Yū Yamamoto

1981

November

Monthly Comment [For Galaxy Cyclone Braiger, Animage]:

「銀河旋風ブライガー』のエンディ ングソングについてお話します。 オープニングがかみそりアイザッ クを中心にしたメインキャラを紹介 するハード・ロック調の曲。これに 対して、エンディングはブラスター キッドのテーマソングとしました。 レコーディングに立ち合いました が、たいらいさおさんものびのびと 歌っておられ、安心して聞いていら れました。 人にいえない過去を背負ったアウ トロー、ブラスターキッドのふんい 気が十分に出ているエンディングソ ングだと思います。

作詞・山本正之、作曲・木久池勉、 編曲・高田弘、そしてたいらいさお さんが歌うこの曲を紹介します。
ッド
流す涙のない俺を さめたヤツだと人は言う ブラスターキッドブラスターキ 流れ星には明日はないさ 今日もひとり夕日に背を向けて 果てしなく遠く、遠く行く

Interview [for “Galacy Cyclone Braiger”, My Anime]:

JUDGE 1: 宇宙のよろず請負 集団コズモレンジャー J9は、誰がどんな目 的で作り上げたわけで すか?

Yamamoto. アイザックがJ9の基地やブライガー などの設備投資をし、またメンバーのスカウ トも行ったわけです。一応彼がリーダーとし て”仕事”をまとめてゆくのだけれど、その 目的はねえ……………。まあ、一つには金のためだ し、また一つははびこる悪、これは巨大な悪 ですね。色々な組織が出てくるのですが、そ の悪への怒りもあるわけです。それに仕事を のものの面白さ、でしょうか。特にこれだ! という目的はないハズです(笑)。

JUDGE 2: プラスター・キッ ドこと木戸丈太郎の経 歴信条は?

Yamamoto. キッドは地球正 規軍一の射撃の名手。 特別射撃チームのリーダーでした。チームの マークは真紅のバラ。政府と組織との癒着が がまんできずに飛び出します。別にどこに行 っても構わなかったわけですが、たまたまJ 9に加わり気に入ったというので居すわっち やいます。「気に入らなくなったらすぐに出て いくぞ」ってのは第一話でお町が言ってるけど、 それは全員の暗黙の了解ですね。キッドにつ いては第二話、第六話でその過去にふれる予 定です。

JUDGE 3: 同じくエンジェル お町とボウイーについ て聞かせて下さい。

Yamamoto. 彼女はフリーの プロフェッショナル。 キャリアウーマンていうイメージじゃないん だな。ボンバーギャルって呼んでる人だけど そういうカンジ。でも出身は政府高官の令嬢 でして、そこらへんを魅力として出したいで すね。一応、第十話で触れる予定です。ボウイ ーはこれまたトップレーサーだったのですが、 その地位をフラリと捨ててみる。勿論、公の レースには出場しますよ。 第九話かな。 そこ 彼の過去も少しは明らかになると思います よ。アイザックは第十一話の予定です。

JUDGE 4: J9の口入れ屋ポンチ 日、「ブライガー」の中では 特徴的なキャラですね。ど ういったところを描いてい く予定でしょうか?

Yamamoto. 道化まわしとしたらマカローネ署長も いるわけで、やはり典型的な小悪党・・・・・・とい うところを押し出したいですね。ハッキリし た白黒をつけるつもりはないし、彼のおかげ でJ9が生活できるわけで…(笑)。小さい 子にはチョッとついてこれないかもしれない けれど、人間世界の陰の部分をひき出すキッ カケになれば成功ですね。 アイザックには決 して頭が上がらないってところで、救いみた いなものがあると思います。

JUDGE 5: -J9全体としての キャラクター達の雰囲 気、彼らのチームワー クはどのように?

Yamamoto. なんとなくメンバーになって、仲間が 気に入ってるからつきあってるという寄せ集 めね。正面切って正義の味方だァ! という のではなく、目的性のなさみたいなものを表 したい。ちょっとアメリカっぽい感覚でね。 キッドの場合も、最初は悪に怒って軍を辞め るがそれと戦おうとするわけじゃない。J9 のチームワークは、お互いを最高のプロとし て認めあってるところから出ているわけで、 本質的にはアウトローの集まりなんです。

JUDGE 6: 三段階に変化するロ ボットが登場しますが、 物語の中にどのような形 で消化し、また生かして いくおつもりですか?

Yamamoto. 以前はロボットっていうと、単に添え ものという感じを随分持ってたんですよね。 最近は考えが変わりまして、キチンと目を据 えてやれば、ロボットそのものをそれなりに 面白く引き立てられると思っています。今ま でのようにやたら敵をいためつけるという形 や、やられやられてやり返すというのでもな く、一つの〝殺陣”として、スパーッと決ま っちゃうカンジでやりたいです。 演出に遊ん でもらいたいですね。

JUDGE 7: 第一話を見ての感 想と、シナリオを書か れる上での留意点など はいかがですか?

Yamamoto. 今回、スタッフのメンバーには満足し ています。キャラクターも気に入ってるし、 物語もまあまあじゃないかな(笑)。後は絵と しての宇宙に、どれだけ奥行き、立体感が出 てくれるかですね。シナリオとしては、ハー ドボイルドの部分と、いわゆるオフザケの部 分、つまり会話の楽しさということなのだけ ど、ハードボイルド中心で、合間合間にシャ レた感じで息抜きをさせてゆきたい。「白バイ 野郎ジョン&パンチ」みたいなシャレッ気が 出たら一番なんだけれど・・・・・・。

JUDGE 8: 近未来という設 定で、科学考証にも 力を入れているとう かがいましたが、そ のへんについて?

Yamamoto. そうです。J9の活躍の場である惑星 関係でもできるだけの資料を使います。とい ってもお話ですから、イメージ的に面白いよ うに、J9の位置はアステロイドの中にあり ます。J9が請け負う仕事の相場というのは 大体三百万ボールなんですが、普通サイズの 小惑星を買える値なわけです。建て売り住宅 みたいなもので(笑)。別荘ってカンジかな? 貨幣単位とかそういった小道具で世界観をつ くってみたいですね。人間が開拓していくと いうことでこうなるんじゃないかと……。

JUDGE 9: 総括して、「ブライガー」 の今後に関して特に意識し ている点を、また物語の構 想としてはどのくらいをお 考えでしょうか?

Yamamoto. 気分としては、型にはまらないものを ということ。J9そのものは組織としたらご 小規模、色々なコネクションから仕事の関 係で狙われるわけで、そこらへんから、チー ムとしての自然なまとまりができる形で彼ら の意識を変えてみたい。ハードボイルドであ っても明るさやシャレ たところを壊さないで やっていきたいな。一 応26話の予定だけれど、 J9シリーズとして、 キャラやロボットを変 えて続けてみたいな。

December

Q&A [For Galaxy Cyclone Braiger, Animage]:

Q. 敵の存在がわからない。なぜ、アイザッ クは、コズモレンジャーJ9を集めたのです か?

A. いまのところ、特に敵という存在はなく、 必要に迫られた目的意識もない。ただ、宇宙 でひとくせもふたくせもある連中を集めてな にかをやろうじゃないかってことで、コズモ レンジャーJ9を組織したわけ。2111年 の世界では、そういったアウトローたちが仕 事ができる難事件が多いということです。で も、彼らは単に人助けをしようっていうんじ やなくて、それ相応の報酬を要求するドライ なニューヒーローなんです。(Yū Yamamoto)

Q. コズモレンジャーJ9基地のあるアステ ロイドベルトは、どの惑星の近くにあるので すか?

A. 火星と木星の間のアステロイドベルトに ある。(Yū Yamamoto)

1982

March

Interview [For Galaxy Cyclone Braiger, The Anime]:

TA. 人気急上昇とか。

Yamamoto. ええ、そうらしいんです(笑)。 おもしろいのは、放映されてない地 域の人にも人気が高いということな んですね。例えば放映されてなくみ れない茨城県などの人が東京などの 友人達からビデオを送ってもらって みてる、といったケースが非常に多 いらしいのです。ぼくのところに来 る手紙などを見ましても、そうした の多いんです。地元局でもみられる ようにしてほしい、といったものが ね。あ、それから、キー局の「テレ ビ東京」に先日、放映延長の連名書 なんかも送られてきたそうです。

TA. ジワジワと浸透してる。

Yamamoto. そういう感じですよね。でも ぼくとしては、最初の思惑どおりい ってるな、という印象を持っていま すね。といいますのは、この作品の 場合、いわゆるロボットものはロボ ットものなのですが、これまでのも の(現在放映されてるものも含めて) とはちょっと毛色が変っていると思 うのです。少し口はぼったいのです が、この作品を引き受けるときに、 ぜひとも、そうした従来の図式でな いものということでスタートしたわ けです。〝ロボットもの”という固 定観念をできるだけとっぱらったと ころから構成しました。ですから、 最初はとまどった人が多いと思うの ですね。なんやろ、これは?って感 じでね。それでガマンして(笑) み てたら、これは意外におもしろいん じゃないか(笑) ということになっ てきた。おそらく、こういうことだ と思います。

TA. キャラも洗練された感じでいい。

Yamamoto. キャラは小松原(一男)さん にお願いしたのですが、この作品に まさにピッタリといった感じなんで すね。エロティックで行動的でしゃ れた感じでね。第一稿でほぼ期待ど おりでした。

TA. 終盤にかけてはどんな展開にな る。

Yamamoto. そうですね、これまではどち らかというと、 チャランポランな感 じだったのですが、後半にかけては 敵の姿(カーメン・カーメン)がハ ッキリ見え出し、それにつれてJ9 の結束も徐々に固っていくことにな っていくと思います。戦闘シーンな どもこれまで以上にふえてきます。 いずれにしても「ブライガー」のお もしろさはこれからだと断言します。 ぜひご期待ください。

May

Comment [For Galaxy Cyclone Braiger, My Anime]: 好きなストーリーは、第11話 「燃える大雪原」ですか、アイザ ックの話が気に入っています。 いちばんJ9らしいなと思う のは第30、31話の「殺るのは奴ら だ」がそうじゃないかな。 シーンとしたら、ここまでシ リーズをやってみて、4人のキ ャラのそれぞれに愛着が出てき たけど、やっぱり4人を描き分 けるところがいちばん好きだな。 一般的にいって、キザが決ま るシーンが、やっぱり好きなん ですよ(笑い)。自由な青春を描 いていきたいですね。 声優さんですか? 調子よく やってくれてすごくいいですね。 けれどなれすぎが、逆に気にな ったりもします。なれなければ 調子も上がらないしで、両方一 緒というのは大変なんですけど…….。

Interview [For Galaxy Cyclone Braiger, My Anime]:

詳報が待たれていた「J9II」 がついに始動しはじめた! 企画 が煮つまってきたとの情報をキャ ッチした取材班は、四辻たかお氏 にアタック! 重要な情報を得る ことができたのだ!

MA. 「J9II」の舞台が設定さ れたとうかがいましたが?

Yotsuji. ええ。今回は、作品世界の 背景にウソをつこうと思いまして。

MA. というと?

Yotsuji. 僕たちで一つの太陽系、つ まり惑星がどう並びどんな星があ る、それを創り上げてしまおうと。

MA. 別の太陽系を想像するわけ ですね、どこかの宇宙にある。

Yotsuji. まあ、そうとってもらって もいいんですが・・・・・。

MA. この太陽系なのですか?

Yotsuji. まあ、そこらへんはまだ決 定してないし、「J9」のラストが 「J9II」へと続くということで 今回は勘弁して下さい。

MA. わかりました。それでは、 「J9II」でのキャラクターはど うなりますか? 現在のキャラた ちを残すのでしょうか?

Yotsuji. いえ、まったく違います。歴 史的に「J9」が終わったあとの、 何百年後、何千年後かの物語なん で、「J9」という“伝説”がある 世界―これは「J9」のとき以上 に”悪”のはびこる世界でもある わけですが、そこで”何か”や てやろうという男たちが集まって くる……。そういう話なんで すね。

MA. 「J9」にあった”仕事” のイメージはどうなるのでしょう。

Yotsuji. さらに目的意識がはっきり しますね。恨みつらみをはらすと いう仕事ももちろんやりますが、 単に仕事が面白いだけではなく “何か”目的意識が強くなってき ている、といっておきましょう。

MA. 声優さんは、どのように?

Yotsuji. 今のままで残したいですね。 けれど主役は替えたいです。

MA. 今回の主役チームは、何人なのですか?

Yotsuji. 7人なんです。しかし物語 の中心となる集まって来た男たち は、何十人もいるのですが、この 7人(一人は女です)が一応、主役 でロボットを動かすんです。

MA. キャッチフレーズというか 意識されたイメージは?

Yotsuji. 「荒野の七人」ですね(笑い)。 今回はオートバイを使いますし、 この7人が横一列でオートバイに 乗ってくるイメージなんですね! ロボットを動かすときも横一列で やらせたい(笑い)。

ここで、今回も原作を担当 する山本優氏にもお話をう かがった。

MA. 山本さんの「グレン ガー」のイメージは?

Yamamoto. そうですね。誤解を 恐れずにいうなら「新選組」 ですね。ただこれは、企画 書という、ごく内部的なも ののうたい文句であり、決 して作品世界がそうだというつも りではありません。血風録をやるつ もりはありませんからね(笑い)。

MA. では、どのような意味で?

Yamamoto. 人間関係の中にそういう部 分を出してゆきたい、ということ と、べつに”倒幕”という意味で集 まっているんじゃないですが、そ の世界が〝幕末〟的なイメージを もっているわけです。 くれぐれも、〝サムライ”という イメージではないし、やはりそこ で表現したいのは、彼らの”青春” ですね。

MA. もう一度、四辻さんにお願 いします。今の山本さんのイメー ジへの補足など……。

Yotsuji. そうですね。新選組とは違 いますけど、〝掟”ぐらいはありま すね(笑い)。

MA. どのような?

Yotsuji. かわいい子には声をかける (爆笑)とか、人類みな夫婦とか(笑 い)、美男子で派手でなければ、男子 ではないってのもあったな(笑い)。 掟といっても気軽なものですよ。

MA. 「J9」と特に意識して変 更された点は?

Yotsuji. マジな部分をふやそうと(笑 い)、人間もふやしてみたんです。 というと?

Yotsuji. 「J9」での反省点は、実 はあの番組を見て、うちの子供が テーブルに足をあげるようになっ たんですね(笑い)。「キッドがや ってる」といわれると父親として は何もいえなくなり……(笑い)。 それじゃいけないと、それをなぜ 悪いかと怒る奴を出さねばいけな い、と思いましてね(笑い)。

MA. なるほど、山本さん、最後 にまとめてファンへのメッセージ をお願いします。

Yamamoto. 今回の「J9I」は、あく まで「J9」をふまえたものです。 そしてそこで描きたいことは 春の形”であり、敵対する青春群 像〟のあり方なんですね。「J9I」 の舞台世界への転換こそが「J9」 のラストとなるわけで、こちらの 方にも御期待下さい(笑い)。

MA. それでは〝太陽系を創る” というニュアンスは……?

Yotsuji. まあ、そこらへんは来月に でも(笑い)。

MA. そうですね。よろしくお願いします!

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