Animedia #025 (July 1983)

pg. 12-17: Super Dimension Fortress Macross

pg. 18-19: Urusei Yatsura

pg. 20-21: Aura Battler Dunbine

pg. 22-23: Future Police Urashiman

pg. 24-25: Sasuga no Sarutobi

pg. 26-28: Miyuki

pg. 30-31: Hero & Heroine

pg. 37-45: 10-Year History of Modern TV Anime (Part 2)

pg. 46-49: Japanese Anime Overseas Record Releases

★日本のアニメ制作が増えるとともに、その数々の国産アニメが海外で放映され、たくさんの反響を呼んでいる。特に欧米や東南アジア諸国で、現在日本のアニメを見ることができる。今回は、その海外に渡った日本のアニメの主題歌レコードの大追跡調査をおこなってみた!!

1: 日本のアニメの海外進出
現在、日本では一週間に4本以上のアニメ作品が、テレビで放映されている。昭和38年に『鉄腕アトム』が放映されて以来、この20年間でシリーズアニメはゆうに300作品を超えている。この数は、国内の各放送局の再放映枠だけでは放映できない数である。

この膨大な数の作品をかかえた各制作プロダクションは、国内から国外へと市場を求め開拓に乗りだしている。特にここ数年では、海外に輸出された作品の情報が日本にも入ってきており、読者の方の中にも様々な話を知っている人もいることだろう。

たとえば、東南アジアのタイでは「ドラえもん」がヒットし、フィリピンでは「ボルテスV」や「家なき子」がヒットした。対してヨーロッパでは「アルプスの少女ハイジ」「キャンディ・キャンディ」や「GOLDRAK」(ゴルドラック)の名前で空前の話題となった『グレンダイザー』や日本アニメ制作の一連の名作シリーズが評価を受けている。

日本のアニメの海外輸出を考えると、アメリカで放映された『アストロボーイ』こと『鉄腕アトム』が第一号としてあげられるが、20年前にやっとテレビアニメが作られはじめた頃には、今日のブームはまったく予想できないことであった。

そして、海外でも当然のごとく、ヒットした作品のアニメ関連商品が登場している。合金メカやプラモデル、ノートやペンケースなどのファンシー類、色々な出版物にレコード…と、現在の日本と同様のありさまである。

この中で、ファンの立場からしてみれば、気になるのはレコード関係の動向であろう。前記のフィリピンでヒットした「ボルテスV」は、堀江美都子の歌がそのまま流され、レコードも発売された。テレビの視聴率も90パーセントを越えるブームとなり、日本から堀江美都子、水木一郎を迎えてコンサートを開くほどであった。

日本のアニメは海外で活躍しているが、それではレコードはどうなのだろうか!?

フィリピンで大ヒットのボルテスV
ここでは、海外でヒットしたアニメ作品の一例を紹介しよう。東南アジアにアニメが輸出され始めたのは、欧米に遅れつい最近である。その東南アジアのフィリピンで、5年前に、『超電磁マシーン ボルテスV』(日本では昭和52年6月より放映)が大ヒットを飛ばしたことは関係者の記憶に新しいことである。この「ボルテスV」のヒットから、出版物やレコードが売れ、子供たちの大ヒーローロボットが誕生した。

その機をチャンスに日本のある玩具メーカーが、日本で一万円近くもする合金モデルを輸出した。その当時、国民一人当たりの平均月給が約一万円とあっては、ただでさえ外貨の少ない国で、玩具一個に一か月分の給料を払うわけにはいかない。だが欲しがる子供の気持ちを押さえられず大量に売れたという話がある。本当に日本では、全く考えられない話である。

2: アニメ主題歌海外レコードの情報は!?
海外でのレコードは、どのくらいプレスされているのだろうか?情報を集めに各プロダクションの著作権部にあたってみた。連絡をとればすぐに判明するだろうと思っていたが、意外にも返事が返ってきた。

「相手方に権利ごとフィルムを渡していますので、マーチャン関係での商品についてはだいたいわかりますが、レコードのことはわかりませんね。音楽に関する権利を所有していないので、管理しておりません」とのこと。東映動画、日本アニメーション、竜の子プロ、東北新社などすべて同様であった。

そこで、国内で音楽の著作権を管理している各社にあたってみた。まずは日本コロムビアへ問い合わせてみた。しかしここでも、海外のレコードまでは把握しきれず、ほとんどが直接売り渡した相手会社の自主的な見本贈呈で送られてくる品や、何らかの機会で海外に行った折に、積極的に店頭で購入することで、状況を把握しているのが現状だった。

そして次に足を向けたのが、テレビ朝日で放映する作品の音楽を管理しているテレビ朝日ミュージックであった。ここでも、実際には、海外レコードの管理はしていなかったが、つい先日にヨーロッパから帰ってきたスタッフが、たくさんのレコードを買い入れてきており、現地の詳しい情報といっしょに、レコードを聞くことができた。それは……。

3: エピソードにあふれる海外アニメの現状
「ヨーロッパのアニメの現状はと言うと、変な話がいっぱいあるんですよね。たとえば、イタリアのことですー。ヨーロッパ諸国の多くは国営放送ばかりで局数も少なく、放送時間も日本みたいに長くはありません。その中で、イタリアは唯一の多局国なんです。主都ローマを中心に数十局も存在しています。チャンネルを回しましたら『宇宙戦艦ヤマト』をやっていましてね。ところが別のチャンネルを回すと同じ『ヤマト』をやっていたんです。話数違いの『ヤマト』がね。一瞬あっけにとられました」と、テレビ朝日ミュージックの田村進一郎氏は語ってくれた。

日本では同一エリア内で同作品が流されるなど考えられないことだ。イタリアでは日本のようにキー局を中心にネットを組んでいるということはなく、それぞれの局が独自で番組作りをしているのだが、それにしても同時間帯に、日本のアニメを流すなどとは……。

田村氏の話は続く。「街のレコード店に日本のアニメのレコードがよく並んでいるのですが、その多いことにおどろかされましたね。聞いてみると、様々なものがあり、それぞれの国で色々に工夫してレコードというか、主題歌を作っているんですね。単に聞いただけではどの作品のかわかりませんよ」興味ある言葉がとび出してきたー。

4: 3パターンに見る海外版レコード
テレビ朝日ミュージックから借りてきたレコードを聞いてみて、これらのレコードを、大きく三つに分けることができた。

Aタイプー日本の曲と詞を直訳したものをそのまま使う。
Bタイプー日本の曲だけを使い、詞は新しく作り直す。
Cタイプー曲と詞も、日本のものとは全く違うものを作り直す。

前ページからのレコードを区分けすると、Aタイプは5-20-22、B-9-12, C-その他全てのレコード、(12も該当する)である。中には、19の『キャンディ』のように、作中に使うオリジナルBGMに歌詞をつけ、一つの歌に作ったものもある。他には、⑤の「鋼鉄ジーグ」のように、頭のイントロ部分だけを変えて、後半ほとんど変わらないようなもの。13の『ボルテスV』のように、フィリピンでの放映で、日本語のままで流されたため、日本語版のレコードで出さざるをえなかったもの。1の『ドラえもん』のように、A面はBタイプだがB面はCタイプのもの。12の『キャプテンハーロック』のように、A面にAタイプ、B面にA面のカラオケが入っているものもある。

このことから、東南アジアではAタイプが多く、ヨーロッパではBタイプに該当するタイプが多い。

5: 制作体制の違いが放映作品の違い!
では、前に分けたヨーロッパと東南アジアを、もっと細かく音楽から作品につなげ、再びテレビ朝日ミュージックの田村氏のコメントを加えて比較してみよう。

「ヨーロッパでは、同じヨーロッパの中でも、その国々の性格や感覚を、音楽の面では、特に良く表わしていると思う。例えば、フランスでヒットした『キャンディ』を取り上げてみるならば、オリジナル曲も使っているが、新しく作り直した曲もたくさん使って懐かしのいる。その曲は、短調なメロディーをいかし、原作の少女マンガの世界観を大切にして、シャンソン風な、いかにもフランスらしい曲に仕上げられている。他にも、イタリアの曲などは、作品にもよりますが、全体的に陽気なポップス調の曲が多く、それぞれのお国柄を表わしていると言えますね」と、ヨーロッパの曲調はこんな感じであるが、対して東南アジアではどうであろう。

「東南アジア諸国でオリジナル曲が多いと言うことは、まだ技術的に無理な点と言うことのほか、テレビの放映費自体がとても安く、あまりお金をかけられないということも事実でしょう。しかし、その結果からではないけど逆に言えば、作品のオリジナル性を大切にしていると言えます。これに当たる作品が、タイの『ドラえもん』やフィリピンの『ボルテスV』でしょう」

以上の田村氏のコメントから、各国においてのテレビ番組に対する姿勢が、曲への手の加え方の違いとして表れていると言えよう。他国のオリジナル作品を、ヨーロッパ諸国のように、手を加えられる限り手を加えて、作品を自分たちのものにしようとする姿勢と、外国アニメとして割り切ってしまう方法とでは、どちらが良いかと言うことは別にして、それぞれに各国の個性が出ていると言えよう。

6: ファンのニーズに応えてほしい海外版レコードの輸入

さて、これだけ紹介してきたレコードの、気になるお値段と入手法を最後に述べてみよう。前者の値段について、フランスを例にとって挙げてみると、LPが約6フラン、SPが約22フラン前後で、日本のレコードの価格とヨーロッパの諸国とはほとんど変わらないようだ。

そして、注目の入手法であるが、東京などの都心地域では輸入レコード店がたくさんできているため、近くの輸入レコード店などで聞いてみるのも一つの手であるが、例えば秋葉原の石丸電気のレコードセンターで、以前「家なき子」の海外版レコードを置いていたが、現在は置いていないようである。このような店でもある程度の量になれば、注文できないこともないとのことだ。近くに輸入レコード店のある人は、一度問い合わせてみよう。やはり、確実に手に入れるには、自分の近くで海外に行く人を探し出してお願いするのが賢明な手段であろう。近くは、タイペイや香港、グァム、ハワイでも、十分に手に入る品である。


Comments:

Michiaki Watanabe: 私は、今回の特集意図にあたるレコードを、以前に何回か聞いたことがあります。私の場合について言えば、スペイン版『マジンガーZ』やイタリア版『鋼鉄ジーグ』などですが、ヨーロッパ版の曲は、全体的に新しく作った曲が多いようです。その中でもスペイン版『マジンガーZ』などのように、メロディがやや原曲に近く、アドリブなどでところどころ構成され、編曲しているのは、経済的理由からかもしれませんね。しかし、パンチのきいたボーカルの起用や、急にオクターブが変化するなど聞かせてくれる部分もあり、積極的に聞かせようとすることがうかがえます。現在は、日本と欧米で同じような曲がはやりながらも、オリジナル曲が使われないのは残念。だが日本のアニメソングが海外に行き渡ると言うことは、どんな形式にしろ、私にとって、とても興味がありうれしいことですね。

pg. 65-80: Anime Eye

pg. 81- 96: Super Dimension Century Orguss

pg. 97-112: TV Anime City

アニメQ&A
★なぜ?どうして?とアニメを見て思ったきみ。暗く考え込まないで。Q&Aが力になります!

Q:『レディジョージィ』の中で、成長したジョージィやアーサーたちは何話から登場しますか? またロエルの登場は何話ですか?
(神奈川県 ジョージィ&ロエル命の子)
A: ジョージィは、10話で10才、15話で12才というように、回を追って成長して行きます。アーサーたちも同じです。原作と同じ14才になるのは2話からで、ロエルの登場もそのあたりです。
(東京ムービー新社文芸担当 小野田博之氏)

Q:『未来警察ウラシマン』の13話、「過去にささったトゲ」で、オークション会場から帰るルードビッヒのバックに流れた曲は、何という題名ですか? また、この曲が入っているレコードはありますか?
(埼玉県 クラッシャーミーナ)
A: これは『クリスタルナイツ・ネクライム』という曲で、コロムビアレコードから発売されているLP 『未来警察ウラシマン』(CX7089)のA面に収録されています。
(竜の子プロ)

Q: 『愛してナイト』のビーハイブのレコードの発売予定はありますか? また『愛してナイト』のLPの予定はありますか?
(静岡県 サミくん)
A: ビーハイブのレコードは、『DEBUT・BEEHIVE』というLPが発売中。『愛してナイト』の方は七月一日に、堀江美都子中心の「愛してナイト・ヒット曲集』が発売される予定です。
(コロムビアレコード)

Q:『未来警察ウラシマン』のLP第2弾は、いつ発売されますか?
(北海道 横田かおり、東京都 ミック)
A: LP第2弾『未来警察ウラシマン、VOLⅡ』は、七月二十一日発売予定です。
(コロムビアレコード 第六制作 種村ゆき枝氏)

Q:『さすがの猿飛』2話、『ナンバーワン忍者・肉丸!!』で使用されたピアノ曲の題名と作曲者を教えて下さい。
(東京都 鉄郎とジョウにもえてる子)
A: この曲は、ショパン作曲の『幻想即興曲』です。
(オムニバスプロモーション 糠塚氏)

Q:『超時空要塞マクロス』で、マクロスがトランスフォーメーションをする時、中にいる人々はどうしてるのですか?
(愛媛県 山先義成、栃木県 マクロスの大ファン)
マクロスの原動エネルギーは、何ですか?
(愛知県 斉藤健二)
マクロス艦内で上映された『小白龍』はなぜゼントラーディ艦に受信されたのですか?
(東京都 柳沢健一)
A: トランスフォーメーションの時は、民間人は専用避難壕に、戦闘員はそれぞれのフォーメーション配置についています。原動エネルギーは、オーバーテクノロジー・マクロスヒートパイルシステムクラスターといい、熱核反応によって動きます。『小白龍』が受信されたのは、ゼントラーディの受信装置が微量な電子波をとらえ、映像化できる程精密だからです。
(スタジオぬえ)

Covered:

  • Kinnikuman
  • Manga Nihonshi
  • Meme Iroiro Yume no Tabi
  • Super Dimension Fortress Macross
  • Plawres Sanshiro
  • Sasuga no Sarutobi
  • Alps Monogatari: Watashi no Annette
  • Personal Computer Travel Tanteidan
  • Captain
  • Ninja Hattori-kun
  • Galactic Gale Sasuraiger
  • Fuku-chan
  • Aishite Knight
  • The New Adventures of Honeybee Maya
  • Kousoku Denjin Albegus
  • Dr. Slump Arale-chan
  • Urusei Yatsura
  • Tokimeki Tonight
  • Cybot Robocchi
  • Eagle Sam
  • Bemubemu Hunter Kotengu Tenmaru
  • Miyuki
  • Miss Machiko
  • Akuu Daisakusen Srungle
  • Armored Trooper Votoms
  • Pure-tou no Nakama-tachi
  • Stop!! Hibari-kun
  • Doraemon
  • Manga Hajimete Monogatari
  • Aura Battler Dunbine
  • Nanako SOS
  • Future Police Urashiman
  • Manga Nippon Mukashibanashi
  • Lady Georgie
  • Itadakiman
  • Mrs. Pepperpot
  • Perman
  • Kirin Ashita no Calendar

pg. 126-127: Movie Land

pg. 133-140: Anime Star Information Bureau

pg. 144-145: Genesis Climber MOSPEADA

pg. 146-147: Stop!! Hibari-kun, Plawres Sanshiro, Bemubemu Hunter Kotengu Tenmaru

pg. 148-149: Cat’s Eye, The Super Dimension Century Orguss, Psychoarmor Govarian

pg. 150-151: Mahou no Tenshi Creamy Mami, Pure-tou no Nakama-tachi, Button Nose, Glass Mask, Time Slip Ichimannen: Prime Rose, Giant Gorg

pg. 152-154: Xabungle Graffiti

pg. 155: Dougram: Documentary of the Fang of the Sun

pg. 156-157: Patalliro! Stardust Keikaku, Barefoot Gen, Unico

pg. 158-159: Final Yamato

pg. 160-161: Wata no Kunihoshi

pg. 162-163: Theatrical Anime: Open Questions from Readers

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