1985
October
The Anime [pg. 36-39]



キャンペーン無事
「アリオン」夏休みキャンペーンが8月20日の東京からスタート。「アリオン」ファンの待つ13会場を安彦監督がまわられた。8月20日、東京では小雨がパラつく中早朝8時からの開場を待って、前日終電車に乗ってかけつけた人を先頭に長蛇の列ができた。ニュー東宝シネマ1の会場では、出演者も7時30分には会場に到着。出演者との打合せがすみやかに終わり、いよいよキャンペーンはスタートした。安彦監督が司会の人に紹介されるや会場から拍手がわきおこる。あいさつもそこそこに、約20分のデモフィルムが流される。場内はシーンと静まりかえり、みんなの視線はスクリーンにくぎづけ。映写終了後、安彦監督が再度登場し、作品についてと、キャストが決まるまでが報告された。キャストの紹介があるたびに歓声やどよめきがおこる。会場にはアリオン役の中原茂氏とアリオン役をやりたかったと悔しがるセネカ役の田中真弓さんが参加してくれて、役がらへの抱負を語られた。参加者への質疑応答やクイズなどがあり、一時間に渡るファンとの交流がおこなわれた。
イメージは風と荒野!!
自分のレコーディングスタジオも完成し、スタジオでの一作目が「アリオン」で、前作「風の谷のナウシカ」に負けない音楽をとハリキッテいる久石譲氏。フェアライトCMI、24chTRとコンソールなども導入され、新しいサウンド作りにと「アリオン」に全力投球中の久石氏に、音楽のイメージを聞いてみた。「現在はメインテーマのメロディーラインと1~2曲しかまだできていません。前作と比べられるのでプレッシャーはありますが、期待を裏切らないようなサウンドを作りと思っています。安彦氏の抱くイメージは『風と荒野』ギリシャ音楽は地中海と大理石のイメージ。ハープを使い、大国を表現するために、戦闘シーンでは、生のシンセも使いたいですね」
