
1979
November
Comment [Animage, for Mobile Suit Gundam]:
彼女は一見、冷たそうに見えるかもしれないけど、決してそうではなく、ああいった状況に置かれれば当然のことだと思います。 頭がよく、冷静だとは思いますけど。 それに、彼女は、きびしい状況下にあっても、ほかの子たちより耐えられる子ね。 そういう点は私によく似ているなあと思っているんですけど。
1981
January
Feature Article [The Anime, “Anime Star”]:
あたたかい秋の休日に こんにちは、瑤さん!!
「機動戦士ガンダム」のセイラ、「伝 説巨神イデオン」のシェリル、ちょっ と前ならあの「無敵鋼人ダイターン3」 のレイカ ま、アニメファンならこ の井上瑤という人は、こんな役をこな す〝声優さん〟と見ていると思う。と ころが なんと!! ラジオ、TVへ の出演だけでなく、シナリオや構成も やっちゃうというんだから、記者なら ずとも“瑤さんって、何者なんだ?4 と考えこんでしまうわけ。で、その正 本をさぐりに、井上家にオジャマ虫と あいなりまして、開口一番…… 「さんの本職って何ですか?」
周囲の人がいい人ばかりでー
「さあ、何なんでしょう(笑)。 要する にタレント・・・・・・です。 芸能界っていう 広いジャンルの中から、いくつかやっ ているわけで……」。 どれくらいやっているかというと、 ご存知「イデオン」と「ゴーディアン」 の2本のアニメにレギュラー出演、さ らにNHKの人形劇「ぺぺとミミ」 FM東海などで放送されている「ラジ オ・パーティ」の色っぽ~いインタビ ュアーなどが〝出演者”としてのお仕。 「この『ラジオ・パーティ』なんか、 放送禁止用語なんか喋っちゃう役なの (笑)。1回言っちゃうと、あとは平気 なものね(笑)。 (東海地方のファン のみなさん、FM放 送を聞く機会があっ たら、ぜひ一度、シ エリルさんとくらべ てみてください。 記 注) その他には、クイ ズ番組のスタッフ” としての仕事も多い とか。 「クイズには縁があるみたいですね。 『クイズダービー』とか『相性診断 ピッタンコ』とかの出題、構成のスタ ッフに入っています。あ、あと『クイ ズ世界に挑戦』では、スタッフで入 って、あとで声の出演にまわしてもら いました」。 この他にも、CMのコ ピーを書いたり、ラジオ のシナリオなども書く。 うーん、こりゃ確かに”タ レント” (才能)だ。「た またま、私の周囲にいた 人たちが、すごくいい人 でしてね。財産といえば 人だけ でも、最大の 財産よね。 この世界に入ったのも、 たまたま芝居をやってい る時、友だちがつれてき TVのディレクターが、 誘ってくれたからとか・・・。 「次の日にはスタジオに 行って、その翌日には、 もうTVに出てたのね(笑)。 前の日まで、銀座でバー のホステスのアルバイト をしてたのが、いきなり TVに出てるわけね(笑)。 そういうムチャクチ ャが許された時代だ ったし、こっちも別 にスターになる気な んてないから、こわ くもなんともなかっ たんでしょうね。」 その後は、瑤さん 言うところの”周囲 の人たち”のおかげ で、番組が終われば即、次の仕事が紹 介されるといった具合。でも、瑤さん 自身の人柄だって、ずいぶんプラスに なったと思う。こうして話している瑤 さんを見ていると、本当に取材も忘れ て(編集長、ゴメン!)楽しくなって くるんだよね。
弟のために仇討ちに出陣――!!
そこで気になるのは、瑤さんの子ど も時代。どんな女の子だったんだろう。 「さあー 生まれ 当時のことは、 記憶にありません で(笑)。誕生日 は12月4日、射手 座の血液型AB型 という、キチガイ の典型でございま す(笑)。」 生まれは東京、 一応は江戸っ子。 「小さい頃は本の好きな子でして、今 も本棚に、世界少年少女文学全集が50 巻入っていますけど、あれで育ったん でしょうね。これは、おとうちゃんと おかあちゃんが買ってくれた、大好き な本でありまして……。 小学校2~3年の頃の瑤さんは、本 を与えておけばおとなしい子だったと か。ところが- じゃないのだ!! 「弟が2人いるんですが彼らが められると、必ず仇討ち蛹 その仇討ちたるやすさま 本人の証言によると……. 「私は、いじめっ子の親のと なりこんじゃうのね(笑)。まあ、 うもあせったでしょうね。 こー 学生の女の子が『あんたんちは、 いう育て方をしてるの?!?!』 けだから(笑)。」 そりゃ、あせるわ。(記者だって!!) でも、それだけ瑤さんにとって、弟が かわいかったということだ。結局、優 しさの表れなんだ、と思う。(多少、 すご~いとも思うけど・・・・・・) そして、 この優しくて、おとなしくて、勇まし い女の子は、きっとそのまま大人にな っちゃったのじゃないかとも思うのだ。 「人の不正って許せなかったのね。 先 生だってヒイキとか何とか、色々と不 正があるわけ。そういうことに対して は、真向から抗議しまして……。 中学の時には、校長室にどなりこん だこともあったとか。よほどどなりこ むのが好きなのかなァ…瑤さん!!! 不正の他に嫌いなものは、ガリベン。 それでいて、中学生の時は、瑤さん自 身、すごく成績がよかったのだ。 「私は、絶対にお勉強しない子だった のね。だいたい中学校くらいまでなん て、勉強しなくったってできるのよ、 誰でも。もっとも、人がお勉強をはじ めると、ズーッとできない子になっち ゃうわけね(笑)。」 きっとさんという人、型にはまっ たりできない人なのだ。 「上からおしつけられるのって、本当 にイヤですね。だから、ケンカッ早い のね(笑)。 最近は、そうでもないけど、 本質はかわらないから、今でも何かの ヒョーシにやりかねないわね。良くい えば〝思い切りがいい”んだけど、考 えないで行動しちゃうから。 今までは、 やっちゃっても、結果的に悪かったこ とってなかったから助かったけど…… いつか何か……ヤバイことをやる可能 性があるわねぇ(笑)。」 と、明るく笑っている瑤さんを見て いると、ヤバイ(!)ことをやっても 許せちゃうような・・・・・・そんな気がする。 ひょっとすると、瑤さんのまわりに、 いい人がいたというのも、こんな瑤さ んの魅力ではないのだろうか。
アルバイトも様々なのです
ところで、井上瑤という人、知る人 ぞ知る数多くのアルバイトをやってき た人。役者さんの中では、アルバイト もめずらしくないけど、瑤さんはまた 多くの職種にわたるんだよね。 「エ~と、最初は、工員さん バシっていう足ぶみプレスで、トラン ジスタの部品を作ってたのね。あとは 喫茶店もやったし、スーパーマー ケットとか、アンケートをとっ て歩くとか、原稿の清書、翻訳、 ピアノの先生…………。 なんて書くと、ものすごく苦 労したように聞こえるし、また現に大 変だったのだろうけど、話してるさ んは、淡々としているのね。 「変わったところでは、広島のストリ ップ劇場に出てたの。 な、なに!? 編集長の好きな、あ の……!! (記者は品行方正です!) 「別に私が踊ったわけではないんです けどね。ストリップの前座で、お芝居 してたの。そこでも、すごくいい人に 出会えたの。ストリッパーのお姉さん だったけど、今でも忘れられない人ね。 その後、さんは銀座でホス テスなどをやった後、 TV――つま り芸能界 といわれると ころに足をふみ 入れる。 「楽だったのね。今 までやってた仕事にくらべたら……。 で、今でもそう思ってるの。もっとも、 それというのも、非常に恵まれたって いうことがあったのでしょうね。色々 な人たちに、ずっと守られてきたし、 そんなこんなで10年もフリーでやって こられたと思ってます。 最初、瑤さんはいわゆる顔出し つまり、自分自身が画面に登場するタ レントさんだった。 「この声の仕事に入ったというのも、 周囲の人が助けてくれたからです。 こ の世界は、バイトじゃできないし、息 長く食べていこうと思ったら、声の仕 事がいいと思ったのね。その時、俳協 でマネージャーしていた方が、オーデ ィションテープを持って行く先のリ ストをくださいましてね。で、全々知 らないところばかりだったけど、持っ ていったら、すぐに仕事がきちゃった (笑)。もう、こわくて……(笑)。」 何がこわいかというと、忙しくな りすぎることだそうだ。 「コーヒーなんか、自分で培っていれ るのが好きなのね。でも、それもでき なくなるほど忙がしくなるってのは、 すごくこわいわけ。お金は入ってきて も、生活的には貧しくなっちゃうで しょう。 なるほど。よくわかる んだよね。 だって、今記者の前には、 さんのいれてくれたコーヒーがおい てあって、なんとも楽しい取材なのね。 アハハ……!!
全身が見える?声の仕事
アニメの初仕事は? 「最初は『タイムボカン』の最終回、 に、ゲストで出たの。その後は『くま の子ジャッキー」が初レギュラーね。 そしてあの「無敵鋼人ダイターン3」 のレイカだ。 「あのアニメは、すごく好き。今週は 何かなって、やってて楽しみだった もの。ダイターン、カムバック!!!ね。 もっともさん、最初はビューティ 一役のオーディションを受けたのだが その場でレイカに変更されたとか。そ して、「機動戦士ガンダム」だ。 「ガンダムって、ほら、生活感という か、今まで描かれていないお風呂とか、 食事とかのシーンがあったでしょう。 あのリアリティがよかったのよね。 期せずして、今月号のガンダム特集 と同じご意見とは、さすが瑤さん! ところで、今の「イデオン」は? 「最初、シェリルって人、すっごく苦 手だったの。だってあの人、お勉強で きそうでしょ(笑)。でも、カララとひ っぱたきあったりした頃から、彼女も 少しずつ変わっているのね。人の手っ て、体温とか、色々伝えてくれるもの。 なるほど。たしかに人と人が出会え ば、言葉を交すより握手した方が早い よね。そんな“ぬくもり”を大切にす る人だから、声の仕事もこう分析する。 「声だけだからなんて、安易に考えち ゃだめですよ。その声から、頭のてっ ぺんから、足のつまさきまで、ぜーん ぶ見えちゃうんだって自覚しなくては。 つまり、声だけだからって、安心で きないよってことだ。 「表現するって、その人のすべてをひ っくるめたものを出すわけでしょう。 だから、生活や育ちまで出てしまって も、不思議はないと思うのね。 そして、瑤さんは、またこうも言う。 「仕事って、自分で作るものじゃない かしら。何がやりたい、こうしたいと 思っていることが大切なのよね。 仕事 をくださいって言うより、自分の姿勢 をしっかりさせることが本当だと思う。 声優、ライター、さらにはCMソン グの歌手までつとめる瑤さん。もしか すると、とてつもなく大きな夢にむか って、歩いているのかもしれない。窓 から入る陽の光の中で、 「さあ、どうでし ょうか。というふ うに、彼女は笑う だけなのだけれど。
1982
October
Comment [for “Urusei Yatsura”, Animage]:
この役はひとりで何役もやっ ているようで、とても体力がい るんです。私はかわい子ぶりっ 子のランが苦手なんですよね。
