1981
April
The Anime [pg. 47-49]


ハロー!サンディベル 〜おちついたロマンをたたえるスコットランド〜(Includes Commentary from Eiji Itō)
こちらは、スコットランドからロンドンへ、さらにヨーロッパ各地へと進展していく物語。現在は、物語の発端となるスコットランドの小さな町が舞台です。
伊藤英治さんは、「キャンディ・キャンディ」以来のファンシー路線の背景に、紙の白地を残した“薄塗り”という独特の手法を取り入れた人ですが、今回の「サンディベル」では通常の“厚塗り”で表現するそうです。「内容はオリジナルですが、名作の趣きがあり、ラブロマンス色も濃いので、落ち着いた雰囲気のオーソドックスな写実的表現にしました」とのこと。
スコットランドという地方には、かなり独特なロマンチシズムがあるようです。「イメージとしては、まず森と湖ですね。近くに少しひなびた町があり、湖のほとりには古城があって、それが詩情をかもし出しています。」
その古城も物語の重要な舞台となっており、周辺の森はサンディベルとマークのデートの場所としてロマンチックなムードを盛り上げています。「建物はみんな石造りで、屋根にはスレートが敷き詰められています。どの家にも暖炉があり、煙突が出ているのもこの地方の特徴でしょう。実際はわりと暗い色彩の土地柄なんですが、物語の楽しい雰囲気を出すために、できるだけ緑を取り入れるようにしています。」
そのため、物語のスタート時の季節は、もっとも緑が美しく花が咲き乱れる“夏”という設定になっています。「その緑の感じもヨーロッパの他の地方とはずいぶん違いますね。草は高く生えず、芝生のような草原地帯が大部分なんですよ。」
なるほど、そういえばスコットランドはゴルフの盛んな国でしたね。さて、少し先の話になりますが、今後の展開では舞台がロンドンへと移ります。霧の都ロンドンがどう描かれるのか、楽しみです。
