1981

January

Animage [pg. 63]

11月7日、東京・日比谷にある東京会館で話題の新作「名犬ジョリイ」のキャラクター発表会および試写会が催された。会場には100名を超えるマスコミ関係者、おもちゃメーカーの代表が参集してにぎわった。カメラフラッシュもつぎつぎへとたかれ、まただれか引退するのかとまちがえそうになる(?)くらい。ところで、この日は制作、音楽スタッフなども紹介されたが、制作スタッフを代表し、渡辺忠美プロデューサーがあいさつ。作品のテーマについてこう語った。「名犬ジョリイはピレネー犬。このピレネー犬は本来、ヒツジを追うよう訓練されています。だから、からだこそ大きいけれどおとなしく、人に危害を加えるようなことはありません。ところが、ともすればからだが大きいがゆえに化け物扱いされてしまったり、また白く美しい毛並みのために高値で売れるかとおとなの欲をかきたてることもある。そうした場合、イヌにとって人間はすでに敵。お互いに信頼しあうなんて考えられなくなるはずです。そこでこの作品では、セバスチャンという少年が、いちどは切れてしまったジョリイと人間との信頼の糸をつないでいく姿を描いていきたいと思います。全体的な仕あがりとしては元気であかるい少年と、少年をみつめ、信頼をよせるイヌとのあたたかいふれあいの姿をお見せできれば最高」また、当日会場には本物のピレネー犬もやってきた。なるほど白くてデッカイ。しかし目はおだやか。カメラにも悠然とハイ、ポーズ。会場は意外なピレネー犬の登場に沸いた。なお、番組では数秒の実写を挿入。ピレネー犬のおいたちなども紹介されるようになる予定。