1979
December
Animage [pg. 43-45]


きみは10月7日スタートのこの新番組を、もう見ただろうか? “日曜朝10時〟という、アニメとしては異例な時間帯の放映ながら竜の子プロ久々の新作SFアクションロボットアニメ”ということで、いま注目の番組だ。さて、このちょっと気になる新番がきみにメッセージしようとするものはなんなのか。メインスタッフ3人にインタビューを申し込んでみた……。
「闘士ゴーディアン」設定
地球上では、人類統制をめざす自意識をもつコンピューター”マドック〟とその一味・マドクターが、人類理想の都市・ヴィクトールタウンを死守しようとするメカコン部隊と熾烈な戦いをつづけていた。この部隊に新入りがやってきた。彼こそ、ただひとりロボット”ゴーディアン”を操縦できる少年”ダイゴ”だった。物語は、このダイゴとゴーディアンをめぐる秘密、ヴィクトールタウンとゴーディアンの眠る地・サントーレとに秘められた謎、マドクターの狙うプロジェクトX”とは、などを中心に展開していく。
Masatsugu Nagai:
●竜の子のSFは、構成にしてもキャラデザインにしても、すごくリアルですよね。ドラマっぽいといいかえてもいいけど・・・。これは、うちの特徴でもあって、キャシャーン、テッカマン、ガッチャマンなんかは、あきらかにこの路線上の作品なわけです。でも、こういった傾向はややパターン化してきたんじゃないか。もっと単純に楽しくって、サラッと消化できるようなSFアニメがあってもいいんじゃないか……というわけででてきたのが、この作品の企画だったわけです。いってみれば、竜の子のSFにプラスアルファーを求めてみようということです。それじゃ、それをどう具体化したかといいますと、まずストーリーを単純に勧善懲悪のパターンにしました。つぎに、主人公ダイゴをガッチャマンのケンのような完璧なヒーローにせず、ギャグ的要素をもりこんだ天衣無縫な少年にしました。そして、ゴーディアンをロボットというよりダイゴの着る鉄のスーツという発想をし、ダイゴがけがをして足を引きずれば、それがゴーディアンのしぐさになるー。というふうにして絶対に強科学的メカ”という設定をなくしてみたわけです。それから、制作スタッフの組織上でもプラスアルファーの具体化のために、はじめての試みをしているんですよ。それは、竜の子プロ以外の方にCDとシリーズ構成者、作画監督(宇田川一彦さん)をお願いしたことなんです。この方たちに、基本設定をおさえつつ、さらにそれぞれの新しい感覚を構築していただければ、きっとプラスアルファーが生まれると思っているわけです。
Yû Yamamoto:
●シリーズ構成というのは、竜の子プロで作った原案をもとに、各話のストーリー展開を考えていく仕事です。それと、その話の中での番組タッチも考えます。だから、脚本もぼくから発注し、チェックします。もちろん、ぼくも書きますけどね。いってみれば、シリーズ構成の仕事はCDとふたりでその作品の方向性を作る大役なんですよね。で、作品のねらいなんですが、基本的に肩のこらないしゃれた軽いタッチ”を考えています。具体的には1話のタイゴがインディアンハットにマントでまっかなエアー・バイクを運転して、そばをクリントが走っている”あの、主人公登場の仕方なんかに、このしゃれた軽いタッチは象徴的にだしたつもりなんだけど。ま、竜の子のアニメって、ドラマでギチギチつくりすぎるところがあるでしょう。ぼくはそうじゃなくって、型にはまらないかるーいかんじでやりたいんだなあ。いままでの竜の子作品でいえばゴワッパ5ゴーダムや破裏拳ポリマーに近いもの。でも、できればニュー路線を開発したい。がんばらなくっちゃ!!!(笑)
Masamune Ochiai:
●主人公、ダイゴの暖かい血の通ったかんじが気に入っています。表情のある絵柄はもちろん、声の安原義人くんも、いままでのヒーローにないコミカルなタッチがあっていけると思っています。CDとしては、この生き生きとしたキャラを使って、どこまで人間を描ききれるかを追求してみたいのですが…。つまり、この作品の場面設定は、マドクターとメカコン部隊の戦争ですよね。戦争は、善人であろうと悪人であろうとみさかいなく滅ぼすわけです。その中で人間はどう生きていくのかを描ければと思うわけです。人生の縮図がそこにはあるから、描きたいと思うんだな、きっと…。そして、やっぱり、戦争の悲惨さも描ければと思うなあ。このふたつのことは、ゴーディアンにかぎらず、ぼくがいつも追求していきたいと思うテーマでもあるんだけどね。竜の子作品ということはあまり意識せず、ぼくはぼくなりに一生懸命やります。
The Anime [pg. 57-59]

1980
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The Anime [pg. 56-59]

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Animage [pg. 37-40]



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