Yakyū-kyō no Uta

1978

August

Animage [pg.35]

Interviews:

Tadami Watanabe:

Q: 制作にあたって。
A: 舞台は野球になってますが、野球のおもしろさというよりは、野球にとりつかれた男を通して起こってくる人間模様のドラマに興味を持ち、ぜひやりたいと思いました。原作を十分生かしたいですね。

Q: 苦労話をひとつ。
A: 8時台のアニメ60分番組は、今度初めてなので大変気を使います。幼児に対象をおいたものより、絵もストーリーも、ずっとしっかりしたものを作らなければならないので…。

November

Animage [pg. 32-35]

1979

January

Animage [pg. 19-21]

Interviews:

Tadami Watanabe:

AM: なぜ、8時から9時という時間帯にアニメが登場してきたのでしょう?
Watanabe: 「ぼくは〝ドカベン”の担当でもあるので、実感としてわかることですが、7時から8時の時間帯では、もう10歳以下の子どもたちの中でアニメは、完全に生活サイクルに組み込まれています。これはアニメの量が7時台では飽和状態だともいえますね。それで、現在増加している10歳以上の中高生のアニメファンが視聴者対象として浮かんできます。その人たちが本当に楽しめるストーリー性の高いアニメ番組を作ろうと思ったわけです。視聴年齢が上れば、当然放映時間も遅くなるし、時間も長くなりますよね」

AM: 内容が「野球狂の詩」に決定した理由は?
Watanabe: 「ぼくが水島さんの野球漫画にほれきっていたことが1つの大きな要因です。水島漫画は、非常に明るい。それでいて最後にホロリとさせる。生のおもしろさがありますね。で『野球狂の詩』か『アブさん』をやりたいと思いました。でも8時台というホームドラマや刑事物が多い中では、集団ドラマでなにが起こるかわからない楽しさのある『野球狂の詩』のほうがよいと思いました」

AM: 11月6日に週1回1時間で放映されるまで、かなり変則的な放映でしたが?
Watanabe: 「初の8時台1時間アニメということで、テレビ局も私どもも試行錯誤だったのです。去年の12月23日のパイロット的な時間放映の視聴率がよかったので、次は月1回にしました。そして、やっと週1回の放映にたどりついたんです」

AM: 原作では〝勇気シリーズ”よりも”メッツ誕生物語”のほうが先ですが?
Watanabe: 「ぼく自身としては『北の狼南の虎』を第1回放映にしようと思っていました。でも、番組をロングランでつづけていくための『華やかさ』『話題性』といった判断から『勇気シリーズ』をさきにしました」

AM: 今後、ティーンを対象にし、8時台以後の時間帯で、ぜひ制作したいと思っていらっしゃるアニメは?
Watanabe: 「宮沢賢治の世界をアニメ化してみたいですね。でも、一番のポイントは制作側の『これを作ろう』という熱気と、それにぶつかっていく気持ちだと思います。今回の『野球狂の詩』はそれが、全スタッフから感じられますから、うれしいですね」

Comments:

  • Kôji Bessho: 現在アニメは数が多すぎて質が低下しています。それで、アニメの質を向上させるために視聴年齢が高くストーリー性をより強く要求される8時台に1時間もののアニメを制作してみたいと思ったのです。
  • Shinji Mizushima: この作品は最初は50ページ読み切りの形でスタートしました。50ページというのは、一時間のアニメ番組にするとピッタリの長さなんですよ。それに8時台の放映は視聴者に大人の方が多いですよね。漫画も大人の方にも楽しんでいただけるものを描いてきたつもりなんです。そして、ぜひ感じとっていただきたいのは、ぼくの漫画を初の一時間アニメにしようとしてくれたスタッフの方々の心意気です。ぜひ、ごらんになって下さい。

October

Animage [pg. 27-29]

Comments:

  • Kazuyuki Sogabe: もし、火浦健が現実に生きていたら、つきあいにくい人間だろうなあ。父親がヤクザでしょ、たぶん、そのせいで学校でも孤独だっただろうね。青春をそんなふうにすごして、火浦は野球をとおしてしか、はつらつとした少年らしさをすなおに表にだせなかったんですね。野球をやることによってしか、自分の愛情を表現できなかったんじゃないかな。火浦は、クールで孤高な一面ものぞかせるけど、本当はテレ屋でさみしがりの少年っぽさを残した男なんです。親の愛情に飢えている……だから激情にかられて動揺する。そんな火浦が、ぼくにはたまらない魅力です。ぼくも母ひとり子ひとりで育ったけれど、そんな火浦のつっぱった生きかたはわかるような気がしますね。
  • Ichirou Mizuki: じつは、ぼくは双子の父親でしてそんなわけか、原作を読んだときから「北の狼南の虎」は好きでした。レコーディングにも思い出があるんですよ。その日、夜中の12時から明け方の4時までかかって、こんな長いレコーディングってふつうはないんです。最初は、ロボット・アニメ的に声量をぶつけるような歌いかたでやってたのを、おさえた歌いかたで録り直して、結局それがレコードになりました。2コーラスの王島から火浦にむけて歌う“傷ついたその胸の、粉雪をはらってほしい”という歌詞が好きです。北海道のステージでは、この歌がウケますね。火浦健にはやはり雪がにあうのかなあ。
  • Tadami Watanabe: この作品は、じつをいうとTV放映の段階から、映画化することを考えていたんです。もともと「野球狂の詩」シリーズのなかでもキャラクターの魅力、ストーリー性が完成された原作だと思ってましたからね。それで製作のプロセスも、まず原作から絵コンテをおこし、シナリオ製作、原画作製というふつうとはちがう形をとりました。劇場用の35m/mプリントも用意しておいたので、6月からの製作もスムーズに進行中。こんどはTV版よりも、もっと火浦健にウエイトをおいて、アフレコを録り直しました。なお、王島の声は森功至さん、また、スポーツ・アナの渡辺謙太郎氏を声の出演に起用して臨場感をねらってみました。

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