Shizuhiko Sengoku

1980

November

Comment [The Anime, for Jarinko Chie]:

心のひだにふれ る、コメディ・ タッチの名作に

「じゃりんこチエ」のアニメ化の企 っていうのは、もうだいぶ前から あったんです。今年の5月頃からプ ランが具体化しはじめ、7月に正式 にスタートしました。 とにかく、はるき悦巳さんの原作 が、絵もストーリィも素晴しく味の あるものでしょ? あのタッチをそ のまま生かせたら、もう大成功だと 思っています。ストーリィテラーと してもバツグンの才能のある人だと 思いますよ。まんがからそのまま絵 コンテが起こせるくらいにね。 今回、何よりもユニークなのは、 声を、東京の声優さんではなく、関 西の役者さんにアテてもらおうとい うプランがあることです。舞台が大 阪の下町ですし、あの、えも言われ ぬ情緒(笑)を出すためには、やっ ぱり関西の人のナマの関西弁が欲し いんですよね。テツなんかの迫力も だいぶちがってくるんじゃないかな。 サブキャラからチョイ役まで、関西 の一流の役者さんやコメディアンを 使い、彼らの芸を存分に発揮しても らうのが夢なんですが、さて、どう なりますか……。 作監は大塚康生・小田部羊一の両 氏。シナリオは、「サザエさん」や 「ギャートルズ」などで、ホームド ラマの暖かさの演出には定評のある 城山昇さんが書き上げました。 子供 向けなんてことを全然意識せず、人 の心のひだにしみるような、楽しい ほのぼのとした作品にしたいと、み んなはりきっています。大塚さんら スタッフは、9月25日から埼玉県の 山奥に山ごもり。今ごろは設定資料 も着々と仕上がっていることと思い ます。たくさんのおみやげを持って 彼らが降りて来るのが楽しみですね。 みなさんもどうぞご期待ください!

1981

July

Feature Article [“____”, Animage]:

「エートどういう動機で入ったん だっけ」。アニワル「おはよう!ス 「パンク」のインサイ ドレポート でもおなじ みの仙石さん、 東京ムービーに 入社してから 10年になる。 当時を思い 出そうと努力のすえ、「マンガが好 きだったからです」との答え。 入社当時、ムービーでは「巨人 の星』と『アタック11』の制作 中だった。どちらへまわされるの かと思っていたら、新番組の「ル パン三世 (旧)』へ。準備期間から 参加し、のちに新作も担当した。 だから「いままでかかわった9作 のうち、ルパンが一番印象深い というより、つきまとわれたって 「感じ」それになによりも、彼自身 ガルパンファンなのである。 入社して1年間は雑用専門。2 年めに『赤胴鈴之助』の制作進行 に昇格した。ふつうはもっとかか るのに「あのころ人が足りなかっ たからネ」と謙遜。 スタッフ全員の スケジュールを管理す る制作進行という役割、 まとめる相手が人間だ けに、気苦労は大変な もの。 「なだめたりすかしたり、ときに は怒ったりして、みんなが最大の 力を発揮できるようにしなければ ならない」という。また、気をつ かうだけではダメ、体力も必要だ。 自宅に帰ってふとんの上で眠れる のは土・日曜ぐらいしかないそう だから、忙しさはなみたいていで 見かけはか細い仙石さん が、殺人的スケジュールを乗り る健康維持のヒケツは? 「毎晩よく飲むこと です!」。もちろんア ルコール類を、であ る。日本酒・ビール・ ウイスキー、何でも 来い。知る人ぞ知る 酒豪なのだ。だが、 だてにふらふら飲み 歩いているだけでは ないのが、この人の 職業柄大変なところ。 相手はスタッフ・ス ポンサー・役者たち と仕事の関係者ばか りだとか。でもウレ シそうに話す顔を見 ると、やはり飲んべ エなことは確かなよ うす…。実はこの取 の日も朝4時まで 飲んでいたとかで、 アルコール漬けの体 で現われたのだ。 彼は、テレビより 劇場用アニメのほう がやりがいがあると いう。これまで『ま ことちゃん』と『じ やリン子チエ』の2 本を手がけたが、特 に充実感を味わった のが『チェ』。スケジ ュール調整で四苦八 苦しただけに、仕上 がったときは感激も ひとしお。不満な点 といえば、のりお・よしおや紳助 竜介ら人気漫才師を使ったため 全員そろって録音できず、別どり しなければならなかったこと。感 情表現がチグハグになったところ もあった。「そのうち、あのメンバ -で再挑戦したい」と望んでいる。 『チエ』と掛け持ちで『スパンク』 に取りかかった。こちらは役者の スケジュールではなく、画面を仕 上げるまでの過程に困難が多いそ うだ。 「『スパンク』にかぎらず、テレビ 用は時間に追われて納得できない ことが多いんです。気に入らない からやり直したい部分があ 毎週キチンと納品しなければ放映 できない。ある程度の妥協はしか たないんですよ」。このあたりに、 テレビより劇場用をやりたいとい う理由があるようだ。もちろん、 画面の大きさも大きな魅力だとい 東京ムービーでは、秋から正月 にかけて2~3本の劇場用アニメ 製作の予定があるとか。「ぼく自身 も楽しみにしているんですよ。予 算も内容も思い通りにいけば最高 !」とニッと笑った。その口元を 見て「笑い顔は撮影しないで」と いわれた理由がわかった。前歯が なかったのだ。

November

Monthly Comment [For Jarinko Chie, Animage]:

エンディング曲のトラック・ダウ ンがやっとでき上がって、スタッフ 一同、胸をなでおろしています。 詞を原作者、はるき悦巳さん自ら担 当してくださり、作曲は惣領ヤスノ りさん、そして歌うは中山千夏さん です。 元気なゲタの音がする”という軽 快なマーチ、きいただけで元気にな ってくるような曲です。 オープニングで出演者全員が出て いますので、エンディングでは小鉄 のワンマンショー。 なんと、65秒間、小鉄がケン玉を やっているシーンがつづきます。 ぐ るぐるとまわして入れたり、ケン玉 の遊び方全部を小鉄が見せてくれる わけです。 明るいエンディング・テーマの合 い間にケン玉の”カチッカチッ” という音が入り、その音の効果でテ ーマ曲がいっそう歯ぎれよく聞こえ わけです。 小鉄のケン玉の妙技をどうぞお楽 しみに!

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