Magazine Overview: Animage #xx(May 1979)

May

The movie coverage begins! Contains an interview, staff comments, and the announcement of GODIEGO being involved.

8月4日公開決定

●公開まであと116日—原作ともテレビともまったくちがうという映画の製作は、東京・練馬の東映動画スタジオで着々と進行しつつある。いったいなにが、 どうちがうのか—このレポートは、暑い暑い夏をいまか いまかと待ちかまえる映画「銀河鉄道999」 の詳報第1弾である!!

人はみな星の海を見ながら旅にでる… 想いえがいた希望を求めて・・・・・・

果てしなく旅はつづき人はやがて夢を追い求める旅のうちに永遠の眠りにつくしかし、列車は走る

そして、いま汽笛が新しい若者の旅立ちの訪れを告げる

西暦2×××年、地球には、超近代的な都市、メガロポリスが出現し、人々は暑さ寒さを知らない快適な暮らしをしていた。だが、そのメガロポリスに住めるのは、機械の体を買える金持ちだけであった。貧しい人々は、メガロポリスから追いたてられ、スラム化したDOWNTOWNで悲惨な暮らしを送っていたのだ。母と二人きりで暮らす10歳の鉄郎もその一人だった。だが、そんなある日、母は機械伯爵に射殺されてしまう。この物語は、それから5年後の話である。DOWNTOWNに1枚のポスターがあった。一人の少年が食い入るように見入っていた。15歳になった鉄郎であった。『WANTED宇宙海賊キャプテンハーロック…..おたずね者のハーロックは、DOWN-TOWNに住む貧しい少年たちにとっては、宇宙にのりだしていったあこがれの男だった。鉄郎も思った。「今年こそ、あのハーロックのように、宇宙の海へのりだすぞ』その足で、なかまとメガロポリスへでかけた鉄郎は隙を見て、金持ちの機械人間から、999号の定期券を盗んだ。999号は1年にたった1度だけ地球を訪れる不思議な列車だった。鉄郎には、どうしても999号にのらなければならないわけがあったのだ。が、それもつかのま、定期は、機械ポリスたちにとりあげられてしまった。「暴力と盗みの現行犯で逮捕する!」「ああつ」ポリスにはがいじめにされた鉄郎の胸元からペンダントがちぎれて、飛んだ。母のかたみのペンダントだった。鉄拳が、やおら、鉄郎の顔面に炸烈した。そのまま、鉄郎はよろけるように、ペンダントのそばによった。と、そのとき、鉄郎の視界に女の脚が入った。女は身をかがめた。そして、鉄郎よりも一瞬早く、それをひろった。鉄郎は静かに顔をあげた。「か、か……..」鉄郎の息がつまった。「母さん!」女は母に似ていた。だが、似ているだけであった。鉄郎の前で微笑んでいたのは、メーテルだった。かくして、999号にのることになる鉄郎。その行手には、いったい、何が待っているのだろうか?

製作データ
アニメ・データ (Production Facts)
総製作費 5億円 (Production Cost: 500 million yen)
上映時間 2時間5分 (Run time: 2 hours 5 minutes)
総製作日数 1年 (Production Time: 1 year)
使用動画枚数 6万枚 (Reels used: 60000)
カット数 2000カット (Cuts: 2000)

なお、東映では、この映画のために、ファンクラブ誌 「銀鉄ニュース」を創刊。 くわしいことは下記へ連絡を!!!

Leiji Matsumoto Interview
「想いえがいていた日がついにやってきた]
ストーリーの発端はわかった。が、その後の展開は?!?! そして、何が、テレビとも原作ともちがうのか?企画、原作、構成で大忙しの松本先生に、いまの時点で話せる”ちがい”について語っていただいた。

AM: ズバリ、質問しますが、いったい、なにがちがうんですか?

Matsumoto:「タイトルこそ 『銀河鉄道999』になっているけど、中味はそれだけじゃない、といういい方はできますね」

AM: といいますと?

Matsumoto:「ぼくは、この間、ずっと「ハーロック』 『エメラルダス』 それに『銀河鉄道999』を各誌で描いているわけですけど、この3つの作品は、もともと、ぼくの頭の中では、ひとつの同じ話なんです。 ところが、まんがじゃ、掲載誌のちがいもあって、なかなか3つの作品をからめることはできない。で、今度の映画があった。ぼくは、すぐに、この”同じ”話にしようと思いましたね」

AM: ということは、ハーロック、エメラルダス、それに鉄郎がこの作品の主人公になるわけですか?

Matsumoto:「いや、やっぱり、話はひとつの筋立てというか、 テーマできまりますから、鉄郎になりますね」

AM: テーマは?

Matsumoto:「ことばにするなら『かぎりある命』というテーマで 『無限にある命』と『かぎりある命』の対比を描きます。つまり、血のかよった人間と機械文明の相剋ですね」

AM: そのテーマと、主人公・鉄郎のかかわりあいは、ストーリーのなかでどうなっていくんですか?

Matsumoto:「鉄郎は、そのテーマに悩む少年として登場します。それと、彼が一人前の男になるまでの思春期も描くつもりです。だから、鉄郎のキャラクターも原作とは少し変えて、年齢も15歳にしたんです」

AM: この映画には具体的にはどういう形でかかわるんですか?

Matsumoto:「企画・原作・構成ということなので、ま、プロデューサーですね。だから、設定なんかも、 ヤマトのときよりもずいぶん多く描いています。そういう意味でいうなら、自分の好みをむきだしにした映画になりそうです」

AM: 最後に読者へひとこと

Matsumoto:「いいもの、イコール、 おもしろいものというのを作りたいと考えています。 ぜひ、応えんしてください」

Staff Comments高見義雄 (Yoshio Takami):
映画のラストのイメージは、一人の少年が、青春の門の前で、その思春期に訣別を告げているといった感じにしたいと思っています。スタッフも最高の布陣がそろったし、準備期間も去年の9月からかけてますし、最高におもしろい作品を作ります。期待してください!!

石森史郎 (Fumio Ishimori):
去年「博多っ子純情」の脚本を書きおわったころ、高見さんから、突然電話があって「やれ」という。ぼくはびっくり。だって、ぼくはSFって食わずぎらいなんですよ。ま、ともかく、原作を読んでみた。すると、これがじつにおもしろい。だって、ぼくの得意な若者の愛のドラマでしたからね。

りんたろう (Rintaro):
アニメの演出で、なんといってもだいじなのは絵コンテなんです。極論すれば、絵コンテ作業が終わっちゃえば、その作品の終わりということもいえますね。あとは、作画の人の持ち味ですし。今回ですか。去年の暮れからはじめたから、2か月ちょっと、いままでにない時間のかけ方だと思っています。

小松原一男 (Kazuo Komatsubara):
10歳の鉄郎が5歳、年を食うとああいう顔になるんだと思うんです。悔いが残るのは、少しイイ男にしすぎちゃったところかな。でも、映画のなかでは、もっとくずすつもりでいます。

凉尾 篁 (Ryou Takamura):
ぼくの美術設定は、いつも、あんなに細かく描く必要はないとよくいわれるんです。 けど、イメージってのは、描いていくうちにふくらんでいくんですよね。今回も、いつもに増して、くどく描いています。

特報!!テーマ曲の作曲と歌がゴダイゴに決定!
テーマ、エンディング・テーマの2曲を作曲、歌うことオープニングになったゴダイゴ。銀鉄ファンならずともその完成が待ち遠しいところである。なお、作詩は山川啓介氏が担当する。

Welcome to Anime Magazine Archive! We aim to be the ultimate resource for anime magazines, offering page-by-page breakdowns, with a focus on the 1970s-1980s.

RECENTLY UPDATED