Torao Arai

1981

November

Interview [for Space Warrior Baldios, Animedia]:

映画『バルディオス』で注目するべき 点として、美術がそのひとつにあげられ るだろう。映画用として、新 たに30種を越える美術ボード が描かれている。その精密に 計算された舞台は、『バルデ ィオス』の世界をテレビシリ ーズとは、また違った角度か らひろげようとしているようだ。新井美 術監督に映画では、何を目指しているか を聞いてみた。

AN. 美術としては、現在どの段階まで 進行しているのですか?

Arai. 美術ボードが終わりましたので、 タタキ台ができあがったというところで すね。直接取りかかれる部分は、実作業 を進めています。とにかく、テレビでし り切れトンボになってしまった部分もあ りますので……。

AN. 美術ボードを描かれたのは、どの ようなところですか?

Arai. 具体的には、まず、ファースト シーンのS-1星が大気汚染されている ところですね。あと は、アルデバロンの 亜空間要塞アルゴル っていうのがあるん ですが、この内部の 機械というかメカを 見せようということで、内部を何枚か描 きました。まぁ、足していくところは、 全体の中のいろんな部分に埋め込まれて いくはずです。

AN. 美術では、映画のどのあたりを注 目してほしいですか?

Arai. やはり、後半ですね。とくに放 映されなかった分は、かなり期待しても らってもいいと思いますよ。ただ、まだ完 全なものっていうのはできていません。 監督と最後まで詰めてませんから。

AN. テレビシリーズも美術監督を担当 していらっしゃいますが、映画ではどの ように変えているのですか?

Arai. 舞台は同じ世界ですから、そう 変わったりはしませんが、テレビシリー ズより気をつかっていますね。なにしろ 一本限りですし、やり方も違ってくるの は当然です。 舞台効果もいままでとは違 っていると、見て感じてもらえればうれ しいですね。たとえば、太陽、地球、月、 という変わらないものの組み合わせでも、 どこか違う。あるいは、同じメカなんだ けれど、どこか違うというような印象を 受けとってもらえれば成功だと思います。 とにかく、テ レビを見てい た人が見ても “新鮮さ”を感 じてほしい。 今回、描き足 したところは、 重いものにな ているとい う自信はあり ますからね。

Welcome to Anime Magazine Archive! We aim to be the ultimate resource for anime magazines, offering page-by-page breakdowns, with a focus on the 1970s-1980s.

RECENTLY UPDATED