・ラブロマン 「宇宙戦 士バルディオス」の海のイメージにぴっ たりだ。
ストーリーはあくまでもマリンとアフロディアが中心に
12月の公開に向けて急ピッチで作 木が進んでいる『バルディオス』だ が、このほどそのストーリーの全貌 が明らかにされた。AMでは再三そ の予想をお伝えしてきたが、発表さ れた内容はほぼそれに近いもの。 改 めてマリンとアフロディアを中心に ドラマが展開されることを確認した。 「映画としての成功は、一にも二に も、マリンとアフロディアがきっち 描けるかどうかにかかっています」 と語るのは、助監督の広川和之さ 『バルディオス』はもともと38話 とてめてるの のシリーズとして書かれた作品であ る。これを劇場用の1本の作品とし て、2時間という時間のなかでまと めるとすれば、ふたりのドラマとし て描くという作り方は、当然のこと といえよう。 とはいえ、もちろんほかのキャラ が脇役になるわけではない。物語の スジを1本にするために、ジェミ やオリバーたちのエピソードが省略 されたというだけのこと。新キャラ もふくめ、デビットや雷太たちの活 躍にも十分期待できる。
気になるデビットはどう描かれるのか
主なキャラクターのなかで、いち ばん気になるのがデビットの描かれ テレビと映画で、いちばん変 わるのがこのデビット。重要な役で 登場することは先月号でお知らせし たとお が、その具体的な役柄を 広川氏に語ってもらおう 「パルサバーンのパイロット候補生 として世界連盟から派遣されるとい うのはテレビと同じです。ただ、オ リバーたちとはおたがいによく知っ ている仲で、逆にマリンのほうが浮 き上がってしまうというのがちがう 点ですね。デビットは自信家で優等 生。パルサバーンをうまく操縦でき なくて、ちょっと落ち込んだりもし ますが、総じてテレビほどニヒルで はありません。もうちょっと、いい 男になるはずです」 ということになるのだが、このデ ビット、じつは酒井氏の第1稿では 登場しない予定だった。ファンの支 持によって、ハーマンのかわりに急 きょ復活したという、いわくつきの キャラクターでもある。とすれば、 当然、ハーマンの役割をも果たすこ とが考えられる。 「ハーマンはテレビでは22話で登場 しました。 世界連盟から月影の監査 役で派遣されたといった役柄でした。 じつは放映はされませんでしたが、 このあと3話、38話でも重要な役で 登場することになっていたのです。 ここでのハーマンは、バルディオス を援護して、アルデバロンの囮にな ります。 そして最後は、敵の司令官 ネグロスの乗る宇宙船に体当たりし ていきます。この未放映分のハーマ ンの役は、デビットが果たすことに なるでしょう」 (広川氏) デビットはやはり死んでいく運命 にあるのだろうか? また、デビッ トの乗るメカも気になるところ。テ レビ同様、彼はフィクサー1に乗っ 散っていくのか・ 「死ぬかどうかは、見てからのお楽 しみにしてください ださい。いずれにして もデビッ ためのメカは必要です ね。フィクサー1に乗せるか、新メ カを用意するかは、目下検討してい るところです」(広川氏) ところで、デビットといえば、生 みの親はスタジオ25の平山智さん。 「ボクとしてはチョイ役ですませて ほしかったのですが・・・・・・。でもファ ンのみなさんの声は、やはりうれ いですね。デビットはボクが手が た最初のキャラ。それだけ愛着が るんです」 と語ってくれた。 おとり クインシュタインとデビットのエピソードはあるのか」 デビットといえば、もうひとり気 になるのがクインシュタインの存在 だ。そもそもデビットの登場する2 話はデビットとクインシュタインの 物語だった。 世界連盟からマリンの スペア”として派遣されてきたデ ビットは、クインシュタインのかつ ての教え子でもあった。そのデビッ に過酷な任務を託さなくては てはなら ないクインシュタイン。そして死を 覚悟して任務につくデビットは、想 いつづけてきた胸のうちを、クイン シュタインに打ち開けるのだが 「2話に相当するエピソードはあり ません。デビットが昔の教え子であ るということは、セリフでは説明す るつもりですが。 ふたりの過去につ いてもそれとなくにおわせるという ていどですね。あまり強調すると、 そこにまたドラマが生まれてしまい ますから、映画ではとても・・・」 広川氏。どうやら映画のほうで は、ひとりの女としての、またある 意味で隊員の母親代わりをつとめる クインシュタインは描かれそうにな い。そこで期待したいのが、此島愛 子さんの声の演技。 「此島さんの声は、クールにしゃべ っていても、うるおいがあるんです。 だからクインシュタインの暖かさや、 抱擁力をうまく表現してくれると期 待しているんです」(広川氏) その此 島愛子さんは、 「泣いたり笑ったりす る役なら簡単なんです。で もクインシュタインって、感情をほ とんど表に出さない人でしょう。 たほ んたんとし やべるのが、い ・いし くては……。 ちばんむずかしい。 まず、私自身が彼女の生 き方、存在に理解をもたな …..。 むずかしいけど、やり カ があります」と語ってくれた。
地球とS1星との対比が鮮明に描かれる
劇場版『バルディオス』では、背景の描き方にも注目し たい。それが作品のイメージを決定する といっても過言 はないからだ。美術監督の新井寅雄さんにうかがってみた。 「透過光で見るテレビと、反射光で 見る映画では色の感じ方がちがうん です。 くわしく説明すると長くなっ てしまいますが、テレビだと黒が黒 く、白が白く見えないでしょう。 色 の微妙なグラデーションも表現でき ない。だから同じ場面の背景でも、 映画用には、それを計算に入れたう えで、まったくべつなものを描いて いるんです」 新井さん。 仕事机の上には商売 道具のポスターカラーがずらりと並 んでいる。この色を駆使して、映画 ではどんな背景が描かれるのだろう。 「ごく大ざっぱにいうと、基本的に はブルーがベースになります。 これ は宇宙空間だけではなく、ドラマ全 体のトーンをこの色で統一します。 下のクインシュタ インの研究室もそ の一例。 火星基地 の絵は赤っぽいけ ど、これもブルー 系の赤なのです。 映画では地球と S1星の違いをは っきり描き分けた いですね。放射能 に汚染されたS1 星と、美しい地球。 映画ではこのへん の差がはっきり表 現できると思いま す。背景の微妙な ちがいに、ぜひ注 ください」
「バルディオス」誌上再放映 PART 3 映画『バルディオス』は30話以降の未放映部分が中心となる。放映 されたぶんからは省略される話数も少なくない。先号にひきつづき、 テレビシリーズ30話までのストーリーをふり返ってみよう。
美しい安住の地”をめぐるS1星 と地球との闘いは、いつ果てること もなくつづいていた。圧倒的な科学 力の差にもかかわらず地球軍が善戦 しているのは、バルディオスを擁す るマリンたちブルーフィクサーの活 躍のおかげだった。だが、その一方 で地球を心から愛する人々が、地球 のために命を捧げていた。第1話 「亜 空間に架ける橋」 のクラン博士もそ のひとり。博士はアルデバロンの基 地、第10惑星建造のために連れ去ら れた。だが、接近しつつある大彗星 から地球を救うために、博士は人工 惑星とともに散っていった。 地球を脅かすアルデバロンの攻撃 は、相変わらず熾烈をきわめた。ブ ロリラー(22話) ガメバリウス (25話) ミランジャガー(26話) アクーダイカ ン(27話)などの敵メカが、バルディ オスを襲う。謎の宇宙生物アメーダ スも地球人を脅かした。 宇宙船とと もに侵入したこのゼリー状の生物は、 水道管を通ってシャワーを浴びてい たジェミーに忍び寄った。 敵対している地球とS1星に、共 通の敵も現れた。両軍の兵士の一部 が連合して作った第3帝国がそれで ある(20・21話)。水爆を擁 するこの第3帝国に、地球 からはマリンが、 そしてS 1星側からはアフロディア 派遣される。だが、双方 激突し、 ふた 取り残されて 戦闘のなかでアフロデ ィアは傷つき、そんなふた りをシベリアのきびしい自 然が容赦なく襲った。マリ ンによって助けられたアフ ロディアだが、ふたりは再 び仇同士として別れていく。 地球の人々が1日も早い 平和と美しい自然を望んで いるのと同じように、アル デバロンの多くの人々もそ れを望んでいた。 亜空間要 塞アルゴルにいるS1星人 の大半は民間人なのだ。そして、こ こにも地球と同じように愛し合う男 女がいた(22話)。親衛隊長ラトピの 恋人リスルは、アフロディアの付き 人だった。だが、人工冬眠からさめ る兵士と入れ替わりに、リスルは冬 眠カプセルに入らなくてはならなく なる。しかも、その冬眠は100年 間解除されないのだ。そのことを知 ったふたりは、 小型宇宙船に乗り、 暗黒の宇宙空間に消えていった。 戦局が思うようにならないアルデ バロンの内部には、総統ガットラー に対する不満が大きくなった。軍の 幹部ジョフとデレリは、ついにガッ トラーの暗殺を計画する(24話)。ア フロディアの士官学校の同期生カイ ザーが、ガットラーに銃口を向けた。 が、その肩をアフロディアの銃が 撃ち抜いた。 アルデバロンのあいつぐ新メカの 攻撃に、バルディオスもついにピン チを迎えた(26話)。 ミラジャガーの 攻撃に全エネルギーを使い果たした ルディオスは、 今は、ブルーフィクサー てパワーアップのための改造を受 ればならなかった。 かった。アルデバ ンの一斉攻撃を目前に、ク シュ タインの必死の作業が続けられた。 S1星人マリンが地球に来て以来 いちばんマリンの身を案じ、理解し ようと努めたのはジェミーだった。 ジェミーのそんな気持ちは、やがて マリンへの愛へと変わっていった。 そんなふたりが、第28話「決死の ランデブー飛行」では共同で任務に つく。戦闘で目を傷つけたマリン。 ジェミーがマリンの目となって、 ルディプライが飛び立っていっ
pg. 62-63: Manga Hana no Kakarichou

pg. 64-65: Robot King Daioja

pg. 66-67: Tomorrow’s Joe 2

8月31日の第44話「青春はいま …燃えつきた」を見た読書の方 方もさまざまな見方をされたこと だろう。AMではちばプロ出身の マンガ家あべりつこさんの感想を 取材し、その意見に対する出崎氏 の見解を求めてみた。
死んだか否かはともかく、ジ ヨーには生きていてほしい!!
代表作『でっかいちゃん』 などを持つあべさんは『ジ ョー』連載時から2年間、 ちばプロでアシスタントを 経験している古くからの矢 吹丈ファン。原作にくわ い彼女は最終回をどう見た のだろうか?(以下構成編集部) あべ「ラストは原作よりジョ の死が強調されているよ うに感じました。なぜなら ジョーが目を閉じたあとに原作にない観客の立ち ットが加えられているからで、とくにゴ ロマキが帽子をとるところは印象的でした」(写) 出崎「ここは、命の終わりよりも闘いの終わりに 敬意を表したつもりでした。ゴロマキのカットも いわば、闘い自体に対する最敬礼です」 あべ 「画面がきれいなのに驚きました。ジョーの 瞳もよく描けているし、赤い血も気持ち悪くない。 汗が光ったり、演出が凝っているんですね」 出崎 「おどろおどろしくなったところもあります が、血をパーッとちらせたり、汗がとぶところに スローモーションを使ったりして、きれいにみせ る工夫はしています」(写) あべ「ジョーはぜったいに判定 を聞いていませんね。燃えつき たジョーに勝敗は不要」(写◎) 出崎 「ジョーが死んだとしたら この目を閉じたときです。戦い ぬいた彼にとって判定はもうど うでもいいことなんです」 今回の取材でおふたりとも、 「本心はジョーには死んでほし くない」と異口同音に語っていた。
pg. 75-82: Tatsunoko GAL Special

pg. 83-104: Monochrome Animation Special

pg. 107: Anime World on TV

Spotlight – Takashi Nakamura:
幼いころから、マンガを描くの が大好きだった。ひまさえあれば、 ひとりでノートのすみっこにマン ガを描いていた。 勉強はあんまり好きじゃない。 集団生活もどちらかというと苦手。 山梨県の中学校を卒業すると、迷 わず上京した。もちろんマンガ家 をめざしてー。 しかし、まず生活をしなければ ならない。竜の子プロに入社し、 アニメーターとしての仕事を開始、 昭和46年のこと。だから、なかむ さんは26歳という若さだが、 す でにこの道10年のベテラン・アニ メーターということになる。 これまで『ヤッターマン』『まん が日本絵巻』『ガッチャマン』など の作品を手がけ、劇場用『ヤマト』 では作画助手をつとめた。 現在はフリーで『Gライタン』 に取り組んで る。本誌9月号 で「ガッツで作 ったナットク・ 「アニメ」として 『Gライタン』を 特集した。その 中でもなかむら さんは「アニメ は結局動きい かにして動きを 自然にスムーズ に見せるかとい うことに神経を 「使う」といってい る。「セルの枚数 をかけたいとい うことだけでな く、アニメーショ ン自体にウソが あっちゃいやなんです。たとえば、 『Gライタン』は巨大ロボットだか ら、当然、動きに限定があるはず。 いくらアニメの世界だからといっ て、大きなロボットがたやすく、軽 軽と動いてはウソになる。巨大 ボらしい重量感を出すように心が けています。なんとかキックとかな んとかビームだけに終わ らせたくないんです。ロ ットものにかぎらず、 人間を描くにしても、 筋 肉や関節の動きなんかを わかったうえで動かして かなくちゃならない」 なかむらさんの話の中 に「ウソがあってはい ない…」ということばが 何度も出てきた。「アニメ の中でどれだけリアルさ が出せるか」ということ をいつも考えている。 大の映画好き。テレビ の横のなには映画のビ デオが 70~80本も並んで いる。いままで一番感動 した作品は『第三の男』。モ クロものが好きだという。好 きな画家はエゴン・シーレに クリムト。そしてマンガ家で は永島慎二。 マンガはアニメの仕事をや りながらもずっと描きつづけ ている。 ’79年1月の作品を見 せてもらった。「雨の時代から の便り」というタイトル 容はちょっとむずかしい。 だと思った。 線がとても印象に残る絵 「何回か投稿したり、出版社 に持ちこんだりしたけど、い まのところ・・・」 「アニメーターの仕事もとて もおもしろい。1枚1枚描 平面の絵が画面で動いた き、そのたびに感動するんで す」 アニメーターとしてあぶら がのりきったなかむらさんの 今後の活躍に注目! そして、マンガ家としての デビューにも期待。
Featured Series (Commenter):
- Manga Kotowaja Jiten (Hiromichi Mogaki)
- Dash! Kappei (Tomoyuki Miyata)
- Ojamanga Yamada-kun (Hiromichi Mogaki)
- Swiss Family Robinson (Takaji Matsudo)
- Goshougun (Yoshiaki Aihara)
- Tsurikichi Sampei (Sōjirō Masuko)
- The Gutsy Frog (Shunzō Katō)
- Tiger Mask II (Takeshi Tamiya)
- Ikkyū-san (Tomiro Kuriyama)
- Galaxy Cyclone Braiger (Yu Yamamoto)
- Kaibutsu-kun (Hiroshi Fukutomi)
- Belle and Sebastian (Nobuaki Hosoda)
- Beast King GoLion (Itaru Orita)
- Astro Boy (Noboru Ishiguro)
- Dr. Slump Arale-chan (Keizo Shichijo)
- Urusei Yatsura (Yuji Nunokawa)
- Miss Machiko (Matsue Jinbo)
- Golden Warrior Gold Lightan (Tomoyuki Miyata)
- Queen Millennia (Yōichi Kominato)
- Manga Mitokoumon (Hiroshi Toida)
- Six Combination God Mars (Shigeru Akagawa)
- Fang of the Sun Dougram (Masami Iwasaki)
- Wanwan Sanjuushi (Shigeo Endo)
- Doraemon (Takashi Sakuma)
- Hello! Sandybell (Yasuo Yamaguchi)
- Anime Oyako Gekijou (Masakazu Higuchi)
- Jarinko Chie (Shizuhiko Sengoku)
- Robot King Daioja (Katsutoshi Sasaki)
- Manga Hajimete Monogatari (Kenji Nagai)
- Honey Honey no Suteki na Bouken (Tokichi Aoki)
- Yattodetaman (Takao Koyama)
- Manga Nippon Mukashibanashi (Tatsuya Hiramatsu)
- Ohayou! Spank (Toshitsugu Tsubo)
- Hokahoka Kazoku (Tatsuo Ono)
- Kirin Ashita no Calendar (Yutaka Mizuki)
- Ninja Hattori-kun (Yoshio Kato)
pg. 123-142: My Animage

pg. 145-147: Drawings Covered in Sweat #9 (Yasuo Otsuka)

pg. 149-150: Ideon Liner Notes #21 (Yoshiyuki Tomino) fix

夫婦の会話
「あなたもバカねえ。こんな「イデオン』映画
化プランを特集されちゃって、あなたペラペ
ラしゃべったんでしょう? ぜんぶ、書かれ
ちゃってるじゃあないの。わかって? どう
いうことだか?」
「わかってます。伊藤さんからも矢立部長か
らもいわれましたよ」
「このライナー・ノートの存在価値もなくな
るのよ? 私の出番だってなくなるんだから
「そんなに目立ちたいのかよ。俗物奴!」
「あなただってそうでしょ! この1年間の
目立ちたがり方って何!?!なんていわれてい
るか知っているの? 真っ白いスーツ着こん
じゃってさ、アラン・ドロンや大島渚じゃあ
あるまいし、たかがアニメの演出家がって、
みんないっているのよ」
「イベントです。セレモニーです! アニメ
は実写の世界とは違うんだよ。声優だってス
タッフなんだ。みんな同じなんだよ。そうな
りや、こっちだって世間的に恰好つけなけり
やいけないでしょ?」
「それは、あなたの考え方でしょう? 人に
は分相応ってのがあります」
亜阿子は元気がいい。9月に入って1週間
ほどは、まさに残暑が猛暑。
その後、台風18号にじわりと九州北にいす
られたおかげで曇りがつづいて急激に涼し
くなってきたからだ。
それでなくとも暑さに弱い亜阿子が、衣々
子と耶々子のためにとクーラーもろくにかけ
ないで頑張っていた。
あせもをかかない程度に暑いのは、子たち
の体にとってはいいことなのだからと、2階
の8畳間をひたすら風通しよくして寝かしつ
けていた。そうはいっても、今年は暑い夏で
したね。日中、どうしても数時間はクーラー
をかける日がつづいた。
「人工的な環境は、子どもをすこやかにさせ
ないのよね」
そのたびに文句をいった。
赤ちゃんはだいたいが頭でっかちだけれど、
ぼくンチの双生児ちゃんは、ぼくに似ておで
こさんのようだ。生後1週間は、まるで火星
人類人猿かと思っていたのだが、雛々も少
なくなってきて、女の子らしいやさしさがみ
えてきたのは、これは父親としてうれしいこ
とだ。
そう…..親バカとわかっていても、いい。
うれしいのだから……。
そうはいっても、ぼくは気楽なものだ。子
たちの面倒をみることはしない。自分の都合
のいいときだけあやしたり、おむつのひとつ
をとりかえるだけなのだから・・・・・。
そりゃ、日曜日とか、8月に4日ほどの夏
期休暇をとったときに朝、昼、晩、おむつの
とりこみもやったし、たたんでみせ
しかし、たいていそれは鳥取の祖母がたた
みなおしては使っていたらしい。そう、亜阿
子の母が8月中来てくれていたのである。
ぼくが父親の真似事をやっている間に、も
『イデオン』班の1スタの連中は、海の家に
行くわ、個人個人休みをとって、やれ北海道
京都だ、九州だとやっている。
話は戻って、この2、3月は雨があったり
肌寒さえ感じられるとなると、亜阿子
のヒステリー気味なところがなくなり、
マルになる。
特に、赤ちゃんとつき合うことになれてき
たことが亜阿子をして母親の貫禄をつけさせ
てきたらしい。チビのくせに5キロの体重は
いっこうに減る気配をみせぬのに、亜阿子は
気にせずに動きまわってみせる。
母になった自信で、そういった身辺のこと
を放棄してしまっているのだ。無神経なのだ。
娘時代の新婚時代の楚々とした気分を忘
れているのだ。愛してほしい、という謙虚さ
を忘れるのだ。図々しくなっちゃう。
フン、愛してなんかやるものか。浮気をし
ちゃうから”
そう思わせる。
男って勝手なのだよね。自分の子どもを産
んでくれた唯一無二の女性の外形が、少しだ
け太めになったからという理由だけで、こう
考えてしまうのだからね。
でもね、主婦のドカッとした感じは厭だね。
いかにも、私は家の、家庭の中心でございま
すよ、という顔をしだして、そんなふんい気
を体中から発散させる。
それは女性の姿ではなく主婦のくさみなの
よね。ね?ご同輩?
こんな話、この雑誌を読んでいらっしゃる
方には関係のない気分なのだろうけれど、こ
んなものですよ。
将来、愛し合い結婚するとき、それは、
人と生活することだってことがわかってくる
と、よくわかることだと思う。
俗にいう愛し合うなんてことは簡単なのよ
ね。問題は、その後。どう暮らしていけるか
ってね。これが想像できない相手とはまちが
っても……まちがってはいけない。
そこまで考えて愛なのっていえる人って
すごく偉い人ね。
男と女を、おたがいにうまくやっている人
だと思う。尊敬してしまう。
ン、で、阿子。
「安彦さんとあなたでは、見え方がちがいす
ぎるのよね。スタッフは同じようにバランス
っていかないといけないわ。浮き出しちゃ
ったらスタッフに嫌われるのよ? そうした
ら、あなたの仕事がや にくくなるってこと
まで考えてみた?」
「考えているから、やっているんじゃあない
ですか。なれないスーツも着てみせるんじ
ないの? なんで、メジャーっぽくみせてい
るかわかる?」
「大義!!」
「あなたの魂胆はわかってます。 でもね 『ガ
ンダム』だって『イデオン』だって、マイナ
から発生したのでしょう? そういうファ
ンがいたから成功したのでしょう?」
「成功はしてません。 大当たり、というのは、
『宇宙戦艦ヤマト』みたいなのをいうの。『イ
デオン』についていえば、未知数のものだか
ら、判定はできないんだ。だからって、ぼく
が『ガンダム』の人気に浮かれてシャコタン
のアラン・ドロンのまねをしてみせているの
はね、なにもファンを切り捨てようとしてや
ってることじゃあないんだよ」
「なによ。そんな大義名分があるの?」
ノーマルな亜阿子は冴えてくる。
とんでもない言葉がとんでくる。
「大義名分がなければ、他人はあなたを認め
ないわ」
「そんな国家的なものは……」
「個人の大義名分よ。人としての節度よ。は
しゃぎすぎの男はいけないわ。うすらみっと
もなくってサ」
[……
「人はだれだって目立ちたがり屋だろ?
められたいだろ?そう思うのはいけないの
か?」
「信義がなくて認められるだけというのは、
お調子者のやることよね。いまのあなたは、
浮かれピエロね」
やれやれと思う。亜阿子は、ぼくらテレビ
・アニメの世界の人間がいかに卑屈で、いじ
ましく生きつづけてきたかという痛みを知ら
ないのだ。
テレビアニメの世界から成功をし、財を
成した人がいたとしたら(そういう人はいない
けれど)そういった人というのは、現場の
アニメーターでなければ、演出家でも、シナ
リオライターでも、美術ディレクターでも
声優でもないのだ。これらスタッフは、永遠
にスタッフであって、陽の目をみることがな
い。
そりゃ、こういうアニメ専門誌のおかげで
僕は
ぼくもこういう連載をさせてもらっているし、
他のスタッフの露出度(世間に顔をみせていく
ことをこういうらしい)が多くなってきている。
これは、いいことなのだ。鬱屈して本当の自
閉的生活を送るよりも、人の精神衛生上は大
変いいことなのだ。
けれど、それらのことはあくまでも付帯的
なあらわれ方でしかなくって、アニメ世界の
人々の正道ではない。
アニメーターで、ライターで、アートで、
演出家で、一般的に認知され、職業として
文化人として世間が認めてくれるようになり、
その部分で一人前といわれない限り、アニメ
は正業になどなり得ないのだ。
そのためには、露出の仕方をやってみせな
けりゃいけないでしょ? そうしないと目立
たないのだから………。そうしたって、世間は
アニメの、でしょ? というのだ。
結局、アニメの世界の人なのね、という特
殊フィルターをかけられて、日本の中の、大
人の世界の中の特殊地帯としてみられていっ
たら、これは正業にならない。
アニメの人だから、子どもなのです。だか
ら、あの程度のバカやるのですね、というい
い方で4男が判定されてごらんよ。大人とし
て認められていないことじゃあないですか。
そのためには、スーツを着てみせるのよ。
アニメ世界の人らしくみせていたら、アニ
メの人なのですねえ、で終わってしまう。
ぼくはね、前にもいったろ? 大人になっ
ねと両親からいわれたいんだ。あの弱虫の
へっぷり虫 (小学校のときのぼくのアダ名)が、
大人になったね、って。だからさ、アニメを
隠れ蓑にしたくはないのだよ。
まして、衣々子と耶々子というふたりの娘
の父親になった。物理的に子どもがいるから、
父親さんなのですね。というだけの認知の
れ方はいやなんだよ。
男は、やるんだ。できるんだ、とか、生き
たのですね、とかさ、いわれたいんだ。その
いわれたいって部分は、見栄ですよ。目立ち
たがり屋です。 なんでもいって下さい。だか
やってるんだってこと、それは『だから
・』を読めばわかるでしょ」
「?
「そうは伝わりきらないわね」
「…… そりゃ、ぼくに表現力が不足している
からだろうな……」
認めざるを得ないところだ。
「でも、亜阿子には嫉妬心もあるから、伝わ
らんのじゃない?」
それは・・・・・・皆無と
チョキさんに?
はいえないけれど、あるわよ。だけどね、こ
うは思っているわ。
……..
チョキさんのことを書いてあるところを読
むとやきもち心はでるのよね。でも、わかる
こともあるのよ。私みたいな性格の女をあな
たがもらってくれたのは、あなたがチョキさ
んのような人とつきあっていたからだろうっ
て。そうでなければ、あなたは、私のような
女と結婚する気にはならなかったわよね。
そう考えれば、チョキさんに感謝こそすれ
嫉妬心はないわね・・・・・・」
……そういってくれると助かるし、ありが
たく思うよ。でもね・・・・・・」
「チョキのおかげだけじゃあないがぼくだっ
ぼくなりに努力はしたんだ。そりゃ、チョ
キからみればうすらみっともない悪あがきに
みえたろうがね……」
「それは認めるわ。でも、私はそのうすらみ
っともなかった若いあなたは想像したくない
わね」
「………済まないね。 こんな立場になっちまっ
てさ。だからさ、あんな本を書いたことを黙
認してくれた亜阿子の度量には感謝している
よ」
みーんな、尾形さんがいけないのね」
「え?この雑誌の編集長かい? そりゃち
がうな。書くといったぼくがいけないんだ」
「そこのところはそうね。オトシマエつけて
もらいなさい」
「原稿料はもらってるから…」
「『ライナー
・ノート』のほうはでしょ? ま
ずいなァ、このブロックはきっとカットされ
るぜ。担当者の鈴木さんに 」
「それよ。その人がいけないのよ。先月号の
『イデオン』特集は鈴木さんでしょ? 『ライ
ナー・ノート』どうするんだっていってやっ
くて?」
てよ。この原稿を渡すときに・・・・・・」
「そうなんだよな。フィクションとノン・フ
ィクションの部分がメチャメチャになっちゃ
ったんだものね。本当に困っている」
「そう、そう。その辺もあなたに助平根性が
ありすぎるからこうなったのよ。
ネタばらししたときに連載を打ち切れば、
こんなことにならなかったのよ。それを、ず
るずるつづけるから……。 今後のことを全部
書くつもり? どうするの? 『イデオン』の
話なんて何もないじゃないの」
「『ライナー・ノート』
いかにもページかせぎの原稿というふうにな
ってしまう。作者たるもの、書くべきものを剥
奪されたら壮絶だね」
ってわけにはいかんな?
「書くものなければ、 くものがないってこ
とを書けばいいっていう発想があるわよね。
いまの世の中、凄いのね」
「ン。それがコマーシャルの凄さと恐ささ。
虚無さえもパッケージすれば商品になると思
わせるときがあるのだから……」
「そういったお先棒をかつぎすぎたのではな
「反省もしている。が、そうしなければ食べ
ていけない人がいることも事実だ。ぼくだっ
て、そのうちのひとりなのだろ?」
「昔のファンはそうみているでしょ?」
「そうだな……しかし、ぼくは口が裂けても
いわないぜ。だから、マイナーがいい、なん
てね。マイナーはマイナーで完結させればい
いのだから……」
亜阿子はガラス戸を閉じに立った。 今夜の
ふたりの娘は静かだ。
「そうよ。あなたはもうどんなに不恰好でも
いいから恥さらすのね。つぎにくる若い人た
ちのよきサンプルになるように……。そうす
れば、少なくとも若い人たちはこういってく
れるわよ。あなたみたいなアホはやらないよ
うに気をつけよう、とかね」
「その考え方は正しいな。娘たちの教範にな
ればいい。中途半端な人間が一朝一夕にして、
善き大人になれる もないし、世間一般か
認知されるわけでもない」
「それが正道。あなたのね」
「フン、フン」
うか?
で、ぼくと亜阿子はキスをする。
「マイったなァ。この原稿じゃあ、ぼくの立
場はないじゃないスか」
鈴木敏夫記者が目を閉じ閉じ口とがらせる。
それで思いついたのは、ぼくが目を閉じて話
すのはこの人の癖がうつったからではなかろ
「編集長に相談してよ。他に書きようがない
から書いたんだ。時間かかったんだよ。何を
書くかってさ」
「わかりますが、湖川さんのことも考えてや
って下さいよ。 こんなんじゃ、イラスト発注
もできやしない」
上井草駅の脇のいつもの喫茶店だ。
「何が一番困るの? 事実を書きすぎるから
なの? でもね、読者に知ってもらいたいこ
となんだからいいでしょ? 大人の世界はこ
うなのだから覚悟して、力をつけてきて下さ
いってメッセージなんだから……」
「でもね、それはフィクションの世界でやっ
て下さいよ。現にこうしてぼくの名まえまで
入れちゃって、一字一句変更ならん、なんて
いわれちゃあ、こっちだって編集方針がある
んです。読者の基本はアニメのファンなんで
すから……」
「ホラ! そのアニメのってのやめてよ。 フ
アンがアニメ以外に興味を持ってなかっ
するわけではないでしょ? 両親との軋轢
中、友だちとのつき合いの中、朝、昼、晩っ
ごはん食べて生活している人なのだからこ
れでいいんだ」
「主旨は了解です。編集長の了解はとりつけ
ましょう」
「……それがとりつけられなかったら?」
「……わかりません。 連載中止というか、そ
ういった大人の世界の判断もでてきますね」
「うん。ファンがどう読み受け入れてくれる
のか、拒否するかということもあるしね。そ
のときは、そのときさ。ぼくがお調子者だっ
たのだから、やむをえない」
鈴木記者はまた小雨がぱらつく街路にとび
出していった。透明ビニールの傘の下の記者
の肩がひどく小さくうら悲しい。
「……まったくな・・・・・・われわれ提供者側には
読者の気分はわからんものな······ でも、いい
んだろう これで ・亜阿子 J
それから数時間。
ろうかい
ぼくは原稿のことが気になりながらも、あ
の気さくで、しかもかなり老獪といえる勘を
持つ尾形編集長の顔を思い出していた。目の
前では、新作部分の『イデオン』のラッシュが
映写されていた。
「電話です」
真奈美ちゃんが暗がりの中、ぼくに受話器
を渡してくれた。
「はい……」
案の定、尾形編集長だった。声は明るい。
「ぼくにもわかりませんよ。読者の判断にま
かせましょう。 表現で気に入らんところもあ
りますがね。へへっ······。 ま、作者のイメー
ジなんだから、原稿はいじりませんよ。じゃ、
そういうわけで、やります」
うん、このきっぱりさはいい。
そう思う。
pg. 152-155: Anime College (Emiko Okada & Shinichi Suzuki)

pg. 156-157: Micro News

pg. 163-170: Voice Topics

pg. 172-173: Yū Mizushima Monthly

pg. 178-181: Fan Plaza

pg. 188: Astro Suggestion (Keiko Han)

