1982

June

The Anime [pg. 50]

青春の熱く燃えたぎる血潮を胸に、星飛雄馬が今再びマウンドに帰ってきた！年代を超え、語りつがれてきた白熱の名勝負の数々は、今もぼくらの心をときめかせ、感動を呼び起こすだろう。単にアニメのヒーローとしてではなく、時代が求めた真のヒーローとして、星飛雄馬の燃える闘志と不屈の根性を、この夏はしっかりと見とどけよう。「思い込んだら、試練の道を行くが、男のど根性…」あの星飛雄馬が帰ってくる！昭和41年、「少年マガジン」（講談社）に連載が始まり、昭和43年にアニメ版が初めて放送されてから、延べ12年間に渡り全国の家庭に大センセーションを巻き起こした“巨人の星”。テレビが生まれてから、やっと20数年と聞けば、その偉大さがわかろうというもの。まさに“巨人の星”こそアニメの金字塔と言うべき作品だ。 “巨人の星”一色だった昭和40年代は、まさに巨人軍の時代でもあった。連戦連勝で負けを知らない“不滅の巨人軍”も、その後しばらくは冬の季節を迎えねばならなかった。一世を風靡したヒーロー、長嶋茂雄・王貞治が去り、淋しい風が吹いていたが、今、再び巨人軍は不死鳥のようによみがえったのである。ゴールデンルーキー原辰徳の入団をきっかけに、江川、中畑など他のメンバーも活躍し、日本シリーズを制覇したのは記憶に新しい。今年8月についに公開される“巨人の星”には、このV1達成の巨人軍の新星たちも登場し、フレッシュさを盛りあげている。中でも、原貢・辰徳親子の関係は、星一徹と飛雄馬との関係がそのままオーバーラップされてくるようだ。