1982
August
My Anime [pg. 85-87]

出ました。酔っているのは酒のせいばかりではないようですほんものの肉、半裸の女たち、そして大宇宙を駆けめぐる男たち、冒険のかずかず!学校生活にうんざりしていたウィルは、絶対に地上へなど帰りたくない気持ちです。と、そのときー。ウィルはなにか声をきいたような気がしてふりかえりますが、なにも見えません。そして、また――。誰かがたしかによんでいます。ウィルはその声に導かれるようにして、ふらふらと歩きだします。そしてこの地下世界ますます奥へ、せまい路地へ、はいってゆきます。するとなんと宇宙船発着場があり、サメに似たスタージェス号がとまっていたのです!ウィルはなんとか中へはいり、重力シートにもぐりこみます。次の日、チーフ、 ザジ、ジルコン、アストウリアスとロンたちがやってきました。 出発の日なのです。スタージェス号は、〝アリシア”という女性の心をもつコンピューターによって統制されています。このアリシアという女性は、生きていたころは、チーフの恋人でした。そしてサジもアリシアを愛していました。ところがアリシアは法律によって、べつの男と結婚しなければならなかったのです。 とうとう、アリシアは自殺してしまいました。チーフはそれを悲しみ、自分の宇宙船に人格付与して、彼女を生かしたのでした。さて、ウィルが密航していることがわかってしまいます。あやうく船の外にほっぽりだされかけ、まつ青。しかしアストゥリアスがとりなして、ウィルはようやく船においてもらえます。といってもまだ仲間ではなく、下働きで、ロボットのメルクスとともに食事の用意やそうじをしてすごします。ある日、目的地選択の会議にウィルもよばれます。ウィルはよく働いたので、半人前ながら、仲間として認められました。ザジは気にいらぬようですが……。会議では、貴重な鉱物がありそうな星系が検討されます。そのとき、ウィルはまたしてもあの声をきいたのです。こんどは声だけでなく美しい少女の悲しげな顔をともなって――。テレパシーでした。そしてそれがやってくる方向は、未知の惑星地球”。ウィルは地球へいこうといいはりますが、みなに反対されます。遠すぎるし、カネになりそうもない星だからです。山師たちは人工冬眠にはいります。 二重星の重力カタパルトによって加速をつけ、長い旅をつづけるのです。ウィルはどうしても地球へ行きたくてたまりません。とうとう人工冬眠にはいるまえに、パネルを操作して、行き先を地球”に変えてしまいました。人工冬眠の夢のなか――チーフはアリシアと話します。 アリシアは、ウィルが実はチーフの息子であることを告げます。 チーフはESPテストで優秀な成績をおさめた、念動力のエキスパート。だから、息子のウィルもエスパーにちがいない、と告げます。さて、人工冬眠から目ざめると、見知らぬ惑星についています。 ザジは怒って、ウィルを殴りつけます。彼らは〝地球”にいたのです。どうしようもなく、スタージェス号は地球におります。ところが、着陸したときのショックがもとで、アリシアの人格は深い眠りにおちてしまいます。ふつうの人間と同じように、ショックによって、失神してしまったわけです。そして彼らは外に出ますするととつぜん、レーザー砲の攻撃が!
November
My Anime [pg. 75-78]

Mariko Ōhara:
フローラって、かわいくて愛すべき少女なんです。温室育ちのせいか、恋愛など実社会を知らないんですよ。そのくせ、ウィルと出会ったころは彼をリードしている……。そんなフローラも、しだいにウィルに恋する乙女となってゆく……。主の下僕であったフローラが、主に反してゆくようになる……ウィルの存在が、主より大きくなったわけです。天使みたいな女の子が、ごく普通の女の子になってゆく……フローラにとってそれは、大きな成長なのでしょう。
ウィル:
ただ元気なだけがとりえ、落ちこぼれ少年がウィルです。神秘なテレパシーを受けた彼は、発信者をさがします。その人がフローラと知ったとき、フローラと会ったとき、ウィルの心は大人になっていました……。男の子が恋する人を得たとき、ごく自然にその人を守ろうとします。ウィルには、フローラがすべてなのです。
●明るい声で頑張りました!
MIE:
フローラのアップの表情が、ちょっぴり私に似てるかな?って感じたくらいだから、キャラクターにはなんの抵抗もありませんでした。色彩がすごくいいので、明るめの声でやりました。それにしても、プロの声優さんって、まるでぬり絵に色をぬっていくように、ピッタリ声が合うんですね〜。ストーリーは、大人っぽい普通のラブもので、アニメっぽくないとでもいうのかしら……そう、アダルトアニメなのね。
●ウィルとのフィーリングもピッタリ!
Yū Mizushima:
調子は上々ですね。ぼくとウィルとのフィーリングが合っているのか、感情移入もわりかし楽でしたね。それに、MIEさんとのコンビもやりやすかったですね……。山根監督の指示に従って、ウィルというキャラを大きくふくらませたと思っています。えーっ? トチリなんかありませんよ。ロボットアニメと違って、生身の人間ドラマもなかなかいいものですね、地でいけるわけですから……。公開を楽しみにしてください。
●気分よくやれた!
Shigeyuki Yamane:
みなさんが頑張ってくれるんで、気分よくやれましたね。MIEくんなんかも、芝居っけなく新鮮な感じがよかった。私は実写畑だったんで、あんまりつくるのはイヤなんだよね。それにしても、声に関していえばアニメのほうがやりやすいよ。実写では自分のセリフなのに、30分やっても合わない場合もあるからね。プロの力が痛いほどわかります。タツノコさんの絵がいいので、声にも演出にも、グーンと力が入っています。
