The Anime #16 (March 1981)

pg. 20-25: Space Runaway Ideon

pg. 32-36: Tomorrow’s Joe 2

pg. 37-39: Jarinko Chie

pg. 41-47: Space Warrior Baldios

pg. 48-49: Dr. Slump Arale-chan

pg. 50-51: Hello! Sandybell

新鮮な魅力あふれるキャラクター
「魔法少女ララベル」の後を受けるファンシー路線の新シリーズとして「ハロー! サンディベル」が登場します。物語の面白さもさることながら、この作品の第一の特徴は、“サンディベル”というハツラツとした新鮮なキャラクターを生み出したことにあるでしょう。これまでの少女漫画の殻を打ち破った全く新しい、魅力あふれるキャラクター──それが今回の製作スタッフの最大の狙いだったのですが、キャラ設定から声優決定までかなり難行したもようで、検討に検討を重ねた末、ようやく誕生したのが、このユニークな女の子、サンディベルなのです。男の子顔まけのウーマンパワーみたいな元気のよさが彼女の売りもので、既成の少女キャラのワクを一歩も二歩も飛び越えた、自由奔放なバイタリティーにあふれています。といっても、女の子らしい優しさもあり、ときにはセンチな気分にひたっちゃうこともあるのですが……。そんなサンディベルが、持ち前の快活さとチャメッ気で、身にふりかかるつらい状況や悲しみを乗り越えて行きます。

キャラクター・デザインを担当した桜井誠さんは挿絵の名匠で、少年少女向けの香り高い名作の挿絵を手がけている人です。サンディベルは、ハーフのような女の子というイメージで描かれたそうですが、これもなかなか決まらず、作画監督の柳瀬譲二さんとの間で何度も練り直し、描き直しが重ねられたそうです。サンディベルの声を演じる山本百合子さんは、歌手、俳優として売り出し中ですが、アテレコは全く初めて。新人の起用というのはかなりの冒険ではありますが、新しいキャラクターに相応したフレッシュな魅力の声に賭けてみようということでスタッフ一同の意見が一致。山本さんの爽やかなニューボイスに期待が集まっています。
ものがたり
スコットランドの森と湖に囲まれた小さな町。学校の先生をしているお父さんと二人暮らしのサンディベルは、町の子供たちの大将格。彼女の行くところには明るい笑いがはじけます。ある日、湖の古城にやって来た素敵な伯爵夫人と仲良しになったサンディベルは、夫人の息子マークにほのかな憧れをいだくのですが……やがて過酷な運命が彼女を待っていたのです。
下町の風情あふれる背景を見せてくれた美術監督の伊藤英治さんが、今回はロマンチックな憧れに満ちたヨーロッパの美しい街に挑戦するのも、大いに楽しみなところです。
このファンシー路線のテーマソングは、といったら、ミッチしか考えられないでしょう? 今回も期待通り、ミッチが主題歌を歌ってくれます。作詞に新進気鋭の三浦徳子さん、作曲はベテラン渡辺岳夫氏。詩、曲、歌と三拍子揃って抜群の出来になりました。テーマの「ハローサンディベル」エンディングの「白い水仙」と合わせて、日本コロムビアから3月1日に発売の予定。
「サイボーグ009・超銀河伝説」では挿入歌「愛はまぼろし」を歌い好評を博した山本百合子さんがサンディベル役の声をあてることになりました。彼女は現在、俳優、DJなど多方面に活躍中。


Comments:

Yasuo Yamaguchi:
ファンシー路線は「キャンディ・キャンディ」のあと、「花の子ルンルン」「魔法少女ララベル」と、いわゆる魔法ものが続きましたが、今回は普通の人間の女の子の物語に戻りました。キャンディやルンルン、ララベルも、もちろんステキな女の子たちでしたが、このサンディベルというキャラクターは、より個性が強く、ユニークな面白さ、楽しさが前面に出て来ているんですね。特に企画段階から、これまでの少女向けの漫画に見られるような主人公とは全く違うキャラクターを作ることに重点が置かれ、スタッフが練りに練って作り上げた個性が、サンディベルとなって生まれたわけです。時代の流れと一緒に女の子の指向も年々変わっており、現代の女の子は能力的にも社会的にも男の子以上に活躍しています。従って、魔法などを使って大人に対抗するのも憧れがあって楽しいもので、それがルンルンやララベルの人気につながっていましたが、これからの女の子は、もう少し違ってくるんじゃないかって気がしています。何も頼るものがなくても、自分自身の力で運命を切り開いて行くみたいなところに、魅力を覚えるんじゃないでしょうか。このサンディベルが、まさにそういうバイタリティに満ちあふれた女の子なんですね。1話完結ではなく連続形式で展開する大河ドラマですが、ストーリーはオリジナルなものです。ストーリー構成は、原作者である神保史郎さんと私達スタッフがいろいろと相談して作りあげました。とは言っても、最後まで、きちんとできあがっている訳ではないのです。ですから、皆さんの反響も取り入れて行けると思います。波乱万丈の運命を辿るサンディベルが、悲しみを幸福へと結びつけて行くところがテーマになっていますが、彼女の明るい笑顔同様、夢のある楽しい作品にしたいと思っています。

pg. 53: Mary Poppins

pg. 54-55: Swan Lake

チャイコフスキーの名曲が全篇に流れる名作音楽アニメ「白鳥の湖」のアフレコが、去る12月17日(水)、18日の2日間に渡り、東京・新宿の録音スタジオ “タバック”で行なわれました。劇場用作品ならではの豪華なキャスティングも話題です。ヒロインのオデット姫を演じる竹下景子さんは、ヘア・スタイルを変えたそうで、チリチリにパーマのかかった髪で、スタジオに登場。ちょっぴり大人っぽさが増した感じ。アニメの出演は昨年の大作「火の鳥2772」で火の鳥の声をやって以来、2回目の経験になります。「アフレコって難しいけど、アニメが大好きなので、もう嬉しくって、夢中でやってる感じ。今回は“火の鳥”と違って絵に表情があるので、感情の表現をどう出すかが問題ね」この作品の見どころを語ってもらうと、「王子とお姫様を取り巻くキャラクターがとっても面白いんですよ。絵を見ただけで胸がワクワクしちゃう」アニメの声を演じるのを、無邪気に楽しんでいるようなヒロインでした。そのオデット姫を愛の力で救うのが、ジーグフリード王子。いい男を演じるなら断然この人、志垣太郎さん。「ベルばら」のアンドレ、「地球へ・・・」のソルジャー・ブルーなど、うらやましいぐらいに2枚目オンリーなんですよ。

魔法使いロートバルドは、バレエでは一番上手な人が踊る有名な役ですが、こちらも大ベテラン小池朝雄さん。そう、コロンボ刑事の声のヒト。アニメのロートバルドは、バレエの悪魔的なイメージとはかなり違い、オデット姫に本気でホレちゃってるところがいじらしいぐらい。小池さんの声には、ヒューマンな人間味があるんですね。その娘のオディールっていうのが、すっごい美女だけど、オデット姫に化けて王子をだますワル〜イ女。その声が意外や意外の麻上洋子さん。「森雪調とは全く違った面を出せる絶好の機会」と本人は結構楽しみにしていたようです。リスのカップルは狂言回し的な楽しい役どころ。松金よね子さんは舞台やテレビの仕事も多く、コミカルな味に定評のあるユニークな役者さんです。白石冬美さんは、長編映画の出演はめずらしいとか・・・・・・これ、ウソのようなホントの話。でも、お正月映画の「009」に続いて、この作品、さらに映画「ガンダム」とめじろおしで、今年はチャコちゃんにとって、最良の年になりそうです。

愛読者30組(90名)を特別試写会に御招待!!
東映動画が創立25週年を記念して春休みに送る劇場用アニメ映画「白鳥の湖」が、公開間近になりました。ジ・アニメでは公開を前に、「白鳥の湖」試写会に愛読者の皆さん30組(90名)を御招待いたします。御家族そろって、友達と誘い合わせて、恋人同志で、どしどしお申し込み下さい。時 2月22日(土) 午後12時30分 場所/東京・有楽町よみうりホール
●応募方法/希望の方はハガキに、住所、氏名、年齢、希望人数を明記の上、〒116 東京都港区西新橋2の7の4第20森ビル 近代映画社 ジ・アニメ編集部「白鳥の湖」試写会係までお寄せ下さい。(ハガキ1枚につき3名様まで御招待します)詳しい御案内は折返しハガキでご通知します。30組になり次第〆切りますので、お早目めに。遠くの方には負担をおかけしますので、東京近郊の方に限らせていただきます。


Comments:

Keiko Takeshita:
お姫様っていうのは、やっぱり憧れがありますし、その役をやれるのはすごく気分がいいものですね。声のトーンを変えるような器用なマネは出来ないんですが、役の気持ちになりきって、それが素直に声に出てくるように心がけています。それに、お姫様の言葉ってキレイなんですね。そういう言葉の流れをそこなわないようにすることを、気をつけています。

Taro Shigaki:
アニメの声を演じるっていうのは、案外、実写より自分のパーソナリテを出せると思うんですよ。王子というのは、ひとつの憧れの対象になる役ですからね、悪に対しては雄々しく立ち向かい、自分の愛をつらぬこうとするヒーローのイメージを作りたいと思います。部分的な面白さよりは、作品全体を通しての感動が、子供達の心に残ればいいですね。

Asao Koike:
絵柄はワルなんだけど、ちょっとコミカルで、僕の声にはピッタリ。魔法使いではあるけれど、人間的なおかしさがもっとも出ているキャラなので、一番いい役なんじゃないかな。だから、作った声ではなく、なるべく人間らしい感情のこもった声で演じるつもりです。

Yōko Asagami:
ロートバルドの娘の役です。矢吹公郎監督の作品をやるのは3本目なんですが、それにしても今回はすごい悪女の役がきたものですねえ。きっと「イデオン」のハルルの影響があるんじゃないかしらね。(笑)どう演じたらいいか不安もいっぱいってところですけど、キャラはとっても美人なので、いい感じ。せいっぱい悪女になりますよ。

Yoneko Matsukane:
私はけっこう動物キャラが多いんですよ。芝居のほうでもマンガ的なタイプの役柄が多いので、こういうチョコマカ動き回るキャラはやり易いし、私にピッタリ合ってます。マルガリータの白石さんとの掛け合いなので、足を引っ張らないように頑張ったつもり。主役が2枚目ですから、私達リスは、楽しく陽気にやっています。でも、ハンスとマルガリータのようなカップルって、人間にも多いんじゃないかしら。

Fuyumi Shiraishi:
動物の役はいろいろやっていますが、リスは初めて。マルガリータって崇拝者を引き連れていたりして、ちょっとリスのウーマン・リブみたい。でも、絵がとっても可愛くて、芝居も面白いし、なかなかいい役どころですね。コミカルな感じで、のびのびと演じられます。こういう格調のある名作には、意外に(笑)縁がなかったんですよ。だから、とっても嬉しいわ。

pg. 56-57: Ohayou! Spank

森村愛子、元気ハツラツ少女。中学2年生。パリにいる母は帽子デザイナー。父は10年前ヨットで海にこぎだしたっきり帰ってこなかったけど、愛犬パピといっしょにちょっぴり足長おじさんに似た藤波のおじさんに預けられて、今、愛子はごきげん。「レッツのゴー」と明日にむかって駆け出します。ところが、突然パピに襲いかかった交通事故! あんなに明るかった愛子の目からはとめどなく涙が。と、そこへ現われたへんてこなイヌ、スパンク。カップ大関がだい好き、電車に無賃乗車はするし、とにかく大メシぐらいの朝寝坊、おまけにJASマークつきの大ドジときてる。かっこええとこなしのスパンクですが、ハートはイヌ一倍(?)あったか。ふさぎこんだ愛子をなぐさめようと一生けんめいがんばるのです。スパンクって英語でペチャンていう音のこと。(ハイ、ジ・アニメの読者はまたひとつおりこうになりましたね)スパンクはその音みたいなイヌ。どっか身近にいそうでいなそうな、そんな奴です。はじめのうちはパピの思い出に閉じこもってスパンクを避けがちだった愛子も、やがてスパンクのあつかましさの底にキラリ光る真心にきづき、その国宝級のドジさに思わずコケ、したたかなギャグ犬ぶりにあ然とし、そして気がついた時には、スパンクは、しっかり愛子の心をつかんでいたのです。そうです! こんなにすてきなドジ犬を最後まできらえる人はニンゲンじゃない! スパンクはマントをわすれたスーパーマン。傷つきやすいけど、おなか一杯たべるとニヒャッと忘れてしまう。愛子のおかしなおかしな友だちなんです。さて、念願かなって愛子の家に住みついたスパンク。徐々に本性を発揮し、ついに愛子の学校にまでニヒャヒャ登場。もちまえの好奇心をま—

るだしにして、あらゆるものに鼻をつっこみます。愛子の新しいクラスメート、科子や亮、富家の息子でヨットマンの池上玲、担任の先生や、はては用務員のおじさんまでまきこんで大活躍。あるときは二年B組の特待生、又あるときは恋のキューピット。そしてみんながアタフタしているすきに、ちゃっかりネコと仲良くなってたりして。スパンクの明るさはついにクラスに伝染。そしてみんな知らず知らずのうちにスパンクや愛子と一緒に大人になるってことをおぼえていくのです。少しづつ。

1月25日、東京のビクタスタジオでスパンクのレコーディングが行われました。
この日はオープニングと挿入歌を歌う井上望さんと、スパンクのテーマを歌う、スパンク役のつかせのり子さんが吹き込みの予定でしたが望ちゃんは何と風疹で入院中でした。つかせさんに、スパンク役についてお聞きしました。スパンク、って、人間の言葉はしゃべれないんですよ。「私もね、聞いたらセリフがないんだよ、って言うから、もうどうしようかと思って。でも私、アドリブってにが手じゃないんですよね。スタッフの方も、“ノコ(つかせさんの愛称)の雰囲気でいいんだよ”って言って下さったから……だけど、不安ですね。きのうもスタッフがおどかすんですよ。あんまり言われると始まってから悩むからヤメテッ!って言ったんですけど。悩んじゃう方ですか?「ホントはそんなことないですね。ワハハッ。とにかく他のみなさんに助けていただきながら、絵のオカシさに負けないようにがんばりたいと思います!」とのこと。後で演出の吉田しげつぐさんがこっそり教えてくれました。「スパンクをつかせさんに、って言ったのはボクなんです。前に『二十四の瞳』やった時、彼女、男の子の役だったんですけど、セリフがなくてピョンピョン飛び上ってるところに、つかせさんがアドリブで『先生~!わし、ここじゃあ!』と叫んだんです。それがとっても良くて印象に残っていましてね。スパンクは彼女しかいないと思ったんです」とっても期待できそうですヨ。

作曲の馬飼野さんは、「『ダ行のスパンク』はつかせさんの持ち味を生かしたコミカルな感じ。“おはよう! スパンク”と“愛子のテーマ”は望ちゃんの世界がアニメの世界とうまく重なるように、と思って作りました。」とのこと。望ちゃんにもちょっと電話でインタビューしました。「スパンク?知ってました。かわいいなアと思っていたんですよね。テーマ曲は思いきり楽しく明るく、挿入歌は愛子の気持ちになって優しく唄いあげたいと思っています。」とのことでした。


Comments:

Takao Kōzai:
「巨人の星」や「ムーの白鯨」のようなアニメを作ってきたぼくとしては「おはよう! スパンク」はサリーちゃんもの以来の少女マンガ・タッチの作品です。ポーズひとつ、背景の模様ひとつとっても女の子の感覚がぜったい必要なのでスタッフ全員女のコにしてくれと頼んでみたり苦労してますよ。異和感のない楽しくてギャグっぽい画面がだせたらいいですね。画面的に理屈ぬきのおもしろさがあふれてるのはスパンク。スパンクは平面的で、だいたい正面をむいて出てくるんです。それに、座っても立っても同じ二頭身。きちょうめんな作画より動きを第一にしてるからです。とにかく愛子ちゃんもスパンクもかわいさめいっぱいに表現したい。ビビらずのびのび作画して楽しい作品になると思いますよ、きっと。

pg. 58-59: Queen Millennia

pg. 60-61: Golden Warrior Gold Lightan

pg. 62-63: Ai no Gakko Cuore Monogatari

pg. 64-65: Wizard of Oz

pg. 66-67: Tetsujin 28

pg. 68-72: Anime StarRyūsei Nakao

pg. 73-104: Animemorial #14 – Animated Travels: Marco Polo’s Adventures

pg. 105-109: Anime Jockey

pg. 110-111: Micchi’s Lonely Tea Time

pg. 112-116: Anime Human – Kunio Okawara

pg. 121-136: Monthly TV Anime

Covered:

  • Ojamanga Yamada-kun
  • Yattodetaman
  • Muteking, The Dashing Warrior
  • Beast King GoLion
  • Golden Warrior Gold Lightan
  • The Swiss Family Robinson: Flone of the Mysterious Island
  • Tsurikichi Sanpei
  • Tomorrow’s Joe 2
  • Ikkyū-san
  • Kaibutsu-kun
  • The Wonderful Adventures of Nils
  • Ganbare Genki
  • Galaxy Express 999
  • Hoero! Bun Bun
  • Lalabel, the Magical Girl
  • Tetsujin 28-gou
  • Robot King Daioja
  • Ohayou! Spank
  • Manga Nippon Mukashibanashi
  • Space Battleship Yamato III
  • Manga Hajimete Monogatari
  • Doraemon
  • Manga Kotowaja Jiten

pg. 138-141: Information Pack

pg. 142-143: Record Radar

pg. 144-147: Pick-Up Anime

pg. 148-149: Off-Theater Movie Guide

pg. 150-152: Introduction to Voice Acting

「なる族」だけが栄冠を得る!

芸能界に憧れるほとんどの人間は 「なれたら族」だといわれている。 「あわよくば、なれたらなりたい・・・ ・・・」という人種である。 声優志望の多くは、その「なれた 族」のようだ。声優になれるかど うかわからないが、できたらやって みたいのですが・・・・・・という消極派で ある。 あわよくば……とか、できたら・・・ …とか、そんな他力本願の、宝くじ を買うような甘い考え方では到底な れない世界だと、ハッキリ言える。 歌手の新人は年に六百人位デビュ するそうだが、声優の新人は年に 百人も出てこない。もちろんその 中から生き残っていく人間はごく僅 である。「なれたら……」なんて ボンヤリしていたらデビューはおろ か、その世界に近づくことだってで きやしない。 また、どうしても「なりたい、な りたい」と、ただ騒いでみたところ で、それが何になるのだ。どんなに 強く憧れてみても、願望を抱いてみ ても、それだけでプロになれるとい うものでもない。「なりたい族」に なってみたところで、所詮はファン という名の声優親衛隊としてウロウ するだけのこと。 「なりたい」と内側にとどまってい でも前進はあり得ないのだ。もっと 外へ向けて打って出なければ前進は あろうはずがない。何かを始めなけ れば、前へ進めるわけがないのだ。 ところが、どうしたことか声優志 望者には、このタイプが多い。頭は いいが、内向性で外向指数が乏しい というタイプだ。ファンレターはせ せと書くが、声優になるための基 礎づくりを始めようとはしない。そ れていて、一日も早く声優になりた がっているのだから、自分でも何し てるのかワケがわからないという連 中だ。 もし、ほんとうに声優を志すのな ら、今ただちに基礎づくりにとりか かるべきである。 自己をふるいたたせ、意志と行動 力を兼ねそなえた積極人間、「なる 「族」に変身しなければ、可能性は開 けてはこないのだ。 「どうしても声優になるのだ」「絶 対プロになってみせる」と、強い意 志を持ち、行動を開始しなければ、 勝利の女神は微笑んではくれない。 使い古したことばで若者好みでは ないかも知れないが、「根性」が勝 敗の鍵を握っているといえるだろう。 「なる族」になって直ちに行動を開 始する、これが声優への道の第一歩 なのだ。 声優になることを夢で終らせ てしまうか、望み通り栄冠を手にす るかは、まずスタートするかしない 決断し、行動を開始するかどう かにかっている。「なる族」とな るかならないかで、運命は大きく分 かれる。

高卒か、短大卒か、大学卒か・・・・。

「中学卒だけで声優志望なんて、 んでもない。せめて高校は卒業しな ければ・・・・・・。」 「女子の場合は、大学卒ではおそす ぎる……せめて大学在学中から始め 「なければ・・・・・・」といったようなこと を、ぼくは雑誌や、ぼくの著書の中 で書いてきた。 そのせいで、ぼくのところに 「大学在学中の女子ですが、卒業し てからでは、おそすぎますか……」 「高卒と同時に俳優養成所に入った 方がいいのですか? 親はぜひ短大 へ進めといっているので、短大へ進 むことにしましたが、それでは、も 声優になれませんか?」 等々、 相談の手紙がたちまち山をなした。 大学でも、短大でも、どこへでも 好きなところへ行ってくれ!と叫 びたくもなってくる。正直なところ、 おそいも早いも、どこで線を引くこ とができるというのだ。 俳優、声優といったような、身体 言語で表現し創造する職業人を養 成するには、頭脳肉体ともに柔軟な うちから始めるのが理想である。 まってしまってからでは手おくれだ。 一日も早く始めた方がよい。 しかし、俳優声優には、台本を読ん で理解する力が必要だ。つまりかな りな国語能力がなければならない。 あまり若すぎては、この点でムリがくる。 と考えてみると、やはりせめて高 校ぐらいは出ていなければ・・・・・・とい うことになるのだ。頭脳身体ともに 柔軟ならば、大学卒だってかまやし ない。かえってそれならその方がい いともいえる。 さあ、どっちにしようと考えてい るより、もうその日から基礎学習に はげんだ方がいいのだ。 大分県の高校を出て、神戸の短大 に進んだ女の子が、ぼくのところへ せっせと相談の手紙を寄越した。短 大を卒業してからではおそすぎるの では・・・・・・という不安が一杯、文面に 溢れていたが、ぼくは、考えて不安 がっているよりは行動することだと 返事をしておいたのをおぼえている。 その短大生、三浦雅子は、ぼくの 通信教育講座(勝田語法研究所「声 優講座」)に入って、短大に通いなが ら声優になるための基礎学習を始め、 その甲斐あってか、昨春、短大卒業 と同時に、俳協付属俳優養成所に合 格した。 本格的に俳優・声優になるための まだ9ヶ月しか たっていないというのに、なんとか 好運に恵まれ、早くも声優として デビューできるチャンスをつかんで しまった。 「タイムボカンシリーズ」第5弾の 「ヤットデタマン」に新登場の姫栗 (ひめくり) コヨミの役に、オーデ ションの結果決定したのだ。主人公、 時ワタルと同じく遠山金五郎探偵事 務所のかわいい探偵助手で15歳の少 女役。 短大を卒業して一般企業に就職す るのと、声優になるのとでは、全く 性質がちがう。本人さえ、若々しく フレッシュなら、15歳の役だってデ ビューできるのだ。 モタモタウロウロする前に、決断 し、「なる族」になって行動を開始 したからこそ、いま、新人三浦雅子 が存在するのだ。 行動を起こさなかったら、俳優の 養成所に入ることもなかったろうし、 本格的な訓練を受けることもなかっ たろう。また、オーデションに参加 できるチャンスを得られることもな かったろう。すべては無であったのだ。 人生は誰が決めてくれるものでも ない。おのれの人生は、おのれ自身 が切り拓いていくものなのである。

さて次は、朗読の練習に進もう・・・・

声優をめざす者の基礎学習は、自 宅でだってできる。アニメフィルム もアニメの台本も必要はない。せい ぜいカセットレコーダーがあれば十 分だ。(できるのはあくまでも基礎 学習) 発音、アクセント、調音、エモー ションと、基本的な訓練につい ては、順を追って述べてきた。これ らの練習には終りがない。くりかえ し、くりかえし、日々練習を重ねる ことである。一回でも多くやったさ ツが勝つ、と思ってよいだろう。 基本練習の次の段階は、文章朗読。 声を十分に伸ばし、朗々と読み上げ る。 テキストは学校の国語の教科書 で十分だ。 国語の時間で学んだところを、内 容を的確に把握して、スラスラと読 めるようになるところから始めれば よいのだ。 最近、中学、高校では、国語の時 間に朗読をほとんどやらないと聞く。 字句の解釈が中心で、朗読にまで及 ばないことが多いそうだ。内容を把 えた上で、朗々と朗読させてこそ、 国語教育の成果が上るのだ。 字句の解釈をやっているだけでは、 役所向きの人間しかつくれないので はなかろうか。 言語、身体で表現することを職業 とする声優を志す者は、自分から進 んで朗読をするようにつとめるべき である。 やってみると、こんな楽しいものはない。第一、胸を張って、朗々と 声を発するということは壮快の極み である。くりかえし、くりかえし練 習し、全くトチらず(つっかえたり 誤読したりせずに)読めたときは、 天下を取ったような気分にもなれる。 クラスの仲間が、モソモソヨタヨ タ読んでいるとき、ひとり朗々と読 みあげられる快感は、やってみた者 でなければわからない。 さて、その朗読だが、ただ声を出 して読み上げるだけではダメだ。単 に声を出して読むのは音読だ。 詩でも文章でも、その文字で記録 された作品を、声を出して読み、そ の作品の美しさを感じ、そこにこめ られている思想、感情、情景を、そ こに記された言葉を通して表現して いくのが朗読である。 つまり、画家がキャンバスに絵筆 で世界をつくりあげていくように、 朗読は、文字で描かれている世界を、 おのれの言葉で時間の世界につくり かえていくのである。オーディオの 世界を創りあげる。音楽を創るのと 同じである。

石丸博也(バオバブ) の巻 (Hiroya Ishimaru Spotlight)

待ち合わせの場所、新宿の喫茶店 に、時間ジャストに行くと、スポー ツマンのようにガッシリとした体格 の彼が、先きにきて待っていた。骨 太の体だ。茶のトレーナーがよく似 合う。その彼が、陽やけした顔をニ とほころばせ、白い歯を見せて、 笑ってぼくを迎えてくれた。 ぼくが時間にうるさい男と心得て の行動ではない。プロとしてごく自 然にふるまっているだけのことのよ うであった。(我々の世界は、きわ めて時間にうるさいのだ。時間にル ーズな人間はやがてスポイルされる。 それにしても、笑顔がかわい いな……全然ちがうことを、ぼくは その時瞬間に思ってみたりした。 …………そうか、これが石丸博也の人 気のヒミツナノカ・・・・・・これが女子高 生に、このコーナーに「石丸サンを 登場させて~~!」と手紙を書かせ たのだな……そんなことを感じさせる。 ウームなるほど。このスポー ツマンのような逞ましさは、同性と しても魅力を感ずる。男のニオイを プンプンさせている。女の子たちが 騒ぐのもムリはない。今が、まさに 働き盛り、青年期から壮年期に入る 最も男らしさを感じさせる頃あいだ。 だが、実年齢を聞いて驚いた。予 想より少々オジチャマであった。そ れにしても若い。 石丸博也、昭和16年2月12日、仙 台は青葉城の近く、広瀬川の清流の ほとりで生れた。 5歳のとき千葉に移り、そして東 京へ。東京の目黒四中から東京高校 へ、そして大学受験。機械いじりの 好きな彼は、エンジニアを目ざして 理工系をねらったのだが、これはみ ごと失敗であった。 失敗したおかげで、彼は役者修業 に入ることになった。浪人中に目に 入ったのが、劇団「ひまわり」の募 集広告。これが彼の人生を変えてし まったのだ。おふくろさんは泣いた そうだ。ワルいヤツ……。 我々の世界には、どうもこの手の 人間が多い。 アレも彼もアイツも… ・・・。ほとんどそうだ。ワルいヤツば かり……。実は、かく申すボクもそ うなのだ。 これだと思いこんだら、トコトン 喰らいついて離れない。芝居の世界 に頭を突っこんだら最期、もう何に も見えなくなってしまう。 親も兄弟もありゃしない。先きの ことも金のことも考えず、どっぷり つかって、しゃにむに進む。 気がついてみたら、いつのまにか 役者として身を立て、何とか食える ようになり、妻子を養っていた・・・・・・ なんてもんだ。 彼も我々と同様、あらゆるアルバ イトを経験している。皿あらい、キ ヤバレーボーイ。印刷工、八百やさ んにちりがみ交換、エトセトラ・.:。 30歳のとき、劇団の仲間、紀子さ んと結婚してからもこのアルバイト は続けられた。 「ひまわり」のときは、はたち代の 若者を集めて、鑑賞にたえる作品を とねばりにねばり、東京都児童演劇 コンクールでの最優秀賞にえらばれ たりもした。だが・・・・・・芝居での収入 はかぎりなくゼロに近かった。 結婚のときも、親には十分な収入 があるとウソをついて安心させた。 家具も何にもない六畳一間の貧乏ぐ らしだったが、つらいと思ったこと は、何にもなかった、思い出せない ……と彼はいう。親をダマしたこと だけが辛い思い出として残っている という。 その彼に、やがてチャンスが訪れ た。太陽プロに籍を移してからアテ みち レコの仕事がポッポッ入るようにな った。そんなある日、突然青二プロ の黒田マネージャーから連絡が入っ た。新番組の主役に石丸君を推挙し ておいたというのである。「マジン かぶと ガーZ」の兜甲児だ。だが第一回録 音の結果はボロボロだった。ディレ クターからはクソミソにいわれ、の のしられた。彼はこの役からオロさ れても止むを得ないと覚悟したそう だ。しかし運命は不思議、事実は奇 なりだ。現実はディレクターが交代 され、彼が残った。 それからは好運が続く、「グレー ト・マジンガー」 「グレンダイザー」 での兜甲児「スタージンガー」のジ ャンクーゴ、「宇宙魔人ダイケンゴ ~」のライガー、「プリンプリン」 のウィリーと続き、新たに「ダイオ ジャ」のスケ役も決まっている。 決してハデではないが、着実な歩 みを続けているといえるだろう。 「役者は40歳すぎから本領を発揮す るもんだと思いますよ。売れる売れ ないは時の運、気にしない、気にし ない……。 別れぎわに彼は、また白い歯を見 せ、真黒な顔をほころばせて笑って 見せてくれた。

pg. 153-167: My Plaza

pg. 169-171: Anime Freak Information

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