Galaxy Cyclone Braiger [TV Series, 1981]

1981

November

Animage [pg. 46-47]

1: 発想の原点は「007」のボンドカー

10月6日からテ レビ東京系でスタ ートした 『銀河旋 風ブライガー』。い かしたやつらとい う表現がピッタリ いるコズモレンジ 本ヤーJ9と、彼ら の駆るブライガー・ メカの活躍に、さ っそくファンにな った人も多いだろう。アクションの おもしろさを取り入れた新しいロボ ットSFをめざしたというこの作品。 登場するメカにも、いままでにない アイデアがある。 メカデザインを担当した樋口雄一 氏にその発想の原点をたずねると、 「子どもにとって、いちばん身近に ある魅力的なメカはなんだと思いま すか?」と逆に質問された。答えに 窮していると樋口氏は「それは自動 車ですよ。ブライガー・メカの原点 はここにあるんです」。 なるほど、数年前からのスーパー カーブームもくわえて、車のもつメ カニズムの魅力は子どもに、そして 大人にも確実に定着している。自分 の家にあるクルマがスーパーカーだ つたら….。しかもそのクルマには すごい仕かけがある。この発想がブ ライサンダーになった。 「つまり『007』のボンドカーの おもしろさですよ。アクションSF を目ざすブライガーにはぴったりで しょう?」 (樋口氏) そして脚本・原案を担当する 山本優氏はー 「クルマから宇宙船、そしてロ ボットへと1台のメカがつぎつ ぎに変型するのがブライガー・ メカで、その大きさのちがいを 克服するために考え出した設定 がある。それが物質拡大プラズ マ装置です」

2: 日車、宇宙船、ロボットと、その場の途に応じて自在に変型する

物質拡大プラズ 装置により、ス ーパーカーブライ サンダー、高速宇 宙船ブライスター、 そして、ロボット ブライガーと3つの顔をもつ ブライガー・メカ。 これをど 使いこなしていくのか? 「それぞれのメカには、それ にいちばんふさわしい登場の しかたがあるはず。小物を相 手に、なにもブライガーを出 すことはないでしょう」 と、あくまでストーリー優先を強 調するのは演出の四辻たかお氏だ。 コズモレンジャーJ9は、その基 地アストロアイガーから、ブライサ ンダーで出撃する。ブライサンダー のクルマとしての機能を十分に生か 演出をしたいと四辻氏。 「ブライサンダーは宇宙を飛ぶ能力 を備えていますが、あくまで自動車 カーアクションのたのしさをだした い」 ブライサンダーからの変型第1段 階は宇宙船ブライスターだ。 変型パ ターンを考えた樋口氏によれば、矛 のないようにして あるので、ほとんど そのまま商品化が可 能だという。 「ブライスターは、惑星間の長距離 航行能力をもっており、 宇宙戦闘機 としても活躍します」 (樋口氏) そして強力な敵にぶちあたると、 いよいよブライガーにスライドブロ (変型)する。ブライガーは事件に ケリをつける必殺のメカだ。 ところで、いままでのロボットS Fでは特別な能力をもったものだけ がロボットを動かせるという設定が 多いが、四辻氏によればブライガー の場合、いささかちがった考え方を しているということだ。 「一応、操縦者はボ ウイ、攻撃はキッド と決まってはいます が、ブライガーは基 本的にだれでも動か せるように設定して います」 J9の連中は高性 能なメカを動かすこ と、それ自体をたの しんでいるように演 出していると四辻氏 はいう。

3: ブライガーの胸のハッチはさまざまな武器の格納庫

さて、ブライガー・メカは、いか なる攻撃能力をもっているのか? まずブライサンダー。武器はサン ダービーム、ヘッドライトの位置か ら発射する。ブライサンダーと同じ 大きさのものを10秒でとかしつくす 能力をもつ。 つぎにブライスター。武器はブラ イレーザー、ブライサンダーの強力 版と思えばいい。そしてブライシュ ーターというミサイルを装備 している。 そして、ブライガー。いまま での武装にくわえて、厚さ1 以上の鋼鉄板を断 ち切るブライソード (剣)と、厚さ30の 銅鉄板を貫くブライ スピア(やり)をもつ。 これらは、ふだんは 胸のハッチに収容されて おり、使用するときには 物質拡大プラズマによっ て、ブライソードは長さ22 ブライスピアは長さ30に拡 大する。 「ブライサンダーを改 造してキャタピラをつ 雪上を走らせるとい った試みや、新しい の追加、パワーアッ プも考えています。 たのしみに」 (樋口氏)

★見どころ★

5話「墓場からの依頼人」
アステロイドのW・J区は歓楽街。 射的場でたっぷり景品のチョコレー トをとったシンたちはメインストリ ートをハデにぶっとばす。 そのとき、通信TVにメイが映り、 仕事が入ったとの連絡。ウエストK 区でSOSが出されているという。 ガレキのようないん石がちらばっ ている町はずれのウエストK区に飛 来してくるブライスター。と、いきな 前方の陰から小型宇宙艇がとび去 って行った。フルスピードで追いか けるブラ イスター。 しかし、 敵もなか なか腕の立 つ男だった。

My Anime [pg. 27-29]

広い宇宙の片隅で、 悪の仕打ちに涙すりゃ、 恨み辛みを晴らしまし よ――仕事にかけては この右に出る者なし のJ9但し流儀は無頼 流、お呼びとあらば即 参上!!

Q&A With Yū Yamamoto:

JUDGE 1: 宇宙のよろず請負 集団コズモレンジャー J9は、誰がどんな目 的で作り上げたわけで すか?

Yamamoto. アイザックがJ9の基地やブライガー などの設備投資をし、またメンバーのスカウ トも行ったわけです。一応彼がリーダーとし て”仕事”をまとめてゆくのだけれど、その 目的はねえ……………。まあ、一つには金のためだ し、また一つははびこる悪、これは巨大な悪 ですね。色々な組織が出てくるのですが、そ の悪への怒りもあるわけです。それに仕事を のものの面白さ、でしょうか。特にこれだ! という目的はないハズです(笑)。

JUDGE 2: プラスター・キッ ドこと木戸丈太郎の経 歴信条は?

Yamamoto. キッドは地球正 規軍一の射撃の名手。 特別射撃チームのリーダーでした。チームの マークは真紅のバラ。政府と組織との癒着が がまんできずに飛び出します。別にどこに行 っても構わなかったわけですが、たまたまJ 9に加わり気に入ったというので居すわっち やいます。「気に入らなくなったらすぐに出て いくぞ」ってのは第一話でお町が言ってるけど、 それは全員の暗黙の了解ですね。キッドにつ いては第二話、第六話でその過去にふれる予 定です。

JUDGE 3: 同じくエンジェル お町とボウイーについ て聞かせて下さい。

Yamamoto. 彼女はフリーの プロフェッショナル。 キャリアウーマンていうイメージじゃないん だな。ボンバーギャルって呼んでる人だけど そういうカンジ。でも出身は政府高官の令嬢 でして、そこらへんを魅力として出したいで すね。一応、第十話で触れる予定です。ボウイ ーはこれまたトップレーサーだったのですが、 その地位をフラリと捨ててみる。勿論、公の レースには出場しますよ。 第九話かな。 そこ 彼の過去も少しは明らかになると思います よ。アイザックは第十一話の予定です。

JUDGE 4: J9の口入れ屋ポンチ 日、「ブライガー」の中では 特徴的なキャラですね。ど ういったところを描いてい く予定でしょうか?

Yamamoto. 道化まわしとしたらマカローネ署長も いるわけで、やはり典型的な小悪党・・・・・・とい うところを押し出したいですね。ハッキリし た白黒をつけるつもりはないし、彼のおかげ でJ9が生活できるわけで…(笑)。小さい 子にはチョッとついてこれないかもしれない けれど、人間世界の陰の部分をひき出すキッ カケになれば成功ですね。 アイザックには決 して頭が上がらないってところで、救いみた いなものがあると思います。

JUDGE 5: -J9全体としての キャラクター達の雰囲 気、彼らのチームワー クはどのように?

Yamamoto. なんとなくメンバーになって、仲間が 気に入ってるからつきあってるという寄せ集 めね。正面切って正義の味方だァ! という のではなく、目的性のなさみたいなものを表 したい。ちょっとアメリカっぽい感覚でね。 キッドの場合も、最初は悪に怒って軍を辞め るがそれと戦おうとするわけじゃない。J9 のチームワークは、お互いを最高のプロとし て認めあってるところから出ているわけで、 本質的にはアウトローの集まりなんです。

JUDGE 6: 三段階に変化するロ ボットが登場しますが、 物語の中にどのような形 で消化し、また生かして いくおつもりですか?

Yamamoto. 以前はロボットっていうと、単に添え ものという感じを随分持ってたんですよね。 最近は考えが変わりまして、キチンと目を据 えてやれば、ロボットそのものをそれなりに 面白く引き立てられると思っています。今ま でのようにやたら敵をいためつけるという形 や、やられやられてやり返すというのでもな く、一つの〝殺陣”として、スパーッと決ま っちゃうカンジでやりたいです。 演出に遊ん でもらいたいですね。

JUDGE 7: 第一話を見ての感 想と、シナリオを書か れる上での留意点など はいかがですか?

Yamamoto. 今回、スタッフのメンバーには満足し ています。キャラクターも気に入ってるし、 物語もまあまあじゃないかな(笑)。後は絵と しての宇宙に、どれだけ奥行き、立体感が出 てくれるかですね。シナリオとしては、ハー ドボイルドの部分と、いわゆるオフザケの部 分、つまり会話の楽しさということなのだけ ど、ハードボイルド中心で、合間合間にシャ レた感じで息抜きをさせてゆきたい。「白バイ 野郎ジョン&パンチ」みたいなシャレッ気が 出たら一番なんだけれど・・・・・・。

JUDGE 8: 近未来という設 定で、科学考証にも 力を入れているとう かがいましたが、そ のへんについて?

Yamamoto. そうです。J9の活躍の場である惑星 関係でもできるだけの資料を使います。とい ってもお話ですから、イメージ的に面白いよ うに、J9の位置はアステロイドの中にあり ます。J9が請け負う仕事の相場というのは 大体三百万ボールなんですが、普通サイズの 小惑星を買える値なわけです。建て売り住宅 みたいなもので(笑)。別荘ってカンジかな? 貨幣単位とかそういった小道具で世界観をつ くってみたいですね。人間が開拓していくと いうことでこうなるんじゃないかと……。

JUDGE 9: 総括して、「ブライガー」 の今後に関して特に意識し ている点を、また物語の構 想としてはどのくらいをお 考えでしょうか?

Yamamoto. 気分としては、型にはまらないものを ということ。J9そのものは組織としたらご 小規模、色々なコネクションから仕事の関 係で狙われるわけで、そこらへんから、チー ムとしての自然なまとまりができる形で彼ら の意識を変えてみたい。ハードボイルドであ っても明るさやシャレ たところを壊さないで やっていきたいな。一 応26話の予定だけれど、 J9シリーズとして、 キャラやロボットを変 えて続けてみたいな。

南田の総点検 123
宇宙必殺シリーズ!? ブライガー

小松原一男さんのキャラクターは実に魅力 的だ。物語も今までと少し違ったアングルか ら捉えられているようで期待している。 さて どんな物語となってくれるのか、今までに出 ているデーターをもとに、少し考えてみよう。 まずはキャスティング。一番に気付くのが エンジェルお町の麻上洋子さん。これは楽し みなのだ。ボンバーギャルと呼ばれるお町を 可憐さで売った麻上さんがどう演じ切ってく れるか。「イデオン」のハルルでの成功をもう 一度、というところ。これからの飛躍への大 きな試金石になるのでは、と注目。 一方、アイザックを曽我部和行さん、ボウ イーを森功至さんというのはあまりに適役で、 いっそ逆の方が面白かったのに、などという と怒られるかな。でも、少し渋目の二枚目と いうのを、森さんに演じて欲しいという気持 ちはあるんだな。 軽快なシャレッ気をふんだんにし、ハード ボイルドで迫る。現代風なこの方針は、絶対 うけおいぎよう に成功させて欲しいもの。しかし、宇宙のよ ろず請負業〟と称して、悪に虐げられた人々 の恨みを晴らすというのなら、これはもう必 殺シリーズ”の雰囲気にまでいってもらわな ければ!「仕事」をめぐってのハードボイル ド調の盛り上がりを前半の見せ場とするなら、 後半はシャレッ気タップリに「始末」に出動、 ブライガーへと変型した後は、ドスでも構え て「死んでもらいます」てな具合にピタリと決 めてみては如何? スカッと楽しめる作品には、少々の開き直 りはあっても許されるべきだと思う。科学者 証部分で現実のデータを使うという、押さえ るべき所は押さえる姿勢があるのだから、ど うか楽しんで作ってもらいたいものです。 「ブライガー」のテーマソングは、アップテ ンボの思わずリズムをとりたくなってしまう 曲。この秋の新曲(?)の中では一、二を争う デキなのでは・・・。 いかにもアニメソング。 そこがポイントなのだ。

探究! ブライガーワールド

「ブライガー」の世界は、太陽系内に人類の 開発の手が伸びた段階の未来社会。SFと銘 打っても厳密な考証を売り物にする方針では ないようだ。すると問題なのは”らしさ”。そ の世界のイメージが十分に表され、抵抗なく その世界を楽しめるかどうかはそこにかかっ てくる。いきな奴らの無類な活躍。さて、 どんな世界に繰り広げられるかな!?! まずは、アニメファンにはおなじみのアス テロイドベルト。 そこがJ9の基地。 様々な大きさの小 惑星群にはなんと 東西南北がある。 勿論それは地球を 模してのこと。 東 地区は政治ブロッ ク、北地区は農業 ブロック、南地区 は工業ブロック、 そして西地区は歓 楽街。J9はいわば所番地なのだ(基地の在 りかを、そんなに大っぴらにしてよいのかし らん!!)。星の雑踏 そんなイメージで物語 にアクセントを加えてくれることだろう。 惑星にも目を向けてみよう。 アステロイド の傍、木星はその衛星群が開発の中心である、 資源開発や特殊葉緑素を用いた木星改造計画 が進められている。金星は、第二の地球へと 改造する大気酸化計画がシアニドム・カルダ リアムという藍藻類を用いて営々と行われて おり、灼熱の表面にある大監獄と傍に浮かぶ 開発コロニーが有名だ。極寒の火星には資源 開発の大規模なプラントが多数進出して活況 を呈し、月はこれら宇宙開発のターミナルと して空前の繁栄を誇っている。だが華やかな 開発の陰では、肥大化した政府組織と巨額な 利潤を温床に幾つもの悪が成長していった。 それがJ9の敵となる地球の四大地下組織、 火星のヴァイキングコネクション、金星のヴ ィーナスコネクション、木星のガリレオコネ クションというわけなのだ。 さあ君も、宇宙の本を片手にブライガーワ ールドの実地(?)検証をしてみないか!

Animedia [pg. 19-20]

December

Animedia [pg. 20-21]

の個性が集ま って宇宙の悪 に立ち向かう

宇宙の始末屋、コズモレンジャ −J9.3態変型メカ、ブライガ の魅力はもちろんだが、番組を ささえているのはなんといっても 個性豊かな4人の主人公たちだ。

『銀河旋風ブライガー』のユニークな点は、 4人の主人公たちがチームを組んでいるとは いっても、それぞれに勝手なことをやってい ることだろう。決して、1人のヒーローを助 けるためにほかの3人が集まっているのでは ない。それはロボットの構造にも現われてい て、1台のロボットに4人が乗り組んでおり ながら、射撃担当、操縦担当などそれぞれの 個室に別れているのだ。 今回の特集では、個性あふれるこの主人公 たちを徹底追跡。 設定資料からその特徴をぬ き出すとともに、チーフディレクターの四辻 たかおさんにそれぞれについてコメントして いただいた。
(設定) 本名、アイザック・ゴドノフ。 コズモレ ンジャーJ9のリーダー。 ニヒルな容貌で悪に対 しては冷酷非情な男だが、弱い者、しいたげられ た者に対しては、時として思わぬやさしさを見せ ることもある。
(四辻) アイザックってのは、実は最後にキメ言 葉を言おうとして待ってるんだよね。少なくとも ぼくの内部ではそう設定してる。
山本優が語る

各キャラクターの過去話
この番組の主人公たちは、それぞれ に複雑な過去をもっている。そんな設 定が人物に深みを与えているのだ。そ こでシリーズ構成の山本優さんにそれ ぞれのエピソードを聞いてみた。

アイザック
当時10歳のアイザックは、両親とと もに別荘で楽しい日々を過ごしていた。 アイザックの父、イワン・ゴドノフは 地球連邦政府北ヨーロッパ第一事務次 官だった。 ところが、イワンは身におぼえのな スパイ容疑で逮捕されてしまった。 しかも捕えにきたのはイワンの友人セ ルゲイ・ワインベルクだった。(第二 話『燃える大雪原』より)

キッド
地球正規軍特別射撃部隊、紅バラ部 隊の隊長キッドはハイジャックされた 宇宙船めがけて決死の突入を敢行しよ うとしていた。そこへくる突然の作戦 中止命令。宇宙船は発進してしまった。 作戦の中止は火星の地下組織の圧力に よるものだった。それを知ったキッド は隊長のしるしの紅いバラをはずし、 二度と正規軍にはもどらなかった。(第 6話「復讐の紅いバラ』より)

ボウイー
宇宙マシンの老舗ラーク社の新人レ ーサー、ボウイーは社長令嬢のオリビ アにはげまされ、世界一のレーサーめ ざして練習にはげんでいた。だが、ラ ーク社のトップ・レーサー、ジム・ハ ロルドはそんなボウイーを快く思って いなかった。そして、オリビアとジム が深い関係にあることを知った時、ボ ウイーはラーク社を去った。(第9話 『激走・土星ラリー』より)

メイとシン
メイとシンは両親とともに、小型宇 宙船で惑星バルカンの調査にきていた。 バルカンとは水星の内側にあるといわ れた伝説の星で、今は何百年に一度彗 星のように太陽に近づくだけなのだ。 ところが、遠距離用通信機が故障、 修理のため宇宙船は水星の観測基地に 着陸した。だが、そこは地下組織の兵 器工場だったのだ。両親を殺され、か ろうじてバルカンに逃げた2人は、そ のまま宇宙をただよう……。(第12話 『バルカンの双生児』より)

念願のロック調で大満足
ギンギンのハード・ロック調オープ ニングで話題を集めている『銀河旋風 ブライガー』のLPレコードが早くも 発売予定になった。そこで、作曲を担 当した山本正之さんに『ブライガー』 の音楽について聞いてみた。 「ぼくはもともとハード・ロックが好 きで、一度劇版の音楽でやってみたか ったんです。今回は、プレーヤーもロ ック系の人に集まってもらいましたの で、かなりイイ線いったと思ってます。 今度のLPでは、ハード・ロック調と フュージョンぽいものを両方入れまし た。それぞれのタイトルにもかなり凝 りましたので、ご期待下さい」

ナレーションは七・五調できめる名調子

ロック調の主題曲をバックに、 柴田秀勝さんの名調子で七・五調のナレー ションが流れる。宇宙ものと七・五調、一見異質なこの2つがなぜかこの番 組にはピッタリくるのだ。オープニングと各話のエンディングから、この名 調子をひろってみよう。 [オープニング〕 夜空の星が輝く影で、ワルの笑いがこだまする。星から 星に泣く人の涙背負って宇宙の始末、銀河旋風ブライガー、お呼びとあらば、 即、参上!

〔第1話〕 コズモレンジャー J9、 はみだし野郎 と男まさりのボンバーギャルが、ひょんな出あいで チームを結成。宇宙の始末屋J9、 お呼びとあらば、 即、参上!
〔第2話〕 哀しみを心に秘めてあすもまた、いず この星に向かうのか。 コズモレンジャーJ9、お呼 びとあらば、即、参上!
〔第3話〕 真実も、正義も夢も金次第。 そんなふ うに思いたかないが、なぜか淋しい人の世にせめて みせたい意地がある。 コズモレンジャーJ9、お呼 びとあらば、即、参上!
趣味的につくってます (Includes Comment from Takao Yotsuji) ここに登場する主人公4人っていう のは、結局全部ぼくの分身なわけです よ。ぼくがこういう調子でキザなこと やりたいとか、キザなこと言いたいと いうのを一番いい状態でキャラクター 分けしたんです。だから、キャラクタ ーの描き分けというよりも、ぼくの中 の描き分けなんですね。 とにかく、趣味的につくってるから。 でも、ああいうキザな部分って誰でも もっていると思うんですよ。出すか、 出さないかだけで。その点、この4人 てのは謙虚さなんてないわけだから。 ここまで趣味的にやっちゃうと、つ くってる方が恥しくなるんだけど、でも 恥しいからこそアニメでできるんでね。

1982

January

My Anime [pg. 33-34]

ブライガーワールド3
ヴィーナス(金星)

西洋では羊飼いの星として、東洋では育と明けの明星として、 その美しさを広く知られる金星。太陽系で一番円に近い公転軌道 を持つこの惑星は、地球型惑星の名にふさわしく、大きさはほぼ 等しく、質量も0.815倍、太陽からの距離も、太陽=地球間 を1天文単位とするなら、0.723天文単位である。反射能は 6085と高く最大光度もマイナス4等と、正しく明星の名にふ さわしい。 まさ ’78年末、パイオニア金星2号の調査で、金星の大気に地球や火 星の百倍にも達するアルゴンが検出され話題を呼んだが、金星の 大気は90~97%が二酸化炭素であることが分かっている。この厚 い大気のために、太陽からの熱が逃げ出さない”温室効果〟によ つて、表面での気温は摂氏480度に達し、気圧も30気圧といわ れている。また、上空との気温差が大きいので、時速100㎞近 い強風が吹き荒れている。侵食のあとも確認され、太古には人類 の生存に適した状態の時期があったのではないかとも想像されて いるので、ソウ類を使った大気改造計画という設定もうなずける。 ソウ類によって炭酸ガスを酸素に変えようというものだ。この実 現には何百年、何千年以上のタームが必要とされるであろうが、 宇宙開発のだいご味としては抜群である。 金星は他の惑星と異なり、逆向きの自転をしている。 金星での 設定として、地球とはコリオリの力(転向力)が逆に作用するな どというのも面白かったのでは。 そういえば、第7話で気付いた 〝濃硫酸”問題。「ヤマト」以来濃、 硫酸で金属が溶け切ってしまうよ うな描写が続くけれど、化学の実 験でよくお目にかかる通り、溶か し切るには希硫酸でなければなら ない。濃硫酸では、接触面は溶け るが、その部分が硫化化合物にな って皮膜の役目をするため、それ 以上は侵されない。宇宙の話では ないけど、これも理科のお話なの でちょっと。それにしても太陽系 惑星群には、いろんな特徴がある ものですな。それでは、また来月!!

どこでキメるか..
物質増大プラズマは、別の 次元に質量を預けておき、と きに応じて、大きくしたり小 さくしたりするのだそうだ。 第15話でこれが説明されるよ うだが、今となってはなくて もがなという感じだ。とにか るくこんな疑問を感じた最初で、 X そうか、ともかくロボットにな るんだな、とロボットの扱い 方を見てからは思考停止をし てしまった。ストーリーのメ こインは、J9チームの活躍で どあって、ブライガーは最後の キメにすぎないならば、 デフォルメだと納得しよう。 とにかく、ラストでロボット が出るのだ。そう考えていたわけだ。 実際、「ブライガー」の場合は、なんといっ てもJ9の4人のキャラがすべてではないだ ろうか。会話の面白さ、小意気さ、キャラク ターの性格的魅力、それらが中心であり、ま た売り物とされている。ロボットはあくまで 最後をキメる小(大) 道具なのである。 この行き方は、ロボットアニメの進み方と しては、一つの方向を示していると思う。 ボットアニメとは、ロボットが出てくるため の名称で、常に中心に扱わなければならない ことはない。いっそ、最小限にまで切り捨て、 その分ほかの所に力を注ぎ込むのもよい。 残念なことに、「ブライガー」の場合、この 他の部分というところで今一つ絞り切れてな いと思うのだ。会話も確かに魅力的だ。スパ イアクション風の活躍もいい。キャラクター の性格でも売ってみたいそんな感じだ。 個人的な意見だが、ストーリー展開にもう ひとひねり欲しい気がする。へんに複雑にし て、分かりにくくする必要はないが、”J9の 仕事”という意味で、少し期待があるわけだ。 仕事の発端となる事件部分も、もう少し時間 をさいて描写して欲しい。その過程で、見て いる者は「ブライガー」の世界に入りこんで ゆくと思うのだが….。 ロボットの部分を割り切ってしまったロボ ットアニメ。「ブライガー」の無頼さがそれに 通じることを願いたい。

May

My Anime [pg. 7-30]

Comment from Yoshinori Kanada:

銀河旋風ブライガー」のイメー ジを決定づけてしまったオープニ ングアニメ。作画は、金田流本家 (!!) 金田伊功氏。作画に時間が 足りず、まだまだ不満がと語る氏 だが、その評価はオープニングサ ウンドの小意気さとともにファン の間では圧倒的なものがある。 アニメアカデミー賞があるのな ら、間違いなく昨年度のオープニ ング賞を争っただろう!(相手? 最 もちろん「◯る星やつら」ハハツ)

ブライガーメカニカル (By Yuichi Higuchi)

三段変形! こんなに変わって いいのか!?

変形の奇抜さは数々あれど、ス タイルとサイズの両方を変えるの は初めてなのではないだろうか。 第156話「シンクロン凶惑星」でそ の秘密が明らかにされたが、他の 次元に預けられた質量は、どうな ってるのだろうか?多元宇宙” というのだからいくつものブライ ガーがいて、こっちの世界でブライ シンクロンマキシムを使うと、あ ちこちの世界では、ガレージ開け るとブライサンダーが消えてたり ………………なんだ向こうのやつらがブ ライガー使ってんのか」なんて! 想像は楽しく! 変形も美しく。 「ブライガー」は、その点も押さえ てくれての合格点であります。

まさしく”イェ~イ”そのものと いう感じのJ9”宇宙の始末屋” サンセット7″も関係なし!つ 9はJ9、バカな子ほどかわいい と申します。ひょうきんぶりも、 しっかりと、カッコよさとてなか なかで、とにかくやつらは”Jの” いつも呼んじゃうJ9! お願い 来てよのJ9!今晩おヒマ~~~

通称飛ばし屋ボウイー”。 四人の 中では、一番の”有名人”のはず なのに。なーんて思うけど、いー のですよ。ボウイーのキャリアは ハクみたいなもの。宇宙で一番” てくれればそれでいいのだ。 ひょうきんさで売ってるけれど、 私は買いたいあのバイタリティー。 それに決めるべきところでは、し つかり決めてくれる熱血さだって。 理想の男性像とまではいかな 楽しくって、恋人にした 愛のボウイー様……というフ アンは多いのですね。 そのせいかしら、ボウイーが中 なった話は多いのよね。カー 第7話「金星監獄大 「突破」でのピンチ 土星ラリー」でわかった過去の一 部。お嬢さんのためになんて、健 気でカワイイ! 第13話「黄金大 作戦」は少年の日の美しい思い出 への〝いい話”にまとめられてい ました。第22話「暗殺指令ヌビア」 だってステラというカワイコちゃ んに一目惚れをしての大活躍!: そして第25話「天王星は死の匂い」 では、いきずりの男カドーとの男 同士のふれあいがカッコよく決め られていました。 飛ばし屋ボウイーは、アイドル スターなのよ、ね♡

アイザック
「ねえねえ、アイザックってさ、ロ セルしゃべってるのと叫んでるの しかないんじゃないの」なんて茶 化されちゃうけど、そこがまたカ ワイイのよね。なんたって三人の デキの悪い子と二人のカワイイ子 を抱えたお父さんなのよね。 本当は三人にまざってバカやり たいのにガマンしてるの? それ とも自己陶酔しているんじゃない の? どうしても、パロりたくな つちゃうところがあるわけ。 カツ コつけて黙ってるのバックに吹き 出しで「うむむ、決まった」なん て入るんじゃないかしら♡ そんなアイザックにも第11話「燃 える大雪原」のような、悲しい過 去がありました。超然として何を 考えてるのかわからないようなと ころもステキ!(本当は何も考え てないんじゃないの、とは外野 のチャチャ)。 海賊放送のラスプー チンとか、天才科学者エドモンと か、スゴイ知り合いもたくさんで J9のリーダー!いったいどん な人間なんだろうと、一番気にな る人でもありますね。 派手好きなJ9では、黙ってた ほうが目立つのよね、わかってるん じゃないのかな、アイザック♡

一言でいえば、やっぱり“カワ イイ”のよね。悪い言い方になる けど、一生懸命カッコつけようと してるトコが、そう思う理由。 第17話「怒りのクーガ」は、最 近ちょつとおかんむりなのね。私 のキッドにそー簡単にくっつかれ てたまりますか! ジャクリーン なんかオバサンじゃないのよ! 第6話「復讐の紅いバラ」のジ ヨニー、第24話 「勝手にしやがれ」 のルチアーノ。 この二人が、キツ ドこと木戸丈太郎の過去を鮮明に 彩ったライバルだった。地球正規 軍特別射撃隊リーダーだったキッ ド。世界射撃選手権でチャンピオ ンの座をねらったキッド。そして、 いまをときめくロックバンド”レ イダーズ”のリーダー、ロニーは、 かつては一緒にアマバンドを組ん でいたキッドの大親友だ。 そう、若いから”熱血”のガンバ だってあるし、カッコだってつけ たい。でも、キッドはWネックのス トラトマスターで、ギンギンに口 ックを奏でてるほうが似合う……。 やっぱり、カワイイ! まるか じりのニューヒーローなのよね♡

お町つて、女の子の目から見て もやつぱり憧れるんじゃないかな。 傍若無人、快活明朗、キッドやボ ウイーを相手に少しもヒケをとら ず丁々発止の会話の小気味良さ! 第24話で見せた、恋人を助けるエ ヴァの依頼を真っ先に受けたお町。 そこにはやはり女の”共感”があ ったに違いないだろうね。キャリ アウーマンなんてカッコのいいも のじゃない。ボンバーギャル”つ たって、ヒドイ目はずいぶんくぐ つてきたのさ。 女って、案外逞しいのよね! 第10話「霧の星に消えた愛」には お町の過去があった。お町の恋人 の姿があった。 けれど……。 仲間の優しさにはシンミリもす るけど、やつぱりおどけて、チャ チャ入れ、楽しくユカイにやりま しょう! 第22話の前後編には、お町 が心を寄せる恋人が登場!けれ どその男こそ•••••。 いい男がいな ~い!と叫んでいても、いたら 敵とは、なんたる皮肉。 強い女性は、男性運が悪いのか な?

スタッフから見たキャラクターたち
CDの四辻氏、原作・構成の山 本氏ともに、四人のキャラの中で 特に好き嫌いも、区別もないそう だ。 物語の後半は、どちらかといえ ば、J9の置かれた位置状況=カ ーメンカーメンを中心としたJ9 包囲網のほうに意識が向いてしま うが、各キャラを中心としたエピ ソードも作っているとのことだ。 特にお町には、キャラへの愛着 が高まったために(四辻氏) つい に前後編が初めて登場する。30分 には収まり切れないものを描いて みようという意図だそうだ。 ここでお町が恋におちいる男、 ロコ。流れ者のミュージシャンと のことだが、全編を通じてロック などの音楽が関係する話が多いこ とに、気がついた人も多いだろう。 これは四辻氏自身が「実に音楽が 好きなんです。 ジャンルはさまざ まなんですけどね」と、おっしゃっ ているところからもわかるだろう。 また、お町には父親との一話が 用意されているそうだ。ここにも カーメンカーメンが関わっている そうだが……..。「カッコをつけ、派 手にしている連中こそ、裏では案 外、キチッとしているものです」 (四辻氏)そんな表現にも気をつ けてみよう! また、アイザックには、故郷に 帰り母親と会う話が控えていると のこと。こちらも期待される。 ここまで成長したJ9のメンバ ーたち、ぜひとも頑張ってほしい ものだ。

カッコいいというよりカワイイんですよれ! ブラスター・キッド (Kaneto Shiozawa)
非常にカッコいいというよりも やはり絵から受ける印象でしょう か、カワイイって感じなんですね。 二枚目というよりひょうきんで、 幼児性のかわいさなのか、男とし てのかわいさなのか、ちょっと難 しいですけど、そのかわいさとい うのを少し意識しています。そう ですね、時には真剣に”かわいく しようかとも思いましたね(笑い)。 今、手応えみたいなものとして は、ふざけの部分のキッドと戦い の中のマジになった部分での演じ 分けを、自分なりにできるように なったことですね。

ボウイーの感じ方ってわかるんですよね!とばし屋ボウイー(Katsuji Mori)

スピード狂のボウィー。僕自身 も車が好きで、今の暴走族のご先祖 というべきカミナリ族ってのがあ ったころ、ガンガン飛ばしてたこ ともあったんです。だから、ボウ イーが車に魅かれるっていうのが わかる気がしますね。 番組そのものの形態が面白いで すね、「必殺仕掛人」のアニメ版。 その上、BGMがアップテンポのロ ック調で、画面とよくマッチして いる。声を入れる時には他に音は 何もないんで、放送を見てBGM が入ると、 ナルホド! と楽しめ ますね。アニメというのは、演技も そうですが、絵の良さとかSEと かBGMがお互いに助け合ってい るわけで、それらが「ブライガー」 ばの雰囲気とうまくマッチしていて いいと思いますね。

スタッフ、キャストの意気 カミソリアイザック ごみが好きです (Kazuyuki Sogabe)
J9は、特に新しいメカ物で はないけれど、単に勧善懲悪に してないところがいいですね。 こういうアニメをあえて作ろう としたスタッフ、キャストの意 気ごみがすごく好きだし、気持 ちよく仕事させてもらっていま す。最終回までそうだと思いま すね。 まあ、カッコいいセリフも、 おかげさまで吐かせてもらって ますが、その逆に遊びの部分に 参加できないんですね(笑い)。 参加しようとすると「お前は根 が暗いからだめだ」(笑い)。けっ きょく参加できそうにないんで、 それが唯一心残りです。 まあ、カッコイイセリフでガツガ マンしてます。本当は気に入っ夕み てるんですよ(笑い)。

毎回すごく新鮮に演らしてもらってます! (Yōko Asagami)
気分いいですね。やっぱり今ま でにない大人のセリフもしゃべれ、 言い回しも自由な作品で楽しいで すね。けれどその分、挑戦しなけり やならないこともたくさんです。 お町というのは、適当に遊びて ノっちゃうというところのある大 人で、ボウィーとの丁々発止のや りとりや、キッドを“かわいい” と思っているところ、アイザック を〝頼りになるなあと思ってい るところなんかもあり、表現です ごく遊べると思いますね。 色気は声の方がおっつきません 4人のチームワークがすごく やりやすくて、いいですね。

類型的にならずにできるだけ新鮮にと・・・・・・ (Jôji Yanami)
声優のモノローグ ポンチョ J9は、昔のロックグループじ やないけど、懐かしく思い出しな がらやってるんです。ポンチョは、 僕の性格にマッチしているんで、 あれは好きなようにやらせてもら ってます。 「サンセット77」のロスコーのイ メージを要求されるわけではない んだが、僕自身三枚目役が多いで しょ、自然とカラーが似てきちゃ うんですね。そうなると皆さんに 悪いような気がして、それででき るだけ別の新しさを出そうとして いるんです。 みなさん、若いですからね。僕 にはもう若さは出せませんから、 それをこわさないようにやってい くしかないですよ(笑い)。

作品的に惚れこんでますよ! (Hidekatsu Shibata)
声優のモノローグ… ナレーション こんなに面白いアニメは少ない と思いますね。発想も面白いし、 作品的に惚れこんでます。 僕が今までにかかってきたロ ボットものに比べて、テンポも速 いし痛快、音楽もナウいですよ。 中身はSF調で僕の担当するナレ ーションが七五調、新旧バラバラ を一つにしている。音楽はロック 調なのに、ポンチョは「ここでゲ スよ」なんて昔の花街言葉。いち ばんのれてる作品です。 なにより、出演者のチームワー クがとてもいい。このままこれを 持続し、もう一本でも二本でも、 いい作品に近づけていけたらいい と思いますね。

素朴な中にも現代的な女の子なんですね…… (Kazumi Amemiya)
最初はもっと暗い感じのモノト ーンの女の子だと思ったんですけ ど、やってみるとギャグっぽいとこ ろもあって、素朴な中にも現代的な ちゃっかりしたところもあるんだ なと、今になってわかりました。 この雰囲気はとてもいいですね。 チームワークもいいですね。私、 この仕事が初めてなんですけど、 ベテランの方に囲まれて、あがら ないように気を遣っています。

小気味いい男の子なので、大好きです! (Kyōko Tongū)
子供なんだけど、ボウィーを やりこめるような大人っぽい 部分を持ってて、演じててとても気 持ちがいいですね。親を亡くした 過去を持ちながら、ヤンチャ坊主。 小気味いい部分がありますね。 ああいう男の子って私、とても 好きなんです。正義感が強くて好 感がもてますね。やっててとても楽しいです。

自選ストーリー&趣味のシーンは・・・(Yû Yamamoto) 好きなストーリーは、第11話 「燃える大雪原」ですか、アイザ ックの話が気に入っています。 いちばんJ9らしいなと思う のは第30、31話の「殺るのは奴ら だ」がそうじゃないかな。 シーンとしたら、ここまでシ リーズをやってみて、4人のキ ャラのそれぞれに愛着が出てき たけど、やっぱり4人を描き分 けるところがいちばん好きだな。 一般的にいって、キザが決ま るシーンが、やっぱり好きなん ですよ(笑い)。自由な青春を描 いていきたいですね。 声優さんですか? 調子よく やってくれてすごくいいですね。 けれどなれすぎが、逆に気にな ったりもします。なれなければ 調子も上がらないしで、両方一 緒というのは大変なんですけど…….。

声優さんよもやま話 (Takao Yotsuji)
実に声優さん、つまりキャス トには満足しています。声優さ んたちも、ノリまくってくれて ますし(笑い)。 声優さんたちは、マジで自分 が主役なんだ!と思っている んですね(笑い)。だからカーメ ンカーメンが登場したときなん かも大変で、ダブルキャストで やらせろと、俺が俺がとアテよ うとしまして……………。それにレギ ュラーで出演してくれている野 島昭生さんは、J9メンバーの 4人のうち誰かを殺し、自分を メンバーの役にしてくれとうる さいんですよね(笑い)。 第28話でお町が、まあベッ ドシーン”というんでしょうか、 そんなとこまであって大変だっ たんです。お町に愛着を感じて、 初めて、前後編のメインにした んです。”愛してる”の”だの で、演技のほうもリテーク続出 で大騒ぎでしたね。麻上さんに “経験不足だ”と文句をいったり で……(笑い)。 まあ、お町は男の“好み”とし て作った部分がありますしね(笑い)。

Comment from Asao Takahashi:

やはり、初めての変形パタ ーン作画作品ですので愛着が あります。できれば、ぜひや ってみたい作品のひとつです。 なんといっても、小松原さ んのキャラクターと金田さん のオープニングが、ものすご くいいですね。 キャラクターは、お町とメ イが気に入っていて、もっと この二人にスポットをあてて ほしいな。 最後に入浴シーンや、お色 気シーンをもっとひんぱんに 出してほしいものです…。

ばかな男のブライガー (By Takao Yotsuji):

ポップでスピーディでロックフ ルなアニメシリーズを目指しスタ ートした、「銀河旋風ブライガー」 もいよいよあと数本をもって、J9 シリーズ、パートⅡに突入する時 期となりました。数々の反省点は ありますが、スタッフ一同のガン バリによって、ばかな男(私)も 世間に多少、顔向けの出来る作品 ができたと、涙ながらに喜んでい る毎日です。 しかし、まだまだ未熟、他の有 能なディレクター諸氏に、せめて 追いつくよう、ガンバラなくては と、J9パートⅡに向け、自分に 叱咤しておる次第です。 けにでサの!でんズ国熱疾を慎をな 私、昨今アニメ制作にあたって は、参加するディレクターを目標 に、劇中歌を歌ったり、声優とし て参加したり、ブルースハープを 吹いたり(山本優氏にも、近年そ れに近い傾向があるが、氏の場合 は、目立ちたがり屋なのであって、 私のクリエイティブ精神とは大い に異なるのであります)して、作 品に己のすべてをさらけ出すよう に心がけているわけですが、「ブラ イガー」においては、その精神が好 みとして多少強く、はたまた、色濃 く出た事が快感となって、今、体 中を駆けめぐっています。一九八 二年、初春、昼、告白します。 私 は、アニメディレクターではなく、 実はロックンローラーになりたか った……………のです。ローリング・ス トーンズになりたかったのです。 「何だこの野郎! 文句あるか!」 このスピリット、大好きなのです。 イッツ・オンリー・ロックンロー ル、だからライク・イット。たか が、アニメーション、だから大好 きなのです。 話がまったくつながりをもたな いので、ここでゴマカシを一つ、 「イェーツ!!」 先日、「ブライガー」の主役、ブラ スター・キッドの声を演じてくれ ている、塩沢兼人君の結婚式(お ひろめパーティー)が、盛大に行 われました。私、ロックンロール ・アニメーション・ディレクター (二〇〇〇字の原稿依頼なので、 なるべくカタカナを使い、文字数 をかせいでいるのです)は、不謹 慎にも、宴なかば、こっそりと会場 を抜け出し、中野サンプラザへと 疾風のように向かい、燃え上がる 熱気の中へ突入してゆきました。英 標 国のロックバンド“プリテンダ ズ”を見にいったのです。もちろ ん、パーティを抜け出してきたの ですから、黒の上下の正装。コンサ ートは始まっていたのですぐ椅子 の上に立ち上がり、ズシンとくる サウンドの波に同化していったの ですが、アンコールが終わり、会場 に明りがともったとたん……自分 は若くない(そう若くない)んだと いう衝撃波がザワザワと押し寄せ てきたのです。スタイルのせいもあ るのですが、とにもかくにも場違 いこの上なし、といった感なので す。しかし、私は逃げませんのでした。 その中で一人のパワーある、ロッ クンロールばかとして、堂々と胸 を張り、会場を去ってきたのです 美しい!!!)。で、結論。それは、 ばかの精神を遺憾なく、常に発揮 できる事が、今、私にとっていち ばん大切だという事。 ばかな男が 作る「ブライガー」、今まで見たと ころで、どうお思いですか? 「まだばかになりきっていない!!!」 そんな声が聞こえてきたような 気がします!。たぶん、それは天 からの声だと思います。 サンライ ズの今はなき社長、私にとってア ニメ界でただ一人のボス、岸本さん の声です。「ブライガー」放映の直 前、私は、この、私にとっていちば 大切な人を失ってしまいました。 実は本当に批判してくれる人を失 った私は、ばかになりきってアニ メーションを作ってゆくしかない のです。 でも、くじけません。これから 多くの面白いアニメシリーズ をどんどん作り、子供たちに提供 してゆくつもりです。それでは、 ばかな男の「ブライガー」、これか らも応援よろしく。

PS 「ブライガー」㊙裏話 その① アイザックのエリの色 は、初めは黒だった。し かし、まちがえて赤にぬ ってきたのを見て、私は 叫んだ。「赤でゆこう、俺 はハデ好きだ!」 その② ブライリードが出てく る時の炎は、実は赤だっ た。しかし、演出の康村 君が叫んだ。「正義の炎は 青だ!」 それで青になっ た。 その③ 第26話の幻のレコード 「Gブルース」は、実は、 山本正之氏が歌っている。 私は叫んだ。「よし、オレ がバックでブルース・ハ ープを吹こう!!!」そして 「Gブルース」は、でき上が った。 その4 第28話、お町の愛のシ ーンは、実は、放映の3 倍強あった。そして、ア フレコ時、麻上洋子さん は、まじめに、セクシー な声を出していた。私は 叫んだ。「オレは洋子にホ レたぜ」!!

Interview with Takao Yotsuji & Yū Yamamoto:

詳報が待たれていた「J9II」 がついに始動しはじめた! 企画 が煮つまってきたとの情報をキャ ッチした取材班は、四辻たかお氏 にアタック! 重要な情報を得る ことができたのだ!

MA. 「J9II」の舞台が設定さ れたとうかがいましたが?

Yotsuji. ええ。今回は、作品世界の 背景にウソをつこうと思いまして。

MA. というと?

Yotsuji. 僕たちで一つの太陽系、つ まり惑星がどう並びどんな星があ る、それを創り上げてしまおうと。

MA. 別の太陽系を想像するわけ ですね、どこかの宇宙にある。

Yotsuji. まあ、そうとってもらって もいいんですが・・・・・。

MA. この太陽系なのですか?

Yotsuji. まあ、そこらへんはまだ決 定してないし、「J9」のラストが 「J9II」へと続くということで 今回は勘弁して下さい。

MA. わかりました。それでは、 「J9II」でのキャラクターはど うなりますか? 現在のキャラた ちを残すのでしょうか?

Yotsuji. いえ、まったく違います。歴 史的に「J9」が終わったあとの、 何百年後、何千年後かの物語なん で、「J9」という“伝説”がある 世界―これは「J9」のとき以上 に”悪”のはびこる世界でもある わけですが、そこで”何か”や てやろうという男たちが集まって くる……。そういう話なんで すね。

MA. 「J9」にあった”仕事” のイメージはどうなるのでしょう。

Yotsuji. さらに目的意識がはっきり しますね。恨みつらみをはらすと いう仕事ももちろんやりますが、 単に仕事が面白いだけではなく “何か”目的意識が強くなってき ている、といっておきましょう。

MA. 声優さんは、どのように?

Yotsuji. 今のままで残したいですね。 けれど主役は替えたいです。

MA. 今回の主役チームは、何人なのですか?

Yotsuji. 7人なんです。しかし物語 の中心となる集まって来た男たち は、何十人もいるのですが、この 7人(一人は女です)が一応、主役 でロボットを動かすんです。

MA. キャッチフレーズというか 意識されたイメージは?

Yotsuji. 「荒野の七人」ですね(笑い)。 今回はオートバイを使いますし、 この7人が横一列でオートバイに 乗ってくるイメージなんですね! ロボットを動かすときも横一列で やらせたい(笑い)。

ここで、今回も原作を担当 する山本優氏にもお話をう かがった。

MA. 山本さんの「グレン ガー」のイメージは?

Yamamoto. そうですね。誤解を 恐れずにいうなら「新選組」 ですね。ただこれは、企画 書という、ごく内部的なも ののうたい文句であり、決 して作品世界がそうだというつも りではありません。血風録をやるつ もりはありませんからね(笑い)。

MA. では、どのような意味で?

Yamamoto. 人間関係の中にそういう部 分を出してゆきたい、ということ と、べつに”倒幕”という意味で集 まっているんじゃないですが、そ の世界が〝幕末〟的なイメージを もっているわけです。 くれぐれも、〝サムライ”という イメージではないし、やはりそこ で表現したいのは、彼らの”青春” ですね。

MA. もう一度、四辻さんにお願 いします。今の山本さんのイメー ジへの補足など……。

Yotsuji. そうですね。新選組とは違 いますけど、〝掟”ぐらいはありま すね(笑い)。

MA. どのような?

Yotsuji. かわいい子には声をかける (爆笑)とか、人類みな夫婦とか(笑 い)、美男子で派手でなければ、男子 ではないってのもあったな(笑い)。 掟といっても気軽なものですよ。

MA. 「J9」と特に意識して変 更された点は?

Yotsuji. マジな部分をふやそうと(笑 い)、人間もふやしてみたんです。 というと?

Yotsuji. 「J9」での反省点は、実 はあの番組を見て、うちの子供が テーブルに足をあげるようになっ たんですね(笑い)。「キッドがや ってる」といわれると父親として は何もいえなくなり……(笑い)。 それじゃいけないと、それをなぜ 悪いかと怒る奴を出さねばいけな い、と思いましてね(笑い)。

MA. なるほど、山本さん、最後 にまとめてファンへのメッセージ をお願いします。

Yamamoto. 今回の「J9I」は、あく まで「19」をふまえたものです。 そしてそこで描きたいことは 春の形”であり、敵対する青春群 像〟のあり方なんですね。「J9I」 の舞台世界への転換こそが「J9」 のラストとなるわけで、こちらの 方にも御期待下さい(笑い)。

MA. それでは〝太陽系を創る” というニュアンスは……?

Yotsuji. まあ、そこらへんは来月に でも(笑い)。

MA. そうですね。よろしくお願いします!

Comment from Masayuki Yamamoto:

四辻さんとぼく は、音楽について のイメージがぴっ たり一致したんで す。それは、アニメ を見終わって、同時に〝ああ、 いいBGMをきいたな”という 感じなんです。作品と音楽をも っともっとハードにしたいとい う欲望があります。の ラストの「ABAYO FLY BYE 」 は四辻さんの好みで、ウイング ス(ポール・マッカートニーの バンド)調でした。の 音楽は、ジノ・バネリなみの超 ハードなものにしたいと考えて いるぼくの好みとをどうフュー ジョンさせていくかが課題です。

Comment from Isao Taira:

“アニメのテーマソ ングにハードロック ?”と思いました。 でも、やるからには かっこよくキメなけ ればとノリまくり、 テーマソングはOK が出るのに2時間も かかったのに、エン ディングの「さすら いキッド」なんかは 20分でOKがでるほ どでした。ただ、子 供が見るので、言葉 のまわし方をわかり やすくするように気 をつかいましたね。

Comment from Yoshito Katagiri:

山本正之氏の 曲というと、わ 演歌っぽい ものが多かった けれど、「ブライ ガー」のオープニングは、今 までとはガラリ変わってハー ドな部分が強調されているよ うですね。もちろん、そこ こに和風の味つけはあるんで すが、最初に聴いた時、やっ た!と思いました。まった くもってカッコいい。編曲も いいですよね。曲の終わりに 向かって疾走していくパワー が好きです。 編曲っていえば、エンディ ングの「さすらいキッド」は 松の上、なんて……。個人的 好みとしてはこの曲のほう が好きです。軽くて明るくて シャレていて、ちょっとさび しいロンリー・ウルフ…な んて感じで。イメージの喚起 力の強い曲だと思います。

「ブライガー」の主題歌で山本 正之氏は新しい一面を見せてくれ た。 山本氏といえば、”タイムボカン シリーズ”の音楽がまず思い浮か ぶ。ここでは、このシリーズとの 比較をまじえながら「ブライガー」 についてみていきたい。 さて、一連の主題歌から氏の作 品の特徴を見てみると、「演歌をほ うふつとさせるメロディー」とい うことが一番に挙げられるだろう。 演歌のメロディーは日本古来の 伝統的な音階でできていることが 多いが、氏の作品には、目立つと ころにこの日本音階を使った演歌 つぼいメロディーがしばしば出て くる。そのために、演歌のイメー ジが強くなるのだ。 しかし、たぶん山本氏は演歌が 書きたかったのではないだろう。 “タイムボカンシリーズ”のオープ ニングの歌詞は、一見、正義の味 方を賛えているようにみえる。が、 強い、負けない、カッコいいとい いながら、もち上げれば上げるほ どおちょくりにもなる、という二 重構造になっているのだ。この歌 詞に演歌的なメロディーをつける ことによって、まじめな顔して冗 談をいうことに成功しているのだ (めいっぱいアニソン!でキメ ている編曲の役割も大きい)。つま 山本氏は、音楽でシャレをとば すという高等技術をやってのけて いるわけである。 さて、カッコよさを前面に押し 出している「ブライガー」も、実 は日本音階を使って作られている 部分が多い(最初の8小節がまさ にそうなのだ。しかしこの曲に演 歌的なイメージはない。それは、 同じ音階を用いていても、「演歌的」

Comment from Yukio Yamagata:

4年前から、 ロック・グルー プの「トッシュ」 のツイン・リー ドボーカルをや っていました。アニメ関係で は、フィリップスより「多羅 尾伴内」劇場用のLP、「ヤッ トデタマン」のテーマソング を吹き込んでいます。 今年、 キングレコードより、挿入歌 「星影の ララバイ」 でデビュ ーし、今 度が2枚 目の作品 です。

にではなく、「ロック的」にメロデ ィーが作られているからだ (要す るに「音階」という素材よりも、 それをどう料理するかが問題なの だということ。 一言でいってしまえば、作品に 合わせて曲作りをしている、とい うことだ。当然といえばそれまで だが、プロフェッショナルのふと ころは、やはり深いのだ。 しかも山本氏は、エンディング テーマでさらにもう一つの新しい 顔を見せている。 これまでも氏は、”タイムボカン シリーズ”のエンディングで、いろ いろな曲調の歌を作ってきている。 鼓やテープの早まわしの声を使っ た「ゼンダマン」、ブギウギの「ヤ ットデタマン」等、編曲面での仕 掛けと同時に、歌詞の上でも言葉 遊び、語呂合わせなど、 オープニ ングと同様に遊びの精神が生きて いる。 ところが「さすらいキッド」は むしろオーソドックスなウェスタ ン調の曲。 これが、アステロイド・ ベルト、アウトローの世界、宇宙 の始末屋、といったイメージに重 なって、実によい雰囲気を作って いる。エンディングテーマが作品 の余韻を楽しむことを目指してい るとするならば、この曲「さすら いキッド」はその役割を十分に果 たしているものの好例といえよう。 (協力 片桐由)

June

The Anime [pg. 52-55]

ボクたちをトチ狂わせてくれちゃ った「銀河旋風ブライガー」も、い よいよ大詰めってことになっちまっ た。メカはもとよりアイザック、キ ッド、ボウイー、そしてお町やメイ とシンの兄妹に会えなくなると思う と、チットばかり寂しい。ま、そこ はあくまでイェーイ”てな調子で カラッと送ってやるのが9風オサ ラバというもんだ。 で「銀河旋風ブライガー」の最終回 はどうなるかってえと、木星が大爆 発するって寸法なんだ。 そらもう 9発着ポートにも岩が雨アラレのよ うに降りまくる。それをよけつつ勇 姿を見せてコズモワインダーが疾駆 する。 そしてとうとう 基地も爆発し ちゃうのだ。木星が大爆発して、ギ ラギラ輝く新天体がドンドコ生まれ るんだから、これは迫力モノですよ。 ま、地球と人類はなんとか辛うじて 救われたものの、こんな調子じゃ・・・ キッドが、 「しかし、この様子じゃあしばら 太陽系はあぶなっかしくて動き回 れねぇな」 というココロモチもうなづけるよ。 しかし、アイザックは 「地球は救われた…故郷に帰るの もいいだろうな」 なんてもう、ここにきてまでニク イ台詞を吐いてくれちゃうから、 クヤシーツ、のだ。 そして、続けて 「私はもどらんが……」 などと、もうひと押しダメ押しの キメ方なのだ。 クヤシーッけど、アイザックの吐 く台詞だから、ただ拝聴するしかご ざらんじゃなかか。 アイザックのキメーツのひと言に 対するJメンバーズの反応、これ がまたいい。 「片道燃料だけならこの子猫ちゃ んでもかなりのところでも行けるぜ」 のボウイーもキメてくれるのだ。 てな調子で、J9はラスプーチン たちが向かった太陽系の外宇宙のバ ーナード星方向に向かうワケ。そち 方向には地球のフライバイ植民隊 が外宇宙との交信のために10万人の 宇宙コロニーを作っているのだ。 「どうやら話はまとまったようだ な、わたしたちもフライバイといこ うか」 のアイザックの言葉に一同〝イェ で、銀河旋風ブライガーJ9は伝 説の彼方に消え去った。有終の美な のじゃ。そして幾世紀を経た後、 彼等の精神をうけついで起ち上がる 新しい若者たちがいる”と、余韻も ハートにバイブレーションを残すの だ。 しかし、最終回のハイライトシー ンがまだある。それはJ9の一人ひ とりが”ABAYO”の別れのアイ サツを送ってくれるんだ。カシャカ シャッと名前が打たれて、”ABA YO” とくる。しかもフルコーラス が入って “O YEAH! OH YEAH FLY BYE”とくる。 これはもう実に感激のキワミです。 ふつう最終回なんていうと、どうし たっておシメリ気分になるものだけ ど、ブライガーについてはいっさい 無用、ジ・エンドまでハツラツとし ているのデス。J9よ、お達者で!

「銀河旋風ブライガー」が伝説の 彼方に立ち去ったからといって嘆き 悲しむことはゴザラヌ。おアトには J9IIの「銀河風バクシンガー」 が控えているのでアル。J9Iの連 中は、これまたキワメつきのスゴ腕 揃いなんだ。 J9Iの連中がアウトサイダーだ としたら、今度の仲間は差しづめホ ンマモンのアウトローといったとこ ろだろう。なにしろあの幕末のチャ チャンバラバラでお馴染みの新選 組が原型というから、およその察し はつこうというモンだ。 乗り回すメカがオートバイで、「誠」 「ならぬ「烈」を染め抜いた旗をかか げるってのもひと味ちがっているで はないか。 そんなメンバーが依頼を請け負っ て宇宙を舞台に暴れ回るというから 想像するだけでムズムズコーフンも のなのだ。それに主たる武器が剣と いうこの発想、何かあるオスシでき るなと思ってしまうのだ。 新選組というからには、近藤勇局 長をはじめ、土方歳三や沖田総司に 似たキャラも登場する。これはもう 物的興味もあったりして、絶対に見 逃がせませんよ。 J9Iのときよりは世界も荒れて あるっていうから暴れっぷりも磨きが かかっているのが必定。 「今の世の中荒れ放題。 ジッとし てたら後ろからバッサリ切られて・・・」 なんて台詞もキマってる。 音楽はロックグループ「トッシュ」 山形ユキオと都内の某ライブスポ ットで発見した増田直美を起用した。 ードロック色を強くするってこと だから、音楽も期待できるぞ。

Animedia [pg. 18-21]

Monthly Comments and Q&As

1982:

Animage:

January: 10月からスタートした『銀河旋風ブライガー』。3月から十分な準備期間をおいて、シナリオ・作画・美術、すべての面で意図したとおりの作品になったと満足しています。原作の山本、CDの四辻、キャラデザインの小松原、メカの樋口のみなさん、それと声優の方たちなど全スタッフがこの作品にほれ込んでいます。各担当者がエネルギーの極限で『ブライガー』に取り組んでいるといえます。現在、世の中はどんどん多様化してきていますし変化の速度も速い。われわれアニメーション世界のものも、かなりハードに勉強して行かなければ、その動きに取り残されてしまうと思うのです。その意味で『ブライガー』のスタッフも世の中の動きに柔軟な発想で対応できるようがんばって行くつもりです。『ブライガー』は長期的な構想のもとにはじめた番組です。ファンのみなさん、これからもよろしく応援してください。(Tokichi Aoki)


The Anime:

  • January:
    Q. キャラクターが魅力的ですし気 に入ってます。それにちょっと大人 の雰囲気もあっていいですね。そこ で質問ですが、話の中で恋愛話のよ うなものは登場してくるのでしょう か。とくにお町に関係したね。話自 体がハードですしそういった話もた まには出てきてもいいと思うのです けど……。 栃木県今市市 中村次男(15歳)
    A. そうですね、例えばJ9のメン バーの一人とお町が恋愛関係になる といったようなことはありませんが、 お町が以前好きだった人物を回想す るといったようなかたちでは、とき どき出てくることはあります。全体 かなりハードなものですし、中村さ んの言う通りそういった部分もハー ドなだけのものになってしまってい ますしね。(Tokichi Aoki)

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