Mad Machine

1983

March

My Anime [pg. 112-113]

4月放映開始をめざし、葦プロのスタッフが一丸となって制作進行中の「マッドマシーン」。メカも大迫力ならキャラクターもかたやぶり、ストーリーも奇想天外なアクションアニメである。とりわけ、登場する女の子たちのかわいいことは保証つき。ヒロインのアニー牧野や、ライバルのサッチャーズの三姉妹など、いずれも作画監督の上條修氏が、たっぷりと思い入れをこめて作り上げたキャラクターだ。ニュータイプのヒロイン、アニー牧野の魅力とは何か? ひとことで言って、それはパワーと言えそうだ。前号でも紹介した神風U作、水谷ジョージ、幸田久造といった、ひとくせもふたくせもありそうな男どもを、命令一つで動かしてしまう。かと思えば、900ccもあるサイドカーを駆って、命をはったアクションをくりひろげたりもする。受け身のヒロインではなく、自分のパワーだけで番組を引っぱってゆけるキャラクターとして、彼女はアニメ新時代の旗手になる資格十分と言えるだろう。これまた新時代のヒーローを自称する神風U作も、彼女にはメロメロで、自分が中心となって結成したマッドVのリーダーの座さえ、彼女に進呈してしまう。彼にとって、アニーは世界でたった一人の女性というわけだ。しかし、アニーにしてみればU作は単なるとりまき連中の一人。男女の仲なんてこんなものと言ってしまえばそれまでだが……。くれぐれもU作の二の舞は踏むなよ、賢明なる読者諸君!

とにかくこのメカを見てほしい。これがマッドVのメイン・メカとなる10輪の巨大トラック、マッドーだ。スピルバーグの映画「激突!」に登場したトレーラーもまっ青の重量感。そしていかにもドロ臭い、ゴツゴツとしたフォルムは、スマートなメカが主流の現代だからこそ、反響を呼びそうだ。

April

My Anime [pg. 118-119]

元レーサーの神風U作、元タクシードライバーの水谷ジョージ、元ジャリトラ運転手の幸田久三の3人は、うらぶれたドライブインで知り合った。その場で意気投合した3人は、一獲千金を夢み機動探偵局”マッドV”を結成した。顔なじみの修理工場の主、大久保太助は3人のスポンサーにつき、工場を売った金で3人のポンコツマシンはスーパーメカに生まれ変わった。そして、このチームに紅一点として加わったのが、日米混血の美少女アニー牧野だ。アニーの父親はインターポールの警備員で、悪の組織「ブラックシャドー」の情報を提供してくれる。ブラックシャドーの首領ドン・ノストラは大の探偵小説マニアで、自分の盗むお宝は必ずインターポールに予告しないと気がすまないのだ(なぜか、「マッドマシン」の登場人物はみんな何かに並々ならぬこだわりを持ち続ける連中ばかりだ)。かくして、ブラックシャドーが盗んだお宝を横からかっさらい、壮絶なカーチェイスをくりひろげるマッドV。そのメカニックが下にあげた5台のマシンだ。武器を搭載しているのは、それだけ彼らの”仕事”がハードということだ。細かいデータは下図を見てもらうとして、今回注目してほしいのは左のワイルドシャークだ。5台のマッドマシンを乗せ、7つの海を渡るための船なのだが、さながら小型の航空母艦といったところ。一日も早く、ブラウン管で活躍するマッドVを見たいものだ。

ブラックシャドーとは、あのマフィアさえも牛耳るドン・ノストラを首領とする世界的盗賊団である。その組織としての特色は、闇の帝王と呼ばれるドンの性格に大きく左右されている。ドンあってのブラックシャドーと言えそうだ。とにかく、あらゆる占い、予言を100パーセント信じてしまうドンは、1999年人類滅亡のノストラダムスの大予言を深く信じて疑わない。地球がポシャってしまう前に、できるだけたくさんの美少女と財宝をかき集め、スペースコロニーに避難して、そこにハーレムを築こうというのが彼の夢である。そのために世界中の財宝を奪うのだが、それをいつもマッドVに横取りされ泣きを見るというわけだ。失敗の原因の多くは、彼のロリコン趣味と探偵小説かぶれの作戦にあるのだが、自分ではそれに気づいていないところが何とも・・・・・・。メカにはおしみなく金をつぎこみ、性能的にはマッドV以上のものを持っている。配下のサッチャーズのテクニックもマッドVのメンバーに決してひけはとらないのだが、いつも敗北をきっするのはムッチーのいぬさしがねのせいである。

Animedia [pg. 127]


美女と野郎達が世界中を舞台にくり広げるカーアクションとくれば、カッコよさそう。というわけで『マッドマシーン』が今から期待を集めて、第10位にランクされた。みどころの一つは、主人公達の乗りまわす車。900ccものサイドカーをつけたアニーのインパレス、U作の大口径の機関砲を搭載したレッド・チーター。この他ワンサと車が登場。クルマ大好き少年ならヨダレが出そうな場面が一杯だ。また主人公のアニーをはじめ敵キャラも美人揃い。「ミンキーモモ』の葦プロ制作ということで美少女ファンも期待が大きい。一獲千金の争奪戦に底抜けに明るいキャラの活躍も魅力的だ。

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