Yasuo Yamaguchi

1979

March

Comment [for “Hana no Ko Lunlun”, Animage]: いま人々が求めているもの。それは自然と一体になって暮らす安らぎ”とその安らぎゆえに追いつづける”ロマンの香り”ではないでしょうか。そして、この傾向は特に少女たちに強いように思えます。”花の子ルンルン”は、少女たちが求めているこの夢をテーマに作られた作品です。主人公・ルンルンが幸せの象徴である”七色の花”を捜しつづける旅そのものが、自然への回帰です。そして、ルンルンが旅の途中、出会う事件の中に、マジカルな色を帯びたロマンを描きます。アニメだからこそ表現できるこのロマンの世界には特に力を入れました。美しい色調や絵柄にどう注目してください。

August

Comment [for “Hana no Ko Lunlun”, Animage]: [”悪”とともに高貴さ”をかんじさせる。これがトゲニシアの最大の魅力です。そしてこの悪の華”的魅力はやはり姫野さんのキャラデザインの力量のすごさだと思います。

Monthly Comments & Q&A’s

Animage (for “Hana no ko Lunlun”, 1979-1980)
  • October ’79: [この作品は「キャンディキャンディ」という大型番組のあとで知名度もとぼしかったために、はじめは視聴率があがらなくて苦労しました。でも、いまは、かなり人気もでてきていますので、胸をなでおろしています。この秋に、ルンルンの衣裳などを、ややおとなっぽくしていこうと考えています。それとあわせて、24話以降から、花の鍵の機能をパワーアップし、変身した衣裳の特技などを全部身につけることができるようにするつもりです。というのは、冒険アクション的要素が、いままでやや少なく、もう少しほしいとの反省にもとづいています。]
  • January ’80: [「花の子ルンルン」は南フランスを起点に七色の花を捜して、すでにヨーロッパを中心に10ヵ国をまわった。そして、いよいよイタリアにはいる。42話「シチリアの逃亡者」(12/14放映)の舞台、シチリアはイタリア半島とアフリカ大陸の間の地中海に浮かぶ風光明媚な島。ルンルンはそこでカギ操作の名人ダリオと知り合う。いまわしい過去を持つダリオが、固くしまった扉のカギと格闘するシーンが、この話のヤマ場。婦人警官に変身したルンルンが大活躍する。43話「危険な宝もの」(12/21放映)は、孤児院の子どもたちが目の見えない一人の少女のために、力を合わせて宝さがしをする物語だ。純真な子どもたちの努力の結集がどんな展望を生むかが見せ場になるだろう。44話「花粉風に舞った一枚の写真」(12/28放映) では、イタリア・トスカナ地方が舞台。 セルジュが持っていた七色の]
  • February ’80: [“もういまがアニメのピークだろと、ずいぶんまえからいわれながらも、あいかわらず、アニメブームがつづいている。しかも、それは、テレビだけにかぎらず、劇場用アニメから海外市場にまでおよびはじめている。しかし、ブームというのは「にわか景気」という意味があるそうだから、こう長くつづくと、もうブームなどと呼んで、セカセカ作る態度を改めなければならないのではないかと思う。また、アニメもけっこう深く根づいているからいずれ浮き沈みはあるとしても、ボーリングやインベーダーゲームのようなことはあるまい”という気もする。わたしにとって、79年はそういう認識をもった年だったように思う。80年代は、アニメ界にとって大きな転換の年になるとみている。アニメの製作状況がより深刻化するともに、激烈で複雑なサバイバル競争の年になるだろう。そこで、わたしがわたし自身に課す課題は「アニメ文化」の存在が社会的に認められ、定着していくということを考えると同時に、アニメそのものという狭い視野に立ちかえって、アニメというものの範囲と可能性を、もう一歩だけでも発展させえないものかどうかを探ることであると思っている。あせって背伸びするより、そのへんにじっくり腰をすえた作品を一本でもいいから作ってみたい。80年代へのわたしの願望である。]
  • March ’80: [「花の子ルンルン」は2月8日放映の50話で終了するが、ひとことでいうならこの番組は都市型の作品であったと思う。メルヘンのシンボルとして設定された七色の花をさがして、ヨーロッパ各地を旅して歩くシリーズ構成と各作品の終わりに必ずスーパーインポーズされる「花ことば」というパターンが、多くの視聴者に新鮮なイメージを与えた。まえの「キャンディキャンディ」がメロドラマチックな展開で関西・西日本で支持が強かったのに対して、ルンルンは東京で強いという傾向があったように思う。年々、失われていく自然への郷愁、そして衣食足りてしかるのちに“ゆとり”を希求する現代人の気分をさき取りしたいという気持ちが、わたしたちスタッフが共通に抱いていた認識であったように思っている。そしていま、わたしたちはささやかながらもひとつの新しいシリーズを創りえたと思っている。とはいえ「花の子ルンルン」も好評のうちに最終回をむかえた。いまは、ただルンルンを支持してくださったファンのみなさんに感謝するのみ。次回、ルンルンにかわって登場する「魔法少女ララベル」も、おおいに期待してほしい。]

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